PAUL McCARTNEY『McCARTNEY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1970年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。(ちなみに、次のアルバムはリンダとの共同名義、その後はWINGSの名前でアルバムを発表するため、彼の個人名義の次のアルバムは1980年の「McCARTNEYⅡ」ということになる。)BEATLES解散の際、色々とあって、ポール死亡説まで流れた中、妻・リンダのお陰で立ち直った彼がリリースしたものである。全ての楽器を彼が一人で演奏しているということもポイントで、アメリカではBillboardで3週連続1位となる大ヒットを記録して、1970年の年間アルバム・チャートでも25位にランクインしている。また、イギリスでは最高位2位、日本でもオリコンで最高位13位を記録している。
収録曲は以下の全13曲である。『Lovely Linda』『That Would Be Something』『Valentine Day』『Every Night』『Hot As Sun/Glasses』『Junk』『Man We Was Lonely』『Oo You』『Momma Miss America』『Teddy Boy』『Singalong Junk』『Maybe I'm Amazed』『Kreen-Akrore』。
本アルバムからはシングル・カットされた曲はなかったが、ポールの名前で売れたという所がある。しかし、インスト・ナンバーが多いこと、全体的に曲はシンプルなものだったことから、当時は、ヒットを記録していても酷評する声も多かったのもまた事実である。(現在では、その評価も大きく変わり、高く評価されている。)
本アルバムからのお薦め曲は、『Lovely Linda』『Maybe I'm Amazed』『Every Night』『Junk』という所と、メドレー形式の『Momma Miss America』をピックアップしておく。シングル・カットされていなくてもお馴染みの曲がいくつかあるのは凄いところである。
本アルバムもまもなくリリースから40年ということになる。今では当たり前のように行われるようになった自宅での録音あるが、これは機材の進歩も大いに関係している。本アルバム収録時は機材の方もかなり大がかりなものになっていたが、それらを駆使して作られた本アルバムは、シンプルなサウンドということもあって手作りという感じがするが、彼ならではのメロディラインの美しさをシンプルにかつストレートに感じさせるものとしては良い感じに仕上げられていることになった。やはり、彼のキャリアの上でも大きなポイントになったアルバムでもあるだけに、じっくりと聴いておきたいアルバムの1つである。
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