「大菩薩峠」(その2) [映画(邦画)]
今回は最初の映画化である日活作品の二部作についてです。(今回は、この作品を見ることが出来なかったため、簡単な作品解説のみを記します。)
本来は三部作となるはずで企画されたのだが、時間がかかりすぎて、当初監督を務める予定であった伊藤大輔が大映を退社したこともあって、監督が変わることになったが、応援監督の2人を使うこと、脚本に三村伸太郎を起用することなどの条件が付き、ようやく第1作が実現することになった。しかし、その後は、別々に公開して「三部作」となるはずだったあとの2本「鈴鹿山の巻」と「壬生島原の巻」(内容は第1作の続編である。)が一緒になって1本の作品となってまとめられ、そして上映されたため、結果的に「二部作」ということになった。(2本がまとめられたため、タイトルもその2つが連なる形になった。)
尚、この2作品のフィルムは、現在は製作時のものが残っていないこともあって、おそらくソフトとしてリリースされることは無いでしょう。特に、第2作の方はフィルムがほぼ存在していないので、新に発見されない限りはソフトとしてのリリース、更にはTV放送も完全に無理でしょうね。尚、第1作の方はかつてLDでリリースされていたことがあるのだが、それが全編の136分のものなのか、現存しているフィルムの77分のバージョンのものなのかも手持ちの資料を捜してみたものの確認できませんでした。(→LDでは、そういう貴重な作品までもがリリースされていたというのは、実に凄いことですね。)
ということもあるので、もしも目に出来るチャンスがあったら、見逃さずにいたいのですが、そう言う機会も残念ながら無いでしょうね。
以下、日活製作の2本の作品データを記しておきます。
日活二部作・第1作「大菩薩峠 第一篇 甲源一刀流の巻」
作品データを記しておくと、1935年の日活作品で、時間は136分、白黒作品である。原作は中里介山、監督は稲垣浩、応援監督は山中貞雄、荒井良平の2人、脚本は三村伸太郎、武田寅男、稲垣浩の3人、撮影は谷本精史、松村禎三、竹村康和の3人、音楽は西梧郎である。そして出演は、大河内傳次郎、沢田清、尾上助三郎、沢村国太郎、尾上菊太郎、鳥羽陽之助、山本礼三郎、高勢実乗、小林重四郎、清川荘司、磯川勝彦、鬼頭善一郎、伊庭駿三郎、左文字一郎、宗春太郎、黒川弥太郎、花井蘭子、高津愛子、深水藤子、五月潤子、入江たか子、衣笠淳子、市川小文治、佐々木積、山本嘉一、中田弘二、中村英雄、村田宏寿、横山運平、岡譲二、小森敏、生島日三郎、藤川三之祐、松下猛男、若松文男、杉浦くに、実川鶴子、山口佐喜雄、南條龍之助、今成平九郎、大倉多一郎、梅田哲朗、伊村利江子、橘昇子、たちである。
日活二部作・第2作「大菩薩峠 鈴鹿山の巻 壬生島原の巻」
作品データを記しておくと、1936年の日活作品で、110分の白黒作品である。原作は中里介山、監は 稲垣浩、脚本は三村伸太郎、稲垣浩の2人、撮影は谷本精史、安本淳の2人、音楽は西梧郎、深井史郎の2人である。そして出演は、大河内傳次郎、沢田清、黒川弥太郎、岡譲二、鬼頭善一郎、鳥羽陽之助、高勢実乗、尾上菊太郎、清川荘司、市川小文治、市川百々之助、上田吉二郎、小林重四郎、中田弘二、横山運平、山本嘉一、入江たか子、深水藤子、五月潤子、衣笠淳子、実川延一郎、たちである。
↓ソフトが無いので、原作本の方をピックアップしておきます。
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