名曲探偵アマデウス#60 ショパン「ピアノ・ソナタ第2番『葬送』」 [ドラマ]
3年目に突入と言うことで、今回からは放送時間が月曜19:00に変わりました。最近は1クールでも10回前後で終了するのが当たり前になっているだけに、3年目に突入というのは、それだけ内容のあるいい番組だと言うことでもあります。
また、OPの所は、2年目のもので所長とカノンさんの衣装が替わったという変化があったが、1年目から2年目の時の様な大きな変化はなかったですね。
今回取り上げられた曲はショパン「ピアノ・ソナタ第2番『葬送』」であるが、ショパンは今回で4回目ということで、ベートーベン、シューベルトと共にトップに並びました。(次とその次で、チャイコフスキーとモーツァルトも4曲目でトップグループに並びます。)
冒頭、カノンさんが(電子)ピアノの前に座って、ショパンの『英雄ポロネーズ』を弾いている。所長は「見事だ」と行って聴いていた。カノンさんは調子よく、気持ちよさそうに弾き続けている。が、突然音が途切れた。で、カノンさんは「あ゛あ゛~」と声を挙げたが、それは所長がラジカセの電源ケーブルを抜いたために再生していた音が止まってしまったのだった。カノンさんは「気持ちよく引いていたのに~」と言うが、所長は「インチキにもほどがある」と言い、ショパンの神聖なピアノ曲を子供の遊びに使っちゃダメだ、と言って(変な顔をして)怒った。カノンさんは「子供?アタシが?」と言って、こちらも変な顔をする。所長は「子供だよ」と言って更にとどめの変な顔を。→「銭形泪」で泪ちゃんと高村さんとのやりとりで「子供、子供」と言っていたのを思い出しましたが、カノンさんも所長に対抗して変な顔を見せるとは、楽しい所です。
そこに「今のはショパンの『英雄ポロネーズ』ですよね」と言って依頼人が登場した。依頼人はオドロキトラベルのツアーコンダクターであって、相談があるということだった。
依頼人はツアーのチラシとして「徒歩によるサハラ砂漠横断ツアー」「ヒマラヤで雪男を探そうツアー」という如何にも胡散臭いビックリツアーのチラシを見せたが、ミステリーツアーとしてショパンの『葬送行進曲』の指示を受けたが、何処を訪れたらいいのかということで相談に来たのだった。で、依頼を受けた所長。
まずは、この曲で最も有名な第三楽章の説明から。ここでは第三楽章の構成の説明があってから、中間部分のトリオの説明が行われる。(よく耳にするメロディは行進曲の部分であって、トリオの所はあまり耳にしないだけに、丁寧に説明してくれるのは嬉しい所でした。)で、行進曲の部分とトリオの部分が対称的になっていることがよく分かりました。そして、この曲は誰のための曲なのかというミステリーとして、「ショパン自身」という説と「失われた祖国・ポーランド」という説の両方が語られました。
続いて第一楽章、第二楽章を簡単に触れ、シューマンの言葉を経て第四楽章についてが語られる。第四楽章はまた随分と斬新な曲であるが八分休符という隠れた旧譜の存在が味なところでしたね。(たかが八分休符であるが、されど八分休符でもあり、それが効果的に使われているというのは、やっぱりショパンは一流の作曲家ということですね。)
で、依頼人が、何処を訪れるツアーにしたらいいのかということが分かり、それを会社に報告しながら帰っていった。
今回は、ドラマ部分は約35分、曲が8分弱、ラストのオチの所が1分強という構成となっていて、曲の所では、お馴染みの第三楽章と第四楽章を聴くことが出来ました。(第三楽章は良く耳にするものの、通してというりは滅多にないだけに、これはこれで貴重でした。)
ラストのオチは、依頼人からの絵はがきが届き、それを読むカノンさん。ミステリーツアーは好評のうちに終了したということだった。で、そのツアーに参加したお客さんのためにショパンのピアノコンサートを開くことにしたが、そこで響さんに演奏をお願いできないでしょうか、という依頼だった。これに「え゛っ~あたし???」と驚くカノンさん。更に、場所と日程も既に組んであって、今度の土曜日と言うことだった。これに所長は、「神聖なショパンの曲で遊んだりするからバチが当たったんだよ」と行って、完全に他人事のようでいる。カノンさんは「所長、助けて下さいよ~」と言うも、「知~らない。自分で何とかしなさい」と突き放した。これにカノンさんは変な顔を見せて、電子音のメロディで葬送行進曲のさびのメロディが流れていた。
今回のカノンさんは、冒頭とラストのオチの所では弾けていて、豊かな表情、というよりも変な顔の方が目に焼き付いたが、全体的にはおとなしかったですね。ただ、所長に「子供」と言われて、その所に強く反応するというのは面白かったです。
ラストのオチの所で、所長に見放されたが、所長には「大人なんだろう」という一言が欲しかったですね。これがあれば、「子供」と言われて反発したカノンさんは返す言葉を完全に失ってしまうことになるが、それを言わなかった所長というのは、少しはカノンさんのことを気にしているということなんですかね..???
また、冒頭部分でのオチがラストのオチにも繋がっていて、今回はカノンさんがおとなしかった所をカバーするだけの面白さがありました。
ただ、所長の言うように「ショパンの神聖な曲で遊ぶな」というのも、気持ちは十分分かるのだが、カノンさんはカノンさんで、自分で弾いている気分を味わうという楽しみたいと思うのも悪くはないとは思うのですがね。で、エアギターのパフォーマンスと同じで、「エアピアノ」ということで、これはこれで新たなパフォーマンスになるのだと思うのですが...
依頼人はそういうカノンさんのインチキを知らなかったので、カノンさんが『英雄ポロネーズ』を見事に弾いていたと思ったのも無理はないが、勝手にコンサートの準備までしてしまうというのは如何なものかと...(こちらもカノンさんにギャラをたっぷりと請求されて、勝手にコンサートまで用意した天罰が当たるのかと言う気が...)が、カノンさんのことだから、同じ手(エアピアノ)を使って、ショパンのピアノコンサートを「響カノンのエアピアノ」というショーにしてしまうのではないかと思うのですが...
3年目になったからと言って、特に内容が変わることもなく、これまでと同様に、曲についての様々な裏話や曲の秘密などが語られ、所長とカノンさんのコンビも息が合っているだけに、今後とも楽しみですね。
今回から新年度の放送ということになったが、まだ1週目ということもあって今週の放送はまだまだお休みが多くある。今後の放送予定は、火曜朝と水曜深夜のBS-hiの再放送は、今週はお休みです。また、木曜夕方のBS-2はファイルNo.042のボロディン「ダッタン人の踊り」、4/4(日)のBS-2は最新のファイルNo.060のショパンの「ピアノ・ソナタ第2番『葬送』」(今回の物語)です。そして次の新作となるファイルNo.061のチャイコフスキー「交響曲第4番」は4/5です。その後は4/12がファイルNo.062のモーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、4/19は新作なのかファイルNo.048の再放送なのか分かりませんが、ショスターコヴィチの曲ということになっています。また、4/26はファイルNo.050のヤナーチェク「シンフォニエッタ」の再放送の予定となっています。
- アーティスト: フランソワ(サンソン),コルトー(アルフレッド),ガヴリーロフ(アンドレイ),シフラ(ジョルジ),オールソン(ギャリック),アンデルシェフスキー(ピョートル),リパッティ(ディヌ),ポリーニ(マウリツィオ),プレトニョフ(ミハイル),アルゲリッチ(マルタ)
- 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
- 発売日: 2010/02/24
- メディア: CD
ロシア・ピアニズム名盤選-6 ショパン:葬送ソナタ/バラード/スケルツォ、他
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2003/05/21
- メディア: CD
- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),チャイコフスキー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: CD
- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),モーツァルト,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: CD
チャイコフスキー:弦楽セレナード/モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジー
- アーティスト: モーツァルト,チャイコフスキー,小澤征爾,サイトウ・キネン・オーケストラ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2009/05/20
- メディア: CD
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