ゴルゴ13#34 [アニメ]
今回の物語は、特殊な中を使った暗殺劇で、如何にして証拠を消すのか、という所を描いた物語でした。また、登場人物の不動産王クランプは、アメリカの不動産王と呼ばれるドナルド・トランプ氏がモデルになっているのはいう間でもなく、クランプ・タワーというものまで出してくるのですからね...
また、普通の凶器ではなく、特殊な素材の凶器ということでは、「銭形愛」の第5話「消えた凶器の謎 ~チューボーですよ殺人事件」で使われた凶器(飴・銃として使われたのではないですが...)を思い出しました。何せ、寸胴の中に入れて溶かして凶器を消してしまうという所が同じ発想である。(今回の原作は最近のものであり、コミックの方も145巻に収録という、新しいものである。)
不動産業を営むジャンセンは、ゴルゴを呼んで不動産王のクランプの殺害を依頼する。それは、10年前に競い合った巨額のプロジェクトで、その権利を競馬の賭で決着させるという勝負を行ったが、それがイカサマだったことが分かったためだった。但し、殺害は自分の目の前で行うこと、他人を一切巻き込まないことという条件を付けた。これを受けたゴルゴは、実行するまでに少し時間が必要ということで、殺害計画を練る。で、クランプがある劇場を貸し切ることを知ると、その機会に殺害を実行することにして計画を進める。ジャンセンに、旧交を温めたいということで、その日クランプが化しきった劇場に乗り込んだゴルゴ。舞台劇の第一幕が終了し、第二幕が始まる。舞台劇で銃声がした瞬間、ゴルゴの銃が火を噴き、クランプを殺害した。クランプが倒れたことから、客席では騒ぎになり、舞台劇は中止、警察がやってきて捜査が始まる。容疑者として、ジャンセン、ゴルゴ、ジャンセンの用心棒の3人に絞られるが、凶器となった銃が見つからず、捜査は息詰まってしまう。そんな中、ジャンセンの用心棒がゴルゴに話しかける。クランプの横の席にいたジャンセンは、クランプの後頭部を撃つことは不可能なため、犯人は自分かゴルゴと言うことになるが、自分は殺っていないので、犯人はゴルゴだという。そして、ゴルゴが用いた凶器の隠し方を推理して語った。ゴルゴの持ち込んだスーツケースの中に入っていた物を使い、特殊な銃を作り、殺害後はそれをケータリング・サービスの寸胴鍋に入れて溶かしたと考えた。ゴルゴが用いたトリックはまさにその通りだった。が、警察には伝えなかった。警察は、凶器を発見できず、犯人を挙げることが出来なかった。その頃、ケータリング・サービスの寸胴鍋は川に捨てられていた...
今回の物語は、手口とトリックの面白さを楽しむものであり、少し雰囲気の違う物語であった。今回使われたトリックの発想は面白いものであるのだが、寸胴鍋の中にで溶かしてしまうというアイデアは悪くないのだが、「銭形愛」の方がより意外的なもの(飴細工で使う飴が凶器でした。)が凶器になったということで、今ひとつという印象が残った物語でした。(本作の原作の方が前ならばともかく、この原作は、40年という歴史のあるゴルゴ13ということでは最近であり、「銭形愛」の方が時間的にも先になります。)→改めて「ケータイ刑事」シリーズのトリックの面白さを再確認することになった物語でもありました。
それにしても、警察にしても、寸胴鍋の中身までしっかりと調べないといけませんねぇ...→疑うならば全てのものを徹底的に疑え、という教訓だというように解釈しておきます。
この物語は「SPコミック145巻」に収録されています。
↓「銭形愛」はこちら。やっぱり傑作です。
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