YMO『YELLOW MAGIC ORCHESTRA』(US盤) [音楽(特撮/邦楽)]
1978年に発表されたYMOのデビュー・アルバムをリミックスして編集を行い、1979年にリリースされたアメリカ版である。(日本でも逆輸入される形でリリースされている。)ジャケットの方も日本盤とは異なるものになっているのも特徴である。尚、本アルバムは後に日本でも日本盤としてリリースされたため、結果的には彼らのデビュー・アルバムの日本盤は2バージョン存在することになった。(曲数が1曲少ない本盤のほうがあとからリリースされたのは言うまでもない。)
収録曲は以下の全9曲である。(あくまでもアメリカ盤なので英語でのタイトルを記すことにします。)『COMPUTER GAME "Theme From The Circus"』『FIRECRACKER』『SIMOON』『COSMIC SURFIN'』『COMPUTER GAME "Theme From The Invader"』『YELLOW MAGIC(TONG POO)』『LA FEMME CHINOISE』『BRIDGE OVER TROUBLED MUSIC』『MAD PIERROT』。
尚、1978年に発表された日本盤ではこの9曲の後に「アクロバット」と言う曲が収録されていたが、これはUS盤ではカットされている。また『YELLOW MAGIC(TONG POO)』は日本版では『東風』というタイトルであったが、改題されている。これは日本盤の収録のものに対してて画加えられているためでもある。(それ以外はカタカナのタイトルを英語に訳したものとなっている。→無難な所です。)
この中で5曲目が、当時、大ブームとなっていたインベーダー・ゲームをテーマにしている所が時代を感じる所でもある。
お薦め曲は全部と言いたい所であるが、日本盤と異なるコーラスアレンジが行われていて、曲名も手が加えられている『YELLOW MAGIC』が再注目と言うことになる。それ以外はトラックダウンなどのレコードか処理のプロセスの違いから来る音の差があるが、基本的には日本盤との違いはない。(アルバムの場合、音質の差が存在するのは当たり前であり、その違いを求めるというのも一つの楽しみ方でもある。)
彼らのサウンドは「テクノ」と呼ばれて一世を風靡することになったが、本アルバムはただのテクノ・アルバムというだけでなく、インスト・ナンバーであっても、良いものは良いとして評価されて、ヒットを記録することが出来る、ということを知らしめたことがある。
発表から30年以上の歳月が流れた現在では、技術の進歩によって、当時のシンセサイザーを使ったエフェクトもより複雑で高度なことが簡単にできるようになっているだけに、技術的な所では古さを感じでしまうが、その分、様々な工夫が行われていて、人間的な職人技を感じる所と、機械的な無機質的な所とが感じられ、そのバランスが絶妙なものとなっている。(最近のものは、技術的には進歩しているが人間的なところが欠如していたり、バランスが悪くて、総合的には本作の足元には到底及ばない。)テクノの世界ではクラシックであるが、現在でも十分に通じるだけのものがあるだけに、日本盤/アメリカ盤に関係なく聴いておいて当然というアルバムである。また、コレクターとしてはアメリカ盤の輸入盤を持っていることが何よりですし...
↓日本盤(全10曲収録)はこちら
コメント 0