ケータイ刑事銭形泪1話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]
BS-TBSの再放送が「銭形泪」になるので、それに合わせて「裏ネタ編」の方も増補していきます。(「泪・1st.」の裏ネタ編はその割りに書いていないため、ネタはたっぷりとありますからね。)で、第1話「涙を武器にする女 ~かるたクイーン殺人事件」の裏ネタ編の増補の第1回(第1話の裏ネタ編としては3回目です。)は、サブタイトルにある言葉から「涙」についてと、この物語の「裏ネタ編PART 2」で記している「百人一首」についての追記、そして「決まり字」について、この物語で泪ちゃんが着ていた「振り袖」について記すことにします。
この物語について過去に記した記事については「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての「裏ネタ編」は、2008/7/3と2008/7/10付けで記しています。)
「涙」:漢字では「涕」「泪」という表記もある。(「泪」は中国語の表記である。)また、「目汁」という言い方もある。尚、日本語の古い時代では「なみた」と読んでいたが、奈良時代には濁音化して「なみだ」になった。
眼球上部にある涙腺から分泌される液体である。眼球を保護するため、及び眼球を洗浄するために、角膜に栄養を与えるために、雑菌の消毒のために分泌されるものである。よって、常時、微量であるが分泌されている。(乾燥しないようにするため。)また、人間の場合は感情を表す際にも特に分泌されることがある。(これは人間特有のものがある。)
涙腺から出た涙は、基本的には眼球の表面を流れた後は涙点に入り、涙小管、涙嚢、鼻涙管を経て、鼻に入り、再吸収される。(但し、一部は蒸発してしまう。また、涙点、涙小管、涙嚢、鼻涙管のことをまとめて「涙道」と言う。)
成人の1日の分泌量は平均すると2~3mlである。(乾燥防止だけでもこの程度分泌されている。)また、涙の元になるのは血液である。涙腺内の毛細血管から得られた血液から血球を除いたものが涙となる。成分はアルブミン、グロブリン、リゾチームなどの蛋白質、リン酸塩、食塩などであるが、その殆ど(約98%)は水である。
英語では「Tear」、ドイツ語では「Trane」、フランス語では「Larme」、イタリア語では「Lacrime」、スペイン語では「Lagrima」と言う。
「百人一首」:短歌を集めた歌集の一つであり、藤原定家撰の「小倉百人一首」のことを一般的に指している。(それ以外にも「百人一首」と呼ばれるものは存在する。例えば「後撰百人一首」「源氏百人一首」「女房百人一首」「愛国百人一首」などがそれなりに知られた者である。しかし、「小倉百人一首」が余りにも有名である。また、それらは「小倉百人一首」を模して作られたものであり、「愛国百人一首」のように、太平洋戦争の時代に愛国心を高揚させる意図で作られたというものまであり、時代が変わっても「100」というのが一つの括りになっていることを考えると、画期的なものだったということが出来る。)
単に「百人一首」と言えば、100人の歌人が詠んだ短歌を集めたことによって成立してしまうので、他にも多数の「百人一首」は存在する。「歌かるた」として使われる「小倉百人一首」が余りにも有名であるため、このようになっているが、現在では「新百人一首」をはじめとする他の「百人一首」と区別することから、「歌かるた」で使われる(藤原定家撰)百人一首は「小倉百人一首」と呼ぶのが普通になっている。
「小倉百人一首」は鎌倉時代前期に成立したものである。藤原定家が、天智天皇から順徳天皇の時代に至る古来からの100人の歌人の歌を年代順に1人1首ずつ撰して集めたものである。(尚、宇都宮頼綱(蓮生)撰説もある。)尚、100首の内、男女は79:21となっている。
この中の最も古い時代となる万葉集の時代からは大伴家持、山部赤人、柿本人麻呂の短歌が選ばれている。続いて六歌仙の時代の短歌としては在原業平、小野小町などが選ばれている。平安時代の中期には女流歌人のものが多く選ばれていて、清少納言、紫式部、和泉式部、大弐三位、赤染衛門、小式部内侍、伊勢大輔などの短歌が選ばれている。鎌倉時代からは西行、寂蓮といった僧侶の詠んだ短歌や源実朝という武士の短歌が選ばれていて、時代の変化が感じられるものが選ばれている。
「百人一首」が現在でも広く愛用されているのは、短歌を鑑賞するだけではなく、他の用途もある。「かるた遊び」をはじめとするゲームの一つとしていくつかの遊び方があり、娯楽の一つとなっている。(この物語に出てきた「競技カルタ」は、それが発展して競技となったものである。)また、中学の頃に、古典の授業で百人一首を覚えさせられたが、これは短歌の中に見られる古語の文法の勉強になったり、掛詞などの修辞技巧が見られるためであり、古典の入門用の教材となるためである。全て覚えたとしても、日常生活では接することがないだけに、筆者も現在ではその全ては覚えていない(忘れてしまったものが多いということです。)が、誰でも百首の中のいくつかは現在でも覚えていることでしょう。(覚えていなくても、「そういえば...」と言うことで、短歌の一部分を耳にすると、思い出すものもあることでしょうね。)
「決まり字」:百人一首を用いたかるた競技の際、札の取り合いに有用なものである。短歌の途中まで読まれた時点で取り札を確定することが出来る部分のことをいう。(劇中で泪ちゃんが結構細かく説明しているが、その通りで、実に分かりやすい説明でした。)特に競技カルタでは、相手よりも早く札を取らないと勝てないので、これを把握しておかないと札は取れないことになってしまう。(数枚であれば、偶然ということで取れるかも知れませんが...)
競技カルタでは「小倉百人一首」が使用されるが、そこにある短歌は100首と決まっている。読み札と取り札は1対1で対応しているが、頭の文字(1文字から数文字)によって取り札が確定できる。特に、冒頭の1文字が「む」「す」「め」「ふ」「さ」「ほ」「せ」の場合は、他に同じ文字から始まる短歌が無いため、これだけで取り札が確定できる。(上記7文字は順に寂蓮法師、藤原敏行朝臣、紫式部、文屋康秀、良暹法師、後徳大寺左大臣、崇徳院の短歌となる。)よって、下の句が読まれるまで待たずに札を取ることが出来るようになる。→1文字で決まるこれらは「1枚札」と呼ばれる。
当然、上記以外のものは頭の1文字では確定できないが、2文字目で確定できるもの、3文字目で確定できるもの、…、とあって、最も長くても6文字目によって全ての札が確定される。(この物語のポイントとなった「あさぼらけ」は6文字目で確定できるが、これは「きみがため」「わたのはら」と共に最も決まり字が長いものである。)
ちなみに、冒頭の文字が「う」「つ」「し」「も」「ゆ」で始まるものは、それぞれ2枚ずつが候補となり、「2枚札」と呼ばれる。(いずれもが、2文字目によって取り札が確定する。)同様に、頭の1文字で対応する札が3枚に絞られるものを「3枚札」と呼び、「い」「ち」「ひ」「き」がこれに該当する。また、冒頭の文字が「あ」の場合は16枚が候補となり、「あし」「あひ」「あけ」は頭の2文字で確定するが、「あさ」はこの時点では3枚が候補となり「あさぼ」で2枚、「あさぼらけあ」/「あさぼらけう」というように6文字目になってようやく確定する。(泪ちゃんの説明の通りです。)
尚、競技カルタでは、競技が進んで行くと読まれた札が出てくるので、「決まり字」は変化していくことになる。例えば2枚札の場合、一方が読まれると、残っているものは頭の1文字で取り札が確定することになる。→これを考えると、競技カルタで勝ち進んでいくには、素早く反応するという敏捷性も必要だが、これまでに読まれた短歌も頭に入れておくという記憶力も必要不可欠ということになり、なかなか奥が深いものと言うことが出来る。→そういう競技カルタを半年の猛特訓で勝ち抜こうと考えた泪ちゃんは、まだまだ甘いですね。(ただ、半年とは言っても、それなりに努力をしたという所は評価できますが...)
「振り袖」:「振袖」という表記もある。女性の着物で袖の長いもののことである。元々は未成年の者(=元服前の男女のことである。)が着る衣服であり、男女関係無く着用されていた。しかし、現在では未婚女性が着る礼服とされている。
袖が長いことが特徴で、袖丈が114cm以上のものを「大振袖」、100cm前後のものを「中振袖」、85cm前後のものを「小振袖」と呼び、現在ではほぼこの3つに分類される。(但し、「小振袖」は殆ど使用されておらず「大振袖」が一般的である。)尚、江戸時代でも袖丈は長かったものの、現在よりは短いものであったが、時代と共に次第に長くなっていったという歴史がある。(考えてみたら、未成年者の衣装であれば、年が小さいと身長も低いため、短くても地面に触れてしまうこともあるわけでして...)
尚、身頃に近い方の袖端を縫わずにそのまま開けている部分のことを「振八つ口」といい、基本的に振り袖には「振八つ口」がある。
尚、英語では「Long-Sleeved Kimono」と言うが、見た目をそのままで言っている。(「Kimono」は今では世界に通用する名詞になっているが「Furisode」はそこまではいっていないということである。)
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