「LE SOURIRE」

表題の作品は1994年のフランス映画「オディールの夏」である。（日本での劇場公開は1995年10月であった。）川端康成の「眠れる美女」をモチーフにした作品であるということで知られる作品である。（モチーフとしているものの、原作ではない。）詩を間近にした女性が、性への欲望を通して人間の生、死、老いという誰にでもある問題をシニカルに描いたコメディ・ドラマである。

作品データを記しておくと、時間は90分、監督と脚本はクロード・ミレール、撮影はジェローム・シフマン、美術はジャン・ピエール・コユ・スヴェルコ、音楽はピエール・ボシェロン、アントワーヌ・オーヴリエ、ヴァンサン・グレン、L. G. S. M.である。そして出演は、ジャン・ピエール・マリエール、リシャール・ボーランジェ、エマニュエル・セニエ、シャンタル・ブランリエール、ナディア・ヴァレンタン、ジャン・ポール・ボネール、ベルナール・ヴェルレー、ナタリー・カルドーヌ、クリスティーヌ・パスカル、マティルド・セニエ、たちである。

パリで精神病院の院長をしているフランソワは心臓病という持病を持っていて、いつ死んでもおかしく無い状態であって、患者の診察にも身が入らないでいた。一方、テニスのインストラクターをしているオディールは、まだ本当の恋を知らない美しい女性であり、誰もが彼女に惹かれるという美しさを持った女であった。フランソワも例外ではなくてオディールに惹かれてしまう。が、オディールは遊園地のストリップショーの呼び込みをしている男・ジャンジャンと親しくなる。あるとき、オディールは、フランソワをじゃんじゃんのストリップ小屋に連れて行った。その帰り道、フランソワはオディールに迫ったが、オディールは受け付けなかった。これによってフランソワのオディールに対する思いは一段と強くなる。が、オディールはジャンジャンの言葉に乗ってストリッパーになる決心をした。が、オディールは鼻血が突然出るという症状に悩まされることになる。そんな中、フランソワはストリップ小屋の次の工業地へのオーディションに付き合わされることになり、苛立ちが一段と溜まっていき、遂に町のホテルでそれが爆発する。これによってオディールはフランソワの元を離れて出て行ってしまう。更にフランソワには心臓発作が起こって倒れてしまう羽目になった。ホテルの部屋に運ばれたフランソワは意識を取り戻すと、ボロ部屋にまたも怒りがこみ上げてくる。そんな所にオディールが戻って来て、2人は肉体関係を持った。しかし、オディールは股も鼻血を出してしまった。まもなく、オディールがストリッパーとしてデビューする日がやってきた。フランソワも見に来ていたが、気が気ではなかった。ショーが始まり、観客の前に出たオディールだったが、舞台上で鼻血を流して失神してしまった。オディールは不治の病にかかっていて、余命も少なかった。で、療養所に入ることになる。まもなく、フランソワ、そしてジャンジャンの元に、オディールからの手紙が届いた。フランソワはそれを読むと、オディールに出会った日々のことを思い出していた...

一応、本作はコメディ作品と言うことになっているが、何も考えずに笑って楽しむというような作品ではない。物語の展開や設定にはコメディと言った要素があるものの、ストーリーの方は少し手を入れればお涙頂戴の作品にも変わることが出来、大笑いを誘うような（笑いを中心とした）コメディ作品にもなるだけの作品である。こういうところは、フランス映画らしい所と言ってと前場それまでであるが、アメリカ映画にはない面白い所でもある。

また、オディールを演じているエマニュエル・セニエの美しさを見るというのも本作の楽しみの一つであるのは言うまでもない。彼女は色んな作品で様々なタイプの「美女」を演じているが、本作もまたお楽しみの一つと言うことが出来ますね。

尚、本作も現時点ではDVD化されていない作品であるが、かつてはLDでリリースされていた作品である。

 

↓ビデオです。

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↓エマニュエル・セニエと言うと...

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