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「ROBBERY」 [映画(洋画)]

表題の作品は1967年のイギリス映画「大列車強盗団」である。この作品は、1963年8月8日にイギリス・ロンドン近郊で実際に起こった列車強盗事件を映画化した作品である。日本円に換算すると30億円弱(当時のレートで約26億円)にも達するという巨額の強盗事件として知られるこの事件を映画化した作品としては、同年の西ドイツ映画の「史上最大の列車強盗」もあるが、本作は事件の起こったお膝元のイギリス映画である。尚、本作のアクション・シーンの演出が評価されて、P・イエーツ監督は翌年のアメリカ映画「ブリット」(S・マックイーン主演)の監督に抜擢されることになった。

作品データを記しておくと、時間は114分、監督はピーター・イエーツ、脚本はエドワード・ボイド、ピーター・イエーツ、マーク・スタインの3人、撮影はダグラス・スローカム、音楽はジョニー・キーティングである。そして出演は、スタンリー・ベイカー、ジョアンナ・ペティット、ジェームズ・ブース、バリー・フォスター、フランク・フィンレイ、たちである。

ロンドンの目抜き通りで、宝石商の男が事故を起こし、救急車がやってきて、宝石商を連れ去った。よくある光景と思われたが、この救急車は実はニセモノであって、ダイヤを狙ったギャングの車だった。ということで、ロンドン警視庁のラングドン警部は捜査に乗り出した。警部は、自動車修理工のジャックが犯人と睨んだが、証拠と言えるものはない。実際、この犯人はジャックとその仲間たちであったが、証拠がないために手を出せない警部。が、ジャックの影菜はポールという男がいて、ポールはグラスゴーからロンドンに列車ではこじれる大金の強奪を計画していて、その資金を作るために行ったものだった。

ポールは周到な計画を立て、じっくりと計画を練って仲間を加えていき、汽車の運転士、電気技師も仲間に入れていた。ただ、盗んだ金は海外で分配するとしていたが、一部の仲間が、直ぐに分け前を欲しいと反対し、強奪直後に隠れ家で分配金を配ることにして、いよいよ実行されることになった。

15人の仲間たちは計画通りに進めていく。まずは電気技師によって信号を切り替えたことで、列車は停車し、列車から大金が積まれた郵便車だけが切り離され、従業員を縛り上げ、金の入った袋をトラックに積み替え、隠れ家に逃げ込んだ。計画は成功し、300万ポンド以上もの大金が強奪されてしまった。一味は隠れ家で金を分配し、何語もなかったように普段の生活に戻る。一方、警察は総力を上げて犯人を逮捕しようと捜査を行うが、手掛かり一つすら掴むことが出来ないでいた。が、事件はあっけないところから急展開を見せることになった。15人の仲間の1人が怖じ気づき、分配金を持って海外に逃亡しようとしたが、そのことから足がついてしまい、位置も歯あえなく御用となって事件は解決したのだった。

「実話は小説よりも奇なり」という言葉があるが、本作は正にそういう言葉がピッタリという展開の物語である。用意周到で計画を立て、そして計画通りに事を起こし、現金強奪はまんまと成功する。しかも手掛かりを残していないため、警察の手は迫ってこない。が、それが意外なところから崩れてしまうのだから、展開としたら面白いものである。ただ、物語としたら、ちょっと都合が良すぎるように感じてしまうのもまた事実である。(が、神様は見ているということでしょう...)

物語の前半は、大きな計画をじっくりと進めていくという準備段階であるのだか、色々と見せ場がある。そしてメインの列車強盗を行う辺りまではしっかりと作られている。が、事件の後、隠れ家に戻ってからが今一つつまらないのだが、これは仕方のない所ですかね...(極端な話、犯人は何もしないでそのまま目立つ行動をしなければよいのだが、そういう地味なことをしていると物語としてはつまらないものになるだけである。逆に、物語として盛り上がるような派手なことをする、警察のマークが厳しくなって逮捕への道を突き進んでいくだけになる、という物語と現実では相反するところがありますからね...)

それにしても、本作で描かれている事件は1963年に起こったものであるが、それから半世紀近くが流れた現在では、よりセキュリティも厳しくなり、警察の科学捜査の技術も進化している。また、防犯の点からも色々と改善が行われている。ある意味では古き良き時代のお伽噺だったという感じがする現実に起こった事件を描いた物語でした。

 

↓DVD化されていません。

大列車強盗団【字幕版】 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東北新社
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↓P・イエーツ監督はこれに繋がる出世作となりました。

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