「悪名」(その6) [映画(邦画)]
今回は全部で4本製作された1963年の中からシリーズ第5作と第6作の2本について記します。
シリーズ第5作「第三の悪名」
作品データを記しておくと、1963年の大映京都の作品で、時間は90分、原作は今東光、監督は田中徳三、脚本は依田義賢、撮影は宮川一夫、美術は内藤昭、音楽は鏑木創である。そして出演は、勝新太郎、田宮二郎、長門裕之、月丘夢路、藤原礼子、矢島陽太郎、西村晃、南道郎、若杉曜子、天王寺虎之助、菅井一郎、夢路いとし、喜味こいし、西岡慶子、丸凡太、宮シゲオ、島田洋介、今喜多代、西川ヒノデ、北野拓也、安川洋一、若原進、西岡弘善、有村淳、小林芳宏、岸本勝、万代たけし、たちである。
死んだ弟分・モートルの貞の女房・お照の家に居候として転がり込んでいた朝吉と清次。ある日、朝吉は、戦友・粟津修と再会した。彼は粟津一家の2代目だったが、訳あって松島組に身を預けていた。朝吉も松島組とは縁があった。松島組の元締の法要の日、粟津一家の女親分・お妻は、居合わせた朝吉の気っぷに惚れて連れ帰る。そして朝吉から修の居場所を聞くと、後日、修と会って堅気になるように説得しようとするが、修はお妻への恋心を明かす。そんな中、カポネ一味の悪企みを朝吉に話し、手を貸してくれと頼むも、朝吉は断り、独自にカポネ一家のことを調べ始める。が、カポネ一家は代表名義人・小杉の息子の承諾を得たと言う。が、小杉の息子は、父の信用している番頭・垣内の二号の家に軟禁されていて、垣内がカポネ一家の黒幕だった。その頃、清次はカポネ一家のキャバレーの支配人になるが、朝吉がこれに怒り仲違いとなり、縁を切ってしまう。しかし、カポネは朝吉と政治の関係から、何かあると考えて、清次を消そうとする。清次は小杉の息子を救出して、朝吉にわびを入れる。カポネ一家は修が仕組んだことと考え、修を捕らえるが、朝吉と清次が乗り込んできて、対決となる。で、証文を取り返した朝吉は、お妻に修を預け、お照の家に戻った。
お馴染みのパターンではあるものの、今回は悪玉のスケールが今一つ中途半端な感じがするのが残念な所でした。
シリーズ第6作「悪名市場」
作品データを記しておくと、1963年の大映京都の作品で、時間は84分、原作は今東光、監督は森一生、脚本は依田義賢、撮影は今井ひろし、美術は太田誠一、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、勝新太郎、田宮二郎、瑳峨三智子、芦屋雁之助、芦屋小雁、田中春男、松居茂美、藤田まこと、白木みのる、茶川一郎、曽我廼家五郎八、島田憲三、花澤徳衛、藤原礼子、真城千都世、西岡慶子、毛利郁子、横山アウト、永田靖、高森チズ子、近江輝子、寺島雄作、東良之助、杉山昌三九、玉置一恵、橋本力、沖時男、越川一、志賀明、西岡弘善、前川広三、黒木英男、酒井修三、芝田総二、たちである。
ある詐欺事件で清次が刑務所に入ることになり、清次を陥れた詐欺師が四国のある港町にいると知った朝吉は一人で乗り込んでいく。が、そこにはニセモノの朝吉と清次が一足早くやってきて、金を騙し取っていた。で、まずはそのニセモノを探す。ニセモノはあまり悪いことをしそうにないということで、許した朝吉だった。が、そのニセモノを操っていたのは、清次を陥れた詐欺師だった。そんな中、パチンコ屋を経営する美人の咲枝と知り合う朝吉。咲枝はニセモノの朝吉に惚れていた。やがて、仮出所した清次が駆けつけて、例の詐欺師と対決することになる。大人数を相手にすることになった朝吉と清次だったが、対決が始まろうとした時、爆発が起こる。それは咲枝であり、その混乱に乗じて、朝吉と清次は敵をコテンパにやっつけた。で、警察に引き渡し、大阪に戻っていくが、その船には、清次と名乗るそっくりの格好をした男がいた。(ラストのこの部分は、次作へのマエフリです。)
ニセモノが登場するということで、朝吉の「悪名」も随分と通っていることを感じさせる物語である。本作では喜劇畑のキャストが持ち味を発揮していて、コミカルな所がででいて、雰囲気がこれまでの作品とは少し違っているのが特徴である。しかも、次作へのマエフリを用意しているということで、賛否両論ある所である。が、シリーズ作品として力を入れ始めたところだったら、こういうのは宜しいかと...
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