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ケータイ刑事銭形泪23話(2nd.10話)[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]

5回目となる「銭形泪・2nd.10話(通算では23話)」の「ミステリー作家の挑戦状 ~犯人は私だ!殺人事件」の「裏ネタ編」ですが、今回はこの物語の事件での殺害トリックに使われたものの中から、「ドライアイス」について、「二酸化炭素」について、「低温火傷」について、そして「酸素欠乏」について記すことにする。

尚、約2年10ヶ月半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

ドライアイス」:英語では「Dry Ice」。二酸化炭素の固体である。「固体炭酸」と呼ばれることもある。尚、「ドライアイス」というのは以前は商標であったが、現在は一般名詞化している。

気体の二酸化炭素を、高圧状態で液化させ、その液体の二酸化炭素を急速に大気中に放出させると、気化熱が奪われることによって二酸化炭素の温度が凝固点を下回ることになり、固体になる。粉末状の固体が出来るが、それを成形して固めて一般に使われる「ドライアイス」が得られる。

白い色をした固体であり、氷よりも低温であるため、保冷剤として利用される。また、液化することなく、昇華して直接気体になるため、重宝される。

尚、ドライアイスは水に入れると白煙を発生するが、これは溶けたドライアイス(=二酸化炭素)ではなくて水が凝固したものである。これは特に危険なものではないため、演劇などで煙を出す場合にも多用されている。

ドライアイスが気体になる温度(昇華温度)は-78.5゜Cである。気体になると体積は(固体の)約750倍に達する。そのため、使用するには注意が必要である。(ペットボトルなどに入れておくと、容器が破裂(爆発)する。)炭酸水を作ろうとして、ペットボトルに水とドライアイスを入れ、蓋をしてねペットボトルを振ると、ドライアイスはたちまち昇華して、容器内の圧力が一気に上昇し、容器が破裂(爆発)して、その破片で怪我をするという事故が起こる。→氷のように見えるが、氷と違って液体にならないだけに、危険に満ちているので、そういうことは絶対にしないようにしましょう。

また、ドライアイスの側では、昇華した二酸化炭素の温度が低いため、空気中の水蒸気を凝固させる。気管に入った場合、二酸化炭素が毒性を持つことになり、呼吸停止が起こる場合があるので、直接吸入するのは危険である。また、固体(=ドライアイス)は温度が低いため、直接手で触れると凍傷や低温火傷を起こすので、直接触ることも止めましょう。

以前は保冷剤として多用されていたが、近年では危険性が色々と指摘されるようになり、保冷剤としては昇華(または気化しない)ポリマー系の材料を使ったものが使用されるようになっている。

二酸化炭素」:英語では「Carbon Dioxide」、化学式は「CO2」、「シーオーツー」「炭酸ガス」と呼ばれることもある。地球の大気中には約0.03%程度含まれている。(産業革命以前は280ppm(=0.028%)だったと推測されている。)20世紀になってそれが上昇し、2000年には370ppm(=0.037%)に達したと言われており、このことを考えると、大気中に「およそ0.04%」含まれている、とした方が良いでしょう。

比重は1.529(大気が1.00なので、空気よりも重い。)融点は-56.6゜C(但し5.2気圧の場合。1気圧では液体にならない)、昇華点は-78.5゜C、無色無臭の気体である。常温の水には、1気圧でほぼ同体積が溶けて炭酸水になり、微酸性を示す。助燃性が無い、毒性が無いことから、消火剤としても利用される。→大気濃度であれば毒性は無いが、濃度が高くなると毒性を持つ。濃度が3%ぐらい(大気中濃度の100倍)になると頭痛や目眩を起こしたり、吐き気を催すようになる。7%程度になると意識を失い、この状態が継続すると呼吸停止から死に至る危険がある。

赤外線(波長が2.5~3μm、4~5μm)の吸収効果があり、地球が放射する熱が宇宙に拡散することを防ぐ能力がある。が、温室効果ガスとして現在では地球温暖化の巨悪とされている。(氷河期などでは貴重な熱を拡散させないことで、地球の寒冷化を防ぐ役割をして、ヒーロー扱いだったのだから...)

「空気より重い」「高濃度では毒になる」という性質はしっかりと頭に入れておきましょう。近年では二酸化炭素を使った消火設備があり、これが作動すると、その空間は二酸化炭素が充満されることになる。その場合は避難を指示する放送が行われるが、万一取り残された場合は、床から充満していくので、腰を下ろす、床に寝る、というのは自殺行為であり、少しでも高い場所に向かいましょう。

低温火傷」:「凍傷」の一つでもある。火やお湯、(高温の)油、紫外線焼けなどで熱傷(所謂「火傷」)を負うが、これらは高温熱源によって起こるものである。逆に熱源が極度の低温の場合でも火傷と同様に皮膚や組織が損傷を受けることがあるが、「低温火傷」と呼ばれるのはその中でもドライアイスや液体酸素、液体窒素などのように極端に温度が低いものから受けるものである。(氷点下の環境に長時間いることで血行不全が重なり、その部位が凍ってしまい、細胞組織が壊死する「凍傷」とは別ものである。)

「凍傷」(英語では「Frostbite」または「Cold Injury」)は「低温熱傷」において熱源を低温に置き換えた場合に起こるようなものと例えられるが、「低温火傷」とは「熱傷」を負う場合の熱源を極低温に置き換えたら起こると例えることが出来る。→細胞組織は適当な温度(=所謂「常温」)から外れると、もろいということである。

もしも、不幸にもこういう症状になったら、直ちに医師の診察を受けることにしましょう。

日常生活に於いてはもこれになるとしたら「ドライアイス」ぐらいであろうが、それだけ注意が必要ということを忘れないようにしましょう。(流石に、液体酸素や液体窒素を日常の業務で扱う人となると、殆どいないでしょうし、そういう人はしっかりと危険性を修得しているでしょうし...)

酸素欠乏」:「酸欠」と略して言う場合がある。酸素濃度が薄い環境下(18%未満)で人が発する症状である。待機中の酸素濃度は約21%であり、それより酸素濃度が低くなると人体に様々な悪影響が生じることになる。個人差もあるが、脳の機能低下が始まる。酸素濃度が16%になると、呼吸脈拍が増え、頭痛やはきけを覚えるようになる。酸素濃度が12%になると筋力低下、めまい、体温上昇が起こり、酸素濃度が10%になると嘔吐や意識不明に陥り、チアノーゼ状態になる。酸素濃度が8%になると昏睡状態になり、6%に酸素濃度が下がると呼吸停止から死に至る。

参考までに、大気中の酸素濃度は約21%、人の呼吸において吐き出す息の酸素濃度は約16%である。

尚、「窒息」は息が塞がって止まることであり、その要因は色々とあるが、「酸欠」は窒息によって人体に生じる状態である。

地下の工事現場、マンホールなどで、酸欠のために作業員が倒れる、というニュースを時々耳にするが、密閉された閉空間では発生する可能性が高くなる。特に地下では、空気より重い二酸化炭素などが沈殿して溜まるため、危険な状態になる。また、洞窟などの自然環境では、土中の鉄分が酸化することで酸素を消費していて、マンホールでは微生物が酸素を消費していて、それぞれ酸素濃度が大気中よりも低下している場合がある。また、意外と知られていないのが、暗室となっている野菜貯蔵庫(特に緑色野菜の保管倉庫)である。植物の葉緑素は、日光を浴びることで光合成を行って二酸化炭素を酸素にするが、日光が無い環境下では光合成が行えず、二酸化炭素を酸素に変えることが出来ず、逆に酸素を消費して二酸化炭素を作っている。そのため、酸素濃度が低下している可能性が高い。

もしも、不幸にもこういう症状になったら、酸素濃度の低い場所から一刻も早く外に出して、人工呼吸を行うと共に、速やかな医師の診察を受けることにしましょう。

 

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