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「MACBETH」(1948) [映画(洋画)]

表題の作品は1948年のアメリカ映画「マクベス」である。サイレント時代に一度映画化されているので、これが2度目の映画化となるシェイクスピアのあの作品である。O・ウェルズの解釈によって、大胆にカットして、彼が年少期に記した台本に基づいて演出されている。また、本作は低予算作品であって、セットなどの作りもちゃちな所があるのだが、巧みな演出と早撮りで、独特の世界を構築している作品である。

作品データを記しておくと、時間は107分の白黒作品である。原作はウィリアム・シェイクスピア、製作、監督、脚本はオーソン・ウェルズ、撮影はジョン・L・ラッセル、音楽はジャック・イベールである。そして出演は、オーソン・ウェルズ、ジャネット・ノーラン、ダン・オハーリヒー、ロディ・マクドウォール、エドガー・バリア、アラン・ネイピア、アースキン・サンフォード、たちである。

3人の魔女の予言を信じたマクベスは、妻にも唆されて、スコットランド王・ダンカンを殺し、息子のマルコムはイングランドに逃れ、王位を奪うのに成功した。しかし、バンクォ将軍の息子が王位を継ぐという新たな予言のため、マクベスはバンクォ将軍を殺すが、息子のフリアンスには逃げられてしまった。それからマクベスと夫人はバンクォの亡霊にに悩まされるようになり、夫人は自殺してしまう。そんな所にマルコムの軍が攻めてきて、マクベス軍は敗退、更に魔女の予言で、女から生まれた者に傷つけられることはないと聴いたマクベスは安心して戦場で戦う。しかし、マクダフは早産の母の死後に生まれたということを知ると力を失い、倒された。そして王位はマルコムが就いた。

ストーリーの方は有名なものであるため、特に説明する必要はないが、本作はその有名なストーリーの全てを描いていない。O・ウェルズの独自の解釈が成されていて、大胆というものとなっている。そして、低予算ということを逆に利用したかのような演出が、白黒画面の中で魂を宿したものとなり、独特の世界を築き上げている。(まるでホラー映画の世界の様な感じがする。)この作品の世界観に対しては賛否両論あるが、こういうシェイクスピアの世界もまたあっても良いのでは、と思うところである。(シェイクスピア本人の意見を聞きたいところであるが、これは無理なことである。)兎に角、シェイクスピアの原作を読んでいたら、一度は見ておいても損のない作品であり、本作について考えてみるのもよろしいかと...

 

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