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野球狂の詩#15「スラッガー藤娘」 [アニメ]

今回の物語は、メッツの主砲である国立玉一郎の物語である。歌舞伎界のホープがスラッガーとして高校野球でならしたことでプロ野球選手となるが、家族は大反対ということで、人間ドラマとしても見所のある物語です。

原作漫画では、この物語以外にも高校時代の国立を描いた物語があるのだが、アニメになったのは国立のプロ入りから初登場で代打逆転サヨナラホームランという派手なデビューをするが、その後は打てず、次に活躍するまでの苦悩を描いたものに留まっている。

それにしても、岩田鉄五郎が国立との契約で、初打席でヒットを打てなかったらクビにする、という乗降を付けて契約したというのは、現実世界ではとても考えられない契約条件であって、凄い設定です。(こういう内容の契約は、裁判に訴えたら、おそらく無効となるものと思われる。)しかも、鉄五郎はメッツの看板選手であるものの、監督でもないしフロントの人間でもないだけに...

が、国立は歌舞伎の国立屋の女形として人気を集めていた。これまで国立屋を支えていた父の弁慶に翳りが見え始めていたこともあって、周囲はプロ野球に進むことに反対していたが、本人の決意は固かった。(父は、世界は違うもののプロの世界は厳しいということを分かっているのと、息子の決めた道に進ませてやるのだから、なかなか出来た人物である。)

で、人気女形の国立の入団は、これまでは野球を全く見なかった歌舞伎ファンをプロ野球の試合に足を運ばせることになった。満員の国分寺球場。メッツは阪神と対戦する開幕戦。阪神の先発ピッチャーは、メッツキラーの大文字(メッツ相手にしか勝てず、他チーム相手には通用しないピッチャー)で、メッツは劣勢が続く。しかも大文字は投球毎にメッツベンチをちらちらと見ていた。

1-0で阪神リードで迎えた最終回。相変わらずの大文字の前に手が出ないメッツ打線。が、投球毎にメッツベンチを見る大文字が国立を見ていることに気がついた鉄五郎は、大文字がベンチを見たら手を振るように国立に伝えた。で、そうすると、大文字の様子が変わった。大文字は女形の国立のファンだったのだった。で、ランナーが1人出ると、代打国立の登場となる。(ヒットを打てないとクビになる初打席である。)で、見事にサームランを打って2-1でメッツはサヨナラ勝ちを収めた。国立屋では、玉一郎が戻って来ることが先になったと言っていたが、父はプロの厳しさを知っていて「甘くない」と思っていた。

華々しいデビューを飾った国立だったが、その後は全く打てなくなり、10打席ノーヒットが続く。苦悩する中、権助からのアドバイスで故郷に戻ってみるのもいいと言われ、歌舞伎公演の劇場を訪れる。父や弟に励まして貰うつもりだった玉一郎だったが、父は一喝し、プロの世界の厳しさを説くと、玉一郎を追い返した。これによって玉一郎は自分の甘さを痛感することになる。で、権助相手に練習に打ち込む国立だったが、ようやく何かを掴んだようだった。

既に20打席ノーヒットが続いていた。で、中日戦。国立は先発から外される。試合は中日リードで迎えた最終回。国立が代打で登場し、星野から逆転サヨナラホームランを放つ。ダイヤモンドを一周してホームインした国立は、そこで父の弁慶の舞を見せて吹っ切ったのだった。

物語としては面白いのだが、細かい所では原作漫画にあった重みのある所や、ちょっとした洒落になっている面白い台詞などが殆どカットされていることもあって、漫画と比べると80%と言った内容になってしまったのが残念な所であった。が、プロ野球と歌舞伎という全く異なる世界でも、「プロの世界」という共通点があり、プロの世界の厳しさを描くには十分な物語にはなっている。

しかし、国立がメッツの主砲で4番を打っている不動の選手であることは分かっていても、高校時代やルーキーの時の国立の野球選手としての描写が少ないこともあって、この物語だけでは国立玉一郎を描き切れていない。原作漫画にある他の国立の物語と絡めて描いた方が良かったと思われる1本でした。(そうなると、東京日日の記者・山井との絡みも出てきて、より深い物語になります。)

今回の物語中のエラーは、国分寺球場に関してありました。国立デビューの阪神戦で、阪神のベンチが試合途中で幅が狭まり、そこにいるのが4人ぐらいになってしまうことがあり、少しすると幅も広がった多数の選手がいることになるという所。また、これは後の中日戦でも同様で、国分寺球場のビジター・チームが使う三塁側ベンチは、ベンチの幅が可変するようです。

次回は、「ウォッス10番」ということで、富樫と日下部の物語です。また、その次は「ガッツ10番」ということで、一応は前後編ということになる。また、この「10番」シリーズの原作漫画は、水島新司と里中満智子の合作作品でもある。(「スラッガー10番」までの三部作であるが、アニメの方は2本である。)

 

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