CHRIS DE BURGH『THE GETAWAY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼の6枚目のアルバムであり、ようやく陽の目を見ることになったアルバムである。(1975年のデビューから過去に5枚のアルバムを発表していたが、イギリスで初めてチャートインを記録した。)但し、これまでのクラシック・スタイルからの大きな変化があって、当時の先端を幾エレクトリック・サウンドを導入している。尚、本アルバムは、イギリスで最高位30位を記録したほか、アメリカではBillboardで最高位43位を記録している。またドイツ(当時は西ドイツ)では1位を獲得している。
収録曲は以下の全12曲である。『Don't Pay The Ferryman』『Living On The Island』『Crying And Laughing』『I'm Counting On You』『The Getaway』『Ship To Shore』『All The Love I Have Inside』『Borderline』『Where Peaceful Waters Flow』『The Revolution』『Light A Fire』『Liberty』。
この中からシングル・カットされた『Don't Pay The Ferryman』はBillboardのシングル・チャートで最高位34位を記録して、彼としては初のヒット曲と言うことの出来る曲になった。
お薦め曲は、シングル・ヒットを記録した『Don't Pay The Ferryman』、アルバム・タイトル・ナンバーの『The Getaway』という基本中の基本の2曲と、『Living On The Island』『I'm Counting On You』『Ship To Shore』『Where Peaceful Waters Flow』という所をピックアップしておく。
'70'sの彼のサウンドはクラシカル・スタイルであり、派手な所がない地味なものであった。(地味の中にも、アイルランド人であり、アルゼンチン生まれという複雑な彼の人生が凝縮されているメッセージがあった。)それが流行のサウンドに変化をしたのだから、ちょっと驚きを与えることになったのは言うまでも無い。が、100%エレクトリック・サウンドになったのではなく、彼が得意とするじっくりと聴かせるバラード系ナンバーも捨てていない。特に本アルバムでは、ポップな曲がいくつか収録されていることで、バラード系とのギャップが目立ち、これが良い意味での二面性を生み出していて、聴き所にもなっている。
これまでのサウンドからの変化があったことで、彼は本アルバムから'90'sの前半までは全盛期を迎えることになるだけに、その浮上のきっかけになったアルバムと言うことで、聴いておきたいアルバムである。尚、'70'sからの彼のボーカルに馴染んでいた方も、かつての持ち味も残っているだけに、離れてしまう必要は無いアルバムである。
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