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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その162) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「ハンググライダーを使った脱出」です。尚、「脱出」と言うのはその場から無事に逃げるという意味であるのは言うまでも無いが、その目的までは問わないことにする。で、取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「・1st.1話」、「007」からは「ムーンレイカー」です。

ケータイ刑事」:「・1st.1話」。「カミナリ刑事登場! ~お天気クイーン殺人事件」と言う物語。本家四姉妹に続いて分家の長女しとて新局面となった5代目ケータイ刑事の最初の物語である。主人公の銭形だけでなく、相棒となる刑事、鑑識のレギュラー・キャラクターが総入れ替えとなったことで、シリーズが新たな次元に突入することになった。

第1話ということで色々と(シリーズでお馴染みの)お約束が満載という物語である。特に相棒刑事(岡野さん)もシリーズ初登場ということで、ただ者ではない所(普通ではないということである。)をしっかりと描くこともあって、頓珍漢な推理を披露するところで「ハンググライダー」を口にする。

事件は港区赤坂の海岸で男の変死体が発見されたというもので、頭部を殴られていて、別の場所で殴られて海に落とされたということが分かる。また、被害者の靴に付着していた石から、その場所は多聞岬と分かる。事件当時、テレビ局のクルーが中継のために多聞岬の側にいた。ということで、真犯人はあの時のテレビ・スタッフの中にいるとちゃんは考えたが、岡野さんの考えは違っていた。

警視庁に戻って捜査会議をするちゃんと岡野さん。岡野さんは2つの仮説を考えたと言って、その説明を始める。1つ目は「真犯人ダイバー説」と言って、その内容を説明する。(被害者を撲殺した犯人は、被害者を海に突き落とした後、アクアラングを付けて海に飛び込んで海中を逃走した、という考え。)そして2つ目が「真犯人ハングライダー説」であった。これは被害者を撲殺した真犯人は、被害者を海に突き落とし、そして用意していたハングライダーを広げて大空へ飛び立って逃走した、というものだった。

が、岡野さんの推理は更に違うものに発展した。(「殺人じゃない」と言い出して「自殺説」を展開した。)で、3つのいずれの考えも捨てがたく、岡野さんは3つの説で迷っていた。ちゃんは「迷っててください」と言って相手にしなかった。

結局、岡野さんの3つの説はいずれもが見当違いというものであって、撃沈し、ちゃんが真犯人を見抜き、無事に逮捕した。→岡野さんの考えでは、真犯人がハンググライダーを使って事件現場から脱出した、ということになるが、実際にはそう言うことは起こっていない。しかし、岡野さんの頭の中では犯人逃走のシナリオとして出来上がっていた。(あくまでも岡野さんの珍推理であって、証拠となるようなものは何一つ無かったので、推理と言うよりは「思いつき」でしかなかったのですが...)

007」:「ムーンレイカー」。1979年のシリーズ第11作であって、3代目ボンドの第4作である。「スターウォーズ」の大ヒットによって映画界はSF映画のブームとなっていたこともあって、「007」シリーズの中では最もSF設定が濃くなった作品である。また、シリーズ第11作は当初は本作ではなくて「ユア・アイズ・オンリー」の予定であった(これは第10作「私を愛したスパイ」のエンドロールで「JAMES BOND WILL RETURN」というところで「FOR YOUR EYES ONLY」と記されていることからも明かである。)が、変更されることになった。

消えたスペースシャトルを追って、ボンドはヴェネチアを経てブラジルに入る。そしてドラックスを追って、アマゾンに入る。が、ドラックスの用心棒として雇われたジョーズが現れて。アマゾン川をモーターボートでの追いかけっことなる。(3代目ボンドは「死ぬのは奴らだ」「黄金銃を持つ男」でもボートでの追いかけっこをしているということで、すっかりお馴染みのシーケンスです。)

当然、ボンドの乗っているボートは普通のモーターボートではなくて、秘密兵器が搭載されているモーターボートである。(グラストロン社のカールソンCV-23HTである。)追っ手であるジョーズ達は機関銃を撃って追いかけてくる。ボンドは防弾シールドを使い、更には装備された爆雷を落としながら逃げていく。そして、リアライトには魚雷が仕掛けられていて、それを発射してジョーズたちを仕留めようとする。

結局、逃げるボンドと、追っ手はジョーズの乗るボートだけとなるが、ボンドはジョーズを振り切ることが出来ないでいた。そういう状況で逃げ続けるボンドだったが、川の流れが速くなっていくのに気づいた。というのは、目の前には落差の大きい瀑布があったのだ。前は滝壺、後ろはジョーズということで、ボンドの逃げ道はないと思われた。が、落ち着いているボンドはヘルメットを被り、ルーフに格納されていた脱出用のハンググライダーに体を繋ぎ、滝に落ちる直前にモーターボートから脱出してハンググライダーで空へと逃げていった。モーターボートは操縦者を失ったことで、流れに乗ったまま流されて滝壺に落ちていった。

一方、追っ手のジョーズも目の前に滝壺があることに気づくと、操縦者からハンドルを奪って急ターン使用とする。が、ハンドルが外れてしまってモーターボートはコントロールを失い、ジョーズたちはそのまま滝壺へと落ちていった。(が、不死身のジョーズは滝に落ちても死なないで、この後も更に登場する。)

共通点は、脱出するのに空を飛ぶものとして「ハンググライダー」が選ばれているところである。ハンググライダーは動力を有していないものであり、飛行中は上昇気流に乗って上昇するか、滑空するだけである。よって、不使用時にはコンパクトに収めることが出来るという特徴があり、その特徴を考えると実に合理的な選択であることが言える。ということで、両作とも物事を合理的に考えていることになる。(空に脱出ということでは「気球」などという選択もあり得るが、これは大がかりな装置となってしまいますし...)

但し、相違点として、「ケータイ刑事」ではあくまでも岡野さんの頭の中での空論であって、実際に行われたことではないが、「007」では机上の空論ではなくて実際にボンドが行い、窮地から脱出したということである。

つまり、片方(「ケータイ刑事」の方)は頭の中で考えただけであり、しかも事件に於いては的外れなものであったが、「空に脱出」というところで同じ「ハンググライダー」が登場するという所が傑作に於ける不思議な共通点と言うことになる。

次回は「ある物」ということで記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。

 

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