名曲探偵アマデウス#20 ベートーベン・バイオリンソナタ第9番「クロイツェル」 [ドラマ]
今回取り上げられたのは、ベートーベンのバイオリンソナタ第9番「クロイツェル」でした。物語の方は、やはり、トルストイの「クロイツェル・ソナタ」と絡めたものとしていて、濃いキャラが登場した面白い物語でした。で、その濃いキャラを演じたのは志垣太郎さん。元伯爵の愛乃小路美樹麻麿が、1年前に結婚した妻が不倫していると思って、相談にやってくるということで、普通の探偵事務所にも飛び込んできそうな依頼でした。(そそれが、クラシック音楽と絡めているのがまたまた面白い所です。)
尚、この物語は、当初は事件ファイルNo.18として予定されていたものであり、前回は髭が無くなっていた所長だったが、今回はまたまた髭がありました。(次からは無くなっているでしょうが...)一方、カノンさんの髪型はボブということで、こちらは問題なく前回と繋がっていました。
今回は、カノンさんがノリノリで突っ込んでいったりしていて、いつも以上に楽しい物語になってました。そのカノンさん、冒頭でいきなり「今日も、相変わらず暇でしたね、所長」と言ってくつろいでいるという状況で、いきなりかましてくれます。が、ドアが開く音すると、目を輝かせて「お客さんかなぁ~」と嬉しそうな表情を見せ、赤絨毯が挽かれて依頼者が入って来て、手にキスされると悲鳴を上げて「ちょっと、何するんですか、もぉ~」と戸惑って怒り、早速赤絨毯に対して突っ込みを入れ、依頼者が依頼内容を話すために見せた妻の肖像画に対しても敏感に反応するということで、最初からトップ・ギヤに入っていました。
依頼者がソファに座って話しだした時は、いつもならソファの依頼者の横に座るのに、事務机の椅子に座って引いているのも面白い所でした。で、最初はティーカップを手にしていて、傍観者という感じがあったりと、本当に楽しませてくれます。
所長が「クロイツェル・ソナタ」そっくりと言って本題に。最初は所長と依頼者のコントにツッコミ役という感じのカノンさんが、所長に「ピアノを弾いてくれ」と言われると、軽く敬礼をしてからピアノに向かうというように、ここは突っ込んで下さい、と言っていて面白い所です。→やっぱり「ケータイ刑事銭形泪」を意識しているようですね。
で、今回は必渋りに(簡単なメロディだったが)ピアノを弾くカノンさん。依頼者が濃いキャラであっても、カノンさんは負けていませんね。依頼者に電話が掛かってくる(着メロがベートーベンの「運命」というのも面白い。)と、またまた面白い表情をして、背後霊のように後ろで耳を立てていたり、いつものように豊かな表情を見せてくれるカノンさんは健在でした。
ピアノとバイオリンという2つの楽器のやりとりと、依頼者の設定を上手く取り入れた物語となっていて、ストーリーの方も面白かったということもあって、曲の解説の方も分かりやすく思えたということもあって、今度、この曲をじっくりと聴いてみようと思いました。今回は、ドラマ部分が34分弱ということで、曲の方が10分弱になり、これはこれで聴かせてくれたんですけどね...
最後のオチの所は、愛乃小路美樹麻麿から手紙が来て、妻とのツーショットの写真が入っていたが、肖像画とは全然違ってふくよかな人だったというのは思っていた通りだったが、その後、カノンさんが「所長、幸せになりたいですね」と猫なで声で言うと、「何を言ってるんだ、君は」という所長のリアクションに、スタジオ内の笑い声が入った、ということで、カノンさんのアドリブが炸裂したようで、やっぱり最後はカノンさんがやってくれました。→カノンさん、所長と結婚したいという気持ちが出てきていますね。やっぱりこういう方向になっていくようで、これはこれでよろしいかと...
次回(来週)は事件ファイルNo.21・チャイコフスキーの「くるみ割り人形」です。その後はモーツァルトの「クラリネット五重奏曲」、ベートーベンの「交響曲第9番」と続き、年内はそこまでです。
ベートーヴェン : ヴァイオリン・ソナタ第9番 クロイツェル
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 2000/06/21
- メディア: CD
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番「春」&第9番「クロイツェル」
- アーティスト: ベートーヴェン,デュメイ(オーギュスタン),ピリス(マリア・ジョアン)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2007/09/05
- メディア: CD
イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ (光文社古典新訳文庫)
- 作者: トルストイ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/10/12
- メディア: 文庫
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