「THE SILENCERS」 [映画(洋画)]
表題の作品は1966年のアメリカ映画「サイレンサー/沈黙部隊」である。「007」シリーズの世界的な大ヒットによって、スパイ映画のブームが到来した'60's中盤には、「007」の亜流作品と呼ばれる作品が次々と登場したが、本作は人気スパイ小説の映画化作品ということで、「007」の亜流作品とは格の違いのあるシリーズである。(全部で4作が製作された。)本作はそのシリーズの第1作であり、「007」とは別のお楽しみが詰まっている作品である。
作品データを記しておくと、時間は105分、原作はドナルド・ハミルトン、監督はフィル・カールソン、脚本はオスカー・ソウル、撮影はバーネット・ガフィ、音楽はエルマー・バーンスタインである。そして出演は、ディーン・マーティン、ステラ・スティーヴンス、ダリア・ラヴィ、アーサー・オコンネル、ロバート・ウェバー、ジェームズ・グレゴリー、ナンシー・コヴァック、ロジャー・C・カーメル、シド・チャリシー、ヴィクター・ブオノ、たちである。
スパイとして活躍したマット・ヘルムは、今では第一線を退き、美人秘書と日々を楽しむ暮らしをしていた。そんな彼の元に。ICE本部から呼び出しの連絡が入る。マットの相棒として、彼がかつて愛していたティナが選ばれ、敵は中国人タン・ツェの組織であった。タン・ツェはアメリカ空軍のミサイル実験を利用して、アメリカ南西部に死の灰を降らせようと企んでいた。マットとティナはそれを阻止すべく、指令を受けた。まずはニューメキシコに向かい、フェニックスでゲイルの名乗る美人と知り合い、オルガン弾きを紹介される。怪しいと感じたマットだったが、正体を掴むことは出来なかった。その夜、ホテルのショー・ルームで、裏切ったアメリカの科学者が手に入れたマイクロ・フィルムが敵に渡されるという情報を得たことで、ショー・ルームをマークする。で、ショー・ダンサーのサリータが客の一人からマイクロフィルムを受け取る。しかし、衣装の中なそれを隠したサリータだったが、舞台中央で何者かによって射殺されてしまう。そのサリータに素早く駆け寄ったゲイルはマイクロフィルムを奪い取った。マットはゲイルを捕らえると、直ぐに尋問をするが、ゲイルは何も語らなかった。そんな所に本部から指令が入り、マットはゲイルを連れてホテルを出た。が、マットの乗った車は途中で敵に囲まれてしまい、捕まえられてしまった。敵の本部に連れて行かれたマットは、そこにティナの姿を見た。実はティナは二重スパイであって、敵の一員だった。追いつめられるマットだったが、ちょっとした隙を見ると一転して攻撃に転じ、敵の本部を破壊するのに成功し、敵を壊滅させた。任務を終えたマットが自宅に戻ると、ゲイルが側にいた。
何かと「007」シリーズと比べられるが、荒唐無稽さということでは「007」シリーズに負けていない所がある。こういう所は'60's作品らしいノリで楽しませてくれるところでもあって、'60'sのスパイ映画では定番と言ったところでもある。(ある意味では「古き良き時代」のスパイ映画ということになる。)
色々とお楽しみがあると言うことでは「007」シリーズにも負けないところがあるシリーズであって、その第1作であるだけに、チェックしておきたい作品の一つである。
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