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なかなか考えた放送だった再放送「名曲探偵アマデウス」 [ETC.(その他)]

本日お昼のBS-hiの「名曲探偵アマデウス」の放送は、ファイルNo.009のベートーベン『ピアノソナタ第14番「月光」』の再放送(初放送は2008/6/13)だった(内容については、省略します。)のだが、なかなか考えたことをした放送でした。(NHKだからこそ実現できたとも思えますが...)

というのは、これの始まる前の番組というのが大リーグ中継であったのだが、これが雨のために試合途中で中断が入ったため、試合終了時間が大きくずれることになった。(中断しなかったら、十分に予定時間内に終了する。)こうなると、試合終了まで放送するということを考えると、後の番組の放送開始時間が繰り下がるか、急遽お休みにするか、というのが一般的である。が、デジタルHD放送ならではの方法を使ったのが今回のBS-hiの対応でした。

どうやったかというと、予定していた「名曲探偵アマデウス」は予定通りの時間で、BS-hi(103ch)で放送を行い、大リーグ中継の方は、予備チャンネルとして持っている104chでSD放送で放送することになった。但し、普段は104chは放送していないため、103chの一部を104chの放送で使用したため、103chはHD放送ではあるが、いつもよりレートを落としての放送ということになった。(これは仕方のない所である。)SD放送1ch分のデータ量が減るということになったものの、BS-hi(103ch)は元々使用スロット数が多いため、これでも地デジやBSデジタルのTwellVよりは高いレートでのHD放送でした。(44分で約5.5Gでした。ちなみに、通常のBS-hiだったら約6.6G、地デジだと約4.5Gになる。)

野球放送の延長で、地上波だと後の番組が繰り下がること、ラジオだと後の番組の時間短縮やお休みということが色々と言われているが、今回のBS-hiの行ったやり方だと、予定されていた番組の放送レートが多少下がることになるものの、それでもHD画質を保っていて、地デジよりも品位が高いレベルを保ちつつ、野球の方はSD画質になったものの、試合再開から試合終了まで、しっかりと放送出来たというので、野球を見る人にも、予定されていた番組を見る人にも十分満足のいく放送となった。

NHKはこのようなマルチ編成というのを時々行っている。地上波・教育テレビはSDでマルチチャンネルで別番組を同時に放送していることが結構あるし、総合テレビでは、プロ野球中継で、(夜)7時のニュースの時に、ニュースと野球をマルチで放送している。

こういう芸当は、アナログ放送では出来ないことであり、デジタル放送で、HD放送だからこそ行うことが出来ることである。(BS-1、2はSD放送だから、こういう芸当は出来ない。)しかも、通常は放送していない予備チャンネルを使ったというのは、なかなかよく考えたところである。

但し、民放でこういうことをやろうとしたら、技術的にはBSデジタルでも、地上波でも、またはHD放送となっているCSでも、いずれも問題無く行うことは可能である。(地上波ではSDのマルチ編成となるが、BSではSDのマルチ編成も可能であるし、今回のBS-hiと同様に予備チャンネルを使っての放送が可能である。(但し、BS-11とTwellVではSDのマルチ編成とかできない。))しかし、実際にこういうことを行おうとしたら、スポンサーのこと(金銭的な問題で、放送枠が増えたことによるスポンサー料の件)が問題となって首を縦に振らず、実現しようとすると色々と揉めることになるのでしょうね...→視聴者第一ではなく、スポンサー第一が民放ですから...(有料放送のCSやBS局だと視聴者第一なので、こういうことを殺ってくれる可能性は高いでしょうが、逆にそういうことになる番組が無いので...)

ただ、HD放送というデジタル放送の画質がSD画質になる、というクオリティの低下だけは避けられないので、デジタル放送は基本的にHD放送としている国の方針がネックになるのは言うまでもない。→視聴者が見たいものに応えるという「視聴者第一主義」で考えると、SDのマルチ編成/HD放送というのは、放送局が独自に決めたらいいことであって、国の方針に掲げることではないと思いますが...(内容重視でSDのマルチ編成を行う放送局と、画質有線でHD放送しか行わない放送局があっても構わないと思いますけどね...)

そういえば、BS-i(当時、現在はBS-TBS)は無料放送のBS民放デジタル局で唯一、SD画質でのマルチチャンネル編成のレギュラー番組があったのだが、これもかなり昔に無くなっている。これを考えると、ソフト確保の問題をはじめ、放送局の方に別の問題があるということも分かる。が、アナログ放送が完全に無くなる前の今だからこそ、こういう試みを行っておいて、デジタル放送オンリーになった時、放送局の個性を出せる選択肢の幅を広げる可能性を探っておくべきだと思います。

 

↓参考まで

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↓一応、今回の「名曲探偵アマデウス」に合わせてこれを...
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