DONALD FAGEN『MORPH THE CAT』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは2006年に発表された彼の3枚目のソロ・アルバムである。ソロ第1作が1982年、第2作が1993年に発表しているので、実に13年ぶりということになったアルバムである。この3作でアルバム三部作が完成することとなったが、スタートから四半世紀近くという時間を掛けての完成と言うことで、実にマタされたアルバムであった。尚、本アルバムは、Billboardのアルバム・チャートでは最高位26位、イギレスでは最高位35位を記録している。(前2作と比べると、チャート成績は今一つ伸びなかった。)
収録曲は以下の全9曲である。『Morph The Cat』『H Gang』『What I Do』『Brite Nitegown』『The Great Pagoda Of Funn』『Security Joan』『The Night Belongs To Mona』『Mary Shut The Garden Door』『Morph The Cat (Reprise)』。
また、以下の3曲がボーナス・トラックとして収録されているものもリリースされている。『Rhymes』『Hank's Pad (Live)』『Viva Viva Rock 'N' Roll (Live)』。
尚、この中から『H Gang』がシングル・カットされているが、特に大きなヒットにはなっていない。
お薦め曲は、レイ・チャールズに捧げられた曲である『What I Do』、シングル曲の『H Gang』、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Morph The Cat』、7分を超える大作の『Brite Nitegown』と『The Great Pagoda Of Funn』をピックアップしておく。
24年という歳月をかけてようやく完成した三部作であるが、ファンの間での支持は高いが、評論家の間での評判は賛否が真っ二つに分かれている。(否定派の方が多いように感じますが...→ファンと評論家の間での評価が随分と違っているというのは、最近では珍しくないことでもありますが...)
ただ、余りにも長い時間がかかったことは、作品としての完成度が高いとはいうものの、待たせすぎという感じがあるとは思いますね。(クラシック音楽の場合だと、作曲家の死後の何十年後に再評価されてということもあるが、ポピュラー音楽では余りにも長すぎて...)
とは言っても、彼自身が「三部作」と発言していることからも、ようやく完成したということで、まずは聴いてみるべきアルバムである。(但し、「THE NIGHTFLY」と「KAMAKIRIAD」を聴いていない方は、そちらを聴いてからにすべきである。)「期待外れ」と言う声も結構あるようだが、'80's前半からスタートした三部作ということでは、時間が作品評を落とす要因となっているのもまた事実である。(それだけ時代の変化が早くなっていると言うことでもある。)それを思うと、とんでもないプロジェクトに幕が下りたと言うことの出来るアルバムである。
↓三部作のセット
Nightfly Trilogy: Nightfly / Kamakiriad / Morph Cat
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 2007/12/11
- メディア: CD
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