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「犬」(その6) [映画(邦画)]

今回は、シリーズ最終年の1967年に製作された2本の中から、最終作の1つ前となるシリーズ第8作について記します。

シリーズ第8作早射ち犬」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の大映京都の作品で、時間は86分、監督は村野鉄太郎、脚本は藤本義一、撮影は上原明、美術は渡辺竹三郎、音楽は山内正である。そして出演は、田宮二郎、天知茂、小沢昭一、江波杏子、坂本スミ子、成田三樹夫、藤岡琢也、財津一郎、嘉手納清美、橘喜久子、伊達三郎、橋本力、夏木章、仲村隆、北城寿太郎、小山内淳、藤井竜史、山根圭一郎、たちである。

気ままな暮らしをしていた鴨井大介は、ギター片手に流しの歌手として暮らすようになっていて、その美声は界隈では評判となっていたが、華やかな歌手となることを嫌い、ボロアパートでの暮しに満足していた。そんなある日、大阪で三千数百万円の現金が強奪されるという事件が起った。また、底には白井という男の焼死体があり、同じアパートに住む五郎が、その事件の容疑者として浮かび、五郎は全国に指名手配されてしまった。東京でそれを知った大介は、顔馴染みの刑事・木村と協力して事件を究明することに乗り出した。まもなく、クラブ「ハバナ」が麻薬と関係がありそうだと知った大介は、「ハバナ」に潜入して調査をする。そして、「ハバナ」と新興宗教・天心精霊会の関係が麻薬で結ばれていることを突き止めた。一方、五郎は出産間近の妻がいて、逃げ回っていることを知る。五郎は、焼死体で発見されたのは白井ではなく、天心であり、白井は天心に化けていて生きていること、そして自分は白井に身替りの犯人にされそうになって逃げていた。全ての事実を知った大介は立ち上がり、精霊会に乗り込む。そして白井たちとの戦いになる。大介の拳銃の腕前の前に白井たちは敵ではなく、一味は全て倒された。事件の全てが明るみに出て、五郎の容疑は晴れ、身重の妻は無事に赤ちゃんを出産した。

これまでの作品と比べて違うのは、大介の身に降りかかった火の粉を払うために動くのではなく、親しくしている隣人に対する容疑に立ち向かって行くという所である。そのため、「大介がいい人」という印象になってしまい、「鴨井大介」というキャラクタの魅力が半減してしまったのが残念なところであった。一応、見事な曲撃ちが登場して、事件の黒幕をあぶり出し、それをやっつけるというお馴染みの展開はあるものの、スケールが小さくなってしまったという印象だけが残った作品でした。→シリーズも終焉が近い、と感じさせる内容だった、と言うことが出来る。(が、本作は人気が落ちて終演したのではなく、田宮二郎が大映を退社したことによるシリーズ終了だったのですけどね...)

 

↓DVDではなくてビデオです。

早射ち犬 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS


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