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「若親分」(その3) [映画(邦画)]

今回は3本製作された1966年の作品の中から、シリーズ第3作と第4作の2本についてです。(これで、シリーズ全8作の内、前半の4作まで記すことになります。)

シリーズ第3作若親分喧嘩状
作品データを記しておくと、1966年の大映京都の作品であって、時間は83分、監督は池広一夫、脚本は高岩肇、撮影は森田富士郎、美術は加藤茂、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、市川雷蔵、高田美和、江波杏子、小山明子、滝田裕介、内藤武敏、戸浦六宏、島田竜三、五味龍太郎、三島雅夫、北龍二、水原浩一、戸田皓久、深見泰三、南部彰三、高杉玄、香川良介、ピーター・ウィリアムス、堀北幸夫、越川一、木村玄、志賀明、大杉潤、大林一夫、山岡鋭二郎、西岡弘善、勝村淳、平泉征七郎、たちである。

大陸に渡った南条武は上海の裏町で、蒙古の正統な王女・トクーズ姫を悪漢たちからを奪還すると、日本に戻って来る。姫が蒙古独立の御旗の元、帝国陸軍の過激派に利用されて平和を乱すことを恐れ、東京にある憂国の士・木島剛に預ける。木島はこれを引受けて、武に自分の後継者の地位を与えようとするも、遊侠の世界に生きる決心をしていた武はそれを固辞し、横浜の親分・高遠弥之助の客分として身を寄せることにした。高遠は、武の亡父の弟分であり、解散した南条組の生残りである若者頭・仙之助も現在は高遠組の世話になっていた。しかし、横浜では、新興やくざの猪之原が、堅気を相手に阿漕なことを振る舞いで勢力を伸ばしていて、物産会社や海運会社の乗っ取りを企んでいた。そして、その背後には阿片の密輸や利権拡大を狙っていた外国商社・ビクトルがいた。また、大陸侵略を目論む陸軍過激派も絡んでいた。木島は武に、海運会社乗取りを防ぐように依頼する。そんな中、港新報の記者・山本は、紙面で連日、やくざの悪行を糾弾していた。ある日、トクーズ姫が木島の所に匿われていることを知った陸軍過激派の川上中佐と熊田大尉たちは木島を斬ってトクーズ姫を奪おうとする。武はそれを何とか防ぎ、海軍に頼んでトクーズ姫を渡米させる。山本の活躍で警察が猪之原の資金源である阿片の手入れを行い、資金源を失った猪之助は、復讐のために武を殺そうとするが、武ではなくて弥之助を殺害してしまう。これで怒り爆発となった武は、単身で猪之原の元に殴り込みを掛けた...

3作目にもなると、キャラクタも安定してきて、雷蔵の若親分にも貫禄が出てきていて、十分楽しめる作品に仕上がっている。ただ、任侠の世界に生きる道を見出して進んでいく武が、過去にした海軍を頼るというのは、どうなんですかね...

シリーズ第4作若親分乗り込む
作品データを記しておくと、1966年の大映京都の作品であって、時間は83分、監督は井上昭、脚本は浅井昭三郎、撮影は今井ひろし、美術は上里忠男、音楽は小杉太一郎である。そして出演は市川雷蔵、松尾嘉代、藤村志保、本郷功次郎、垂水悟郎、守田学、北城寿太郎、遠藤辰雄、戸田皓久、三島雅夫、高杉玄、浜田雄史、沖時男、福山象三、南条新太郎、原聖四郎、香山恵子、橘公子、荒木忍、たちである。

軍を脱走して捕まった磯田政吉は営倉で自殺した。これによって彼の父であり磯田組の親分は憲兵隊の取調べを受けることになり、拷問されて死んだ。娘・柳子は何か秘密があると考えていた。そんな所に南条武が現れ、柳子を助け、親分の葬儀を済ませた。そんな所に、磯田組と対立している郷田組の幹部・寺井が香典を持ってくる。柳子は突っぱねるも、武は取りなして、丁重に返し、波風を経たないようにことを納める。郷田組は憲兵隊とこの地のボス・河村の後ろ盾でのし上がってきた新興やくざであった。阿漕な振る舞いによって陸軍の御用を務める穀物問屋・西野商店が潰れ、その荷役を請負っていた磯田組は解散同機になっていた。武はこれに不正があることを暴く決心をして動き出す。海軍時代の旧友・竹村少佐から、霞が浦に飛行場建設の計画があることを教えられるが、この計画は憲兵隊から郷田組と河村に伝わっていて、既に土地買収に動いていた。武も動き出すが、邪魔者が現れたということで、憲兵隊から厳しくマークされる武。やがて核心に迫ってきた武に、郷田組は刺客を送り込み、決闘することになる。武の心によって刺客を倒すと、全ては郷田組と憲兵隊の不正が根底にあるという確証を得て、郷田組に乗り込んでいった...

本作から監督が交代したが、作風が変わることなく、これまでのパターンを踏襲している。(ここでもかつて籍を置いていた海軍を味方にしている。)物語としたら、シリーズも安定期に入っているということで、それなりに楽しめる作品である。(やはり、東映の任侠映画とは一味違っているが、東映・任侠映画のファンにとっては、今一つと感じられるかも...)

 

↓ビデオですが...

若親分喧嘩状 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS

若親分乗り込む [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS
市川雷蔵

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 三一書房
  • 発売日: 1995/12
  • メディア: 単行本
市川雷蔵出演映画作品ポスター集―粟田宗良コレクション

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ワイズ出版
  • 発売日: 1999/08
  • メディア: 単行本

甦る!市川雷蔵

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 近代映画社
  • 発売日: 1992/02
  • メディア: 大型本

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