DOKKEN『BREAKING THE CHAINS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表された彼らのスタジオ・アルバムであり、フル・サイズのアルバムとしては初のアルバムである。'80's中盤に、アメリカでもHR/HMが市民権を得ることになるが、そんな中でも彼らは異色の存在であり続けていた。他のLAメタル・バンドのレコード・セールスやチャート・アクションと比べると、確かに彼らは伸びておらず、水を空けられているのだが、彼らの独特の味を堪能出来るアルバムである。尚、本アルバムのチャート成績は、Billboardのアルバム・チャートで最高位136位を記録している。
収録曲は以下の全10曲である。『Breaking The Chains』『In The Middle』『Felony』『I Can't See You』『Live To Rock (Rock To Live)』『Nightrider』『Seven Thunders』『Young Girls』『Stick To Your Guns』『Paris Is Burning(Live)』。
尚、本アルバムは1982年にフランスで先にリリースされているのだが、そちらでは『Live To Rock (Rock To Live)』が収録されておらず、その代わりに『We're Illegal』が収録されている。また、『Paris Is Burning』はライヴ・バージョンではなくてスタジオ収録バージョンとなっている。そして曲順も一部が異なっている。
この中からシングル・カットされたのは、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Breaking The Chains』である。BillboardのHOT 100にはランクインしていないが、メインストリーム・ロック・チャートで最高位32位を記録している。
本アルバムからのお薦め曲は、アルバム・タイトル・ナンバーであってシングル・カットされている『Breaking The Chains』、そしてライヴ・バージョンの『Paris Is Burning』が双璧であって、この2曲が全てと言った所である。それ以外の曲は荒削りであって、今ひとつという所であるのだが、アルバム全体を通してエネルギッシュな所は十分に伝わってくる。(特に、お薦め曲を冒頭とラストに持ってきたという構成は上手いところである。)
本アルバムが発表された1983年は、アメリカでもHR/HMがようやく認知され始めた年であって、いくつかのバンドがヒットを飛ばして火を点けることになった年である。彼らは時代を切り開いたバンドのような大ヒットにはならなかったものの、個性的なバンドとしての地位は築き上げて、HR/HMのジャンルでもアメリカ勢も層が厚いことを感じさせることになった。彼らは'80'sLAメタルの中心的な存在ではないにしても、'80'sのアメリカのHR/HMを聴く上では忘れてはならないグループの一つである。本アルバムはそんな彼らの最初のスタジオ・アルバムであり、大ヒットを記録した1987年の「BACK FOR THE ATTACK」は言うまでも無いが、しっかりとチェックしておきたいアルバムの1つである。
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