GEORGE CLINTON『COMPUTER GAMES』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。彼というと'70'Sに於いて、PARLIAMENTでの活動と、平行していたFUNKADELICでの活動でPファンクを確立したというミュージシャンであり、'80's以降の黒人音楽に多大な影響を与えた人物である。それだけに、彼の1st.ソロ・アルバムが'80'sになっていらというのはちょっと意外に感じるところでもある。本アルバムはそんな彼がソロとして放った傑作アルバムである。尚、チャート成績の方はBillboardで最高位40位を記録している。
収録曲は以下の全7曲である。『Get Dressed』『Man's Best Friend/Loopzilla』『Pop Sharing Tots』『Computer Games』『Atomic Dog』『Free Alterations』『One Fun At A Time』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。1st.シングルの『Loopzilla』は12"シングルでの発売(時間が9分弱あります。)ということもあったが、BillboardのHOT 100にはランクインせず、R & Bチャートで最高位19位を記録している。続く『Atomic Dog』は、7"と12"の両方がリリースされたが、こちらはBillboardのR & Bチャートで1位に達している。(HOT 100の方では最高位101位を記録している。)また、イギリスでも最高位94位を記録した。しかし、3rd.シングルの『Get Dressed』は特にチャートインを記録していない。
お薦め曲は、シングル曲と一体になって13分弱に達する『Man's Best Friend/Loopzilla』と、シングル曲の『Atomic Dog』、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Computer Games』、そして『One Fun At A Time』という所をピックアップしておく。
本アルバムは'80'sになってからのリリースということもあって、'70'sのファンク・ミュージック全盛時とは音楽シーンの様子が違っていて、前時代的なものになってもおかしくなかったのだが、そんなことを感じさせず、'80'sらしい要素を加えて、'70'sのPファンクの新たな姿を示し、健在ぶりを示すことになった。また、彼の活躍(ヒット)によって、PRINCEのファンキーなサウンドがヒットをしてチャートを生はすることになったり、JAMES BROWNがポピュラー・シーンでまたまた脚光を浴びるなど、'80'sの新たなファンク・ミュージックの土台を築くことにもなった。
ヒットの規模ということでは、'80'sの時代に名を刻んだ様々なアルバムと比べると、本アルバムは残念ながら小さいのだが、'80's後半、更には'90's以降の黒人音楽、R & Bなどに与えた影響を考えると、本アルバムの功績は大きく、やはり'80'sの歴史に刻まれるアルバムである。ということで、'80'sサウンドのファンだけでなく、'90's以降の黒人ダンス・ミュージック、R & Bがお好きな方も要チェックのアルバムである。
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