DONNY OSMOND『EYES DON'T LIE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1990年に発表された彼の復帰第2作目となるアルバムである。(一応、トータルでは12枚目のスタジオ・アルバムということになる。)前年に12年ぶりに復帰して、セルフ名義のアルバムを発表し、なかなか好評だったということで、それに続いて発表したアルバムである。しかし、復帰作となった前作のようなヒットとはならず、Billboardのアルバム・チャートでは最高位177位を記録しただけという散々たる結果に終わってしまった。
収録曲は以下の全10曲である。『My Love Is A Fire』『Eyes Don't Lie』『Love Will Survive』『Sure Lookin'』『Private Affair』『Take Another Try (At Love)』『Make It Last Forever』『Never Too Late For Love』『Just Between You and Me』『Before It's Too Late』。
この中からシングル・カットされたのは全部で3曲である。リリース順に『My Love Is A Fire』(Billboardで最高位21位、イギリスで最高位64位)、『Sure Lookin'』(Billboardで最高位54位)、『Love Will Survive』(BillboardのHOT 100にはランクインせず)ということで、復帰作となった前作からは7枚のシングルがリリースされたが、本作では常識的な範囲に留まった。
お薦め曲はヒット曲である『My Love Is A Fire』とアルバム・タイトル・ナンバーである『Eyes Don't Lie』、そして『Never Too Late For Love』と『Before It's Too Late』をピックアップしておく。
サウンドの方はポップなものであり、ロック寄りのテイストであるのだが、ポップとロックの間に位置するようなどっちつかずということになってしまったのが敗因と言って良いでしょう。確かに、復帰作となった前作からは全米2位を獲得する大ヒット曲が生まれているが、その時は「'70'sのアイドのが復帰」という宣伝文句があって話題になっただけに、そういうことが無くなっての勝負となると、やっぱり時流に乗りきれなかったということでした。何せ、彼が復帰したのが1987年であって、全米2位のヒットを運だのが1988年のことで、それから製作したアルバムが1989年になってからのリリースで、'80'sも終焉を迎える時期だったこと。そしてそれが好評だったことで'90'sに突入してから'80'sの延長線上にある新たなアルバムを発表していたのですから...
結局、本アルバムは惨敗ということになってソロ・シンガーとしての活動を休止して別の見地に進んで行くことになる。結局、「時流に乗りきれなかった」ということがどうなるのかという見本のようになってしまったが、それだけに反面教師になるアルバムということも出来る。ということで、ちょっと変わった形のアルバムとして記憶に残るアルバムに接するというのもまた宜しいかと...
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