RICK JAMES『COLD BLOODED』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表された彼の7枚目のソロ・アルバムである。'70's終盤にはファンキーなサウンドで、次代を担うアーティストとして期待され、PRINCEのライバルとされた彼であるが、1981年の「STREET SONGS」の大ヒットから続く最盛期の最後のアルバムである。(本作での音の変化が嫌われることになった。)本作は、これまでの彼のサウンドから変化して、流行のエレクトリック・サウンドになったが、完成度の点では高いアルバムである。(ただ、過去の彼のサウンドからの変化が大きすぎで、受け入れられなかっただけのこと...)Billboardで最高位16位を記録するヒットを記録している。
収録曲は以下の全9曲である。『U Bring The Freak Out』『Cold Blooded』『Ebony Eyes』『1, 2, 3 (You, Her And Me)』『Doin' It』『New York Town』『P.I.M.P. The S.I.M.P.』『Tell Me (What You Want)』『Unity』。
この中からシングル・カットされたのは3曲で、アルバム・タイトル・ナンバーの『Cold Blooded』がBillboardで最高位40位、イギリスで最高位93位を記録、続く『U Bring The Freak Out』はそれほど大きなヒットとはならず、SMOKEY ROBINSONと共演した『Ebony Eyes』はBillboardで最高位43位、イギリスで最高位96位を記録している。
本アルバムからのお薦め曲は、アルバム・タイトル・ナンバーの『Cold Blooded』と『New York Town』、本アルバムの中ではファンキーなナンバーである『1, 2, 3 (You, Her And Me)』、デュエット・ソングである『Ebony Eyes』と『Tell Me (What You Want)』をピックアップしておく。
本アルバムは、サウンドが余りにも変わりすぎていたことから、拒否反応の方が大きかったが、時代の流行りを取り入れたサウンドに変化しただけのことであり、それが今一つだったというだけのことである。この時期には、某大物ロック・バンドでもエレクトリック・サウンドにサウンドが変化するということが見られ、音楽シーン全体がピコピコ・サウンドに傾倒していた時期でもある。ファンキーな彼のサウンドに期待するものが大きかっただけに、それに十二分な答えが得られなかったことでスケープゴートにされてしまった缶のあるちょっと可哀想なアルバムになってしまったのが残念でした。が、本アルバムは彼の残したアルバムの中では最も'80'sサウンドらしいアルバムであり、再評価されてもいいアルバムである。→改めて「'80'sサウンド」ということで聴き直して、それからもう一度評価し直すべきである。
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