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JON ANDERSON『OLIAS OF SUNHILLOW』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1976年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。YESのボーカリストとして知られる彼であるが、YESとは別のプロジェクトとして発表した前衛的な芸術作品と言うことの出来るアルバムである。本国イギリスでは最高位8位を記録しており、アメリカではBillboardで最高位47位を記録している。

本アルバムは、CDでは色々と細工がされており、CDの方の評判は実に悪い。(但し、内容的には高評価がされているのはLPの時と変わらない。)というのは、オリジナル版のLPでは全14曲(A面が9曲、B面が5曲)という構成になっていたが、CDではそれが全8曲となっているのである。しかし、「14-8=6」で6曲をカットしたのではなく、数曲に於いて、複数の曲を1曲にまとめたということを行ったためである。よって、CDでの収録曲は以下の全8曲ということになっている。『Ocean Song』『Meeting (Garden Of Geda) / Sound Out The Galleon』『Dance Of Ranyart / Olias (To Build The Moorglade)』『Qoquaq Ën Transic / Naon / Transis Tö』『Flight Of The Moorglade』『Solid Space』『Moon Ra /  Chords / Song Of Search』『To The Runner』。

ちなみに、LPではまとめられた曲がバラバラになっているため、収録曲は以下の全14曲という扱いになっていた。『Ocean Song』『Meeting (Garden Of Geda)』『Sound Out The Galleon』『Dance Of Ranyart』『Olias (To Build The Moorglade)』『Qoquaq Ën Transic』『Naon』『Transic Tö』『Flight Of The Moorglade』『Solid Space』『Moon Ra』『Chords』『Song Of Search』『To the Runner』。

この中からは『Song Of Search』がシングルとしてリリースされていて、Billboardでは最高位147位を記録している。(と言っても、シングルとして曲を聴くようなアルバムではなく、アルバムとして曲を聴くものであるので、シングルのことは忘れてしまって、何ら問題はない。)

また、CDではもう一つ、アートワークの点でも省略されている所があるため、実に評判が悪い。LPでのあのジャケットというものも本アルバムの特徴であるため、それが(部分的に)欠如しているのはレコード会社による(無断)改変と言ってもよい行為である。

LPの時代には315mm四方という大きなジャケットにも色々と工夫がされていて、単なるパッケージとしてではなく、「アートワーク」として独特の芸術となっていたのだが、CDの登場によってそれが120mm四方という小さなもの(面積比では約14.5%、約1/7)になってしまい、事実上「アートワーク」という分野は死滅してしまった。(中には、サイズが小さくなったものの、忠実に再現しようとしたものも極一部ではあるがありますが...)これは、音楽は曲を聴くだけのものにしてしまったということで、文化の放棄でもあり、衰退でもある。(増して、最近のネット配信が中心になったことで、今度は「アルバム・ジャケット」の存在すら危うくなっており、更なる文化の放棄が進んでいる...)

ということで、本アルバムはそういう技術の進歩が文化を捨ててしまうことを行っている行為を象徴するアルバムの一つでもあって、実に嘆かわしい所である。

音楽の内容の方は、そういう酷い扱いをされていても、LPで発表された当時の高評価が悪くなると言うものでは無く、高評価のママであるのは変わらないのだが、余計な所での悪評によって、音楽自体の評価に悪影響が出ることが危惧されるアルバムである。

兎に角、音楽の方をじっくりと聴いて、その内容の高さを感じ取って、レコード会社という文化切り捨てを進めている(悪の)組織に負けない姿勢を示しましょう!

 

Olias of Sunhillow

Olias of Sunhillow

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wounded Bird Records
  • 発売日: 2006/02/28
  • メディア: CD


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コメント 1

morisin

当時、プログレッシブロックにはまっていて、ラジオから流れてきたこの曲をたまたまカセットに録音し、大変気に入って、何度も聞いていたのだが、題名もアーティストもわからなかった。ボーカルはイエスのジョンに似ているとは思っていたが、イエスのアルバムにも入っていない。30年以上経て、アメリカのアマゾンを検索していて、ジョンのファーストシングルにたどり着き、視聴して再会できた。感動した。
思い出深い、大好きな曲です。詳しいことがわかってよかったです。ありがとう。
by morisin (2010-12-01 19:35) 

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