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「SCHMUTZIGER ENGEL」 [映画(洋画)]

表題の作品は1958年の西ドイツ映画「めざめ」である。尚、同じ邦題の作品が1968年のフランス映画と2002年のフランス、ベルギー、スペイン、スイスの合作映画であるが、邦題が同じであるだけで、全く関連性のない別作品である。(西)ドイツのティーン・スターであるコルニー・コリンズの主演作であり、同時にアルフレッド・フォーレル監督の監督デビュー作ということになった青春ドラマである。青春映画と言っても、当然のことながらアメリカ映画の青春作品とは違った描かれ方をしているので、それを見てみるというのも面白い所である。

作品データを記しておくと、時間は93分、白黒作品である。監督はアルフレッド・フォーレル、脚本はH・G・ペーターゾーレ、撮影はクルト・ハッセ、音楽はマルティン・ベッチャーである。そして出演は、コルニー・コリンズ、ペーター・ヴァン・アイク、ザビーネ・シーニェン、ドリス・キルヒナー、アーデルハイト・ゼーク、ハンス・ニールセン、ヴェルナー・ペータース、ヨルク・ホルマー、たちである。

金持娘のベアーテは、欲しいものは何一つ不自由なく甘やかされて育ったこともあって、わがままな娘に成長した。そんな彼女は、ある日、自分の担当の先生が欲しくなった。で、ベアーテの目は生徒たちに人気のあるアガスト先生に向けられた。彼はベアーテと同じクラスにいる息子・ディーテルと一緒に青年寮で暮らしていた。ディーテルはベアーテのことが好きだったこともあって、ベアーテはそれを利用して先生に近づこうとする。しかし、学校では先生はベアーテの挑発には全く乗らなかった。そんなある日、若くて美しいノルマ・ベルク先生が学校に赴任してきた。アガスト先生はたちまち彼女に惹かれた。で、ベアーテはあの手この手でアガスト先生の気を引こうとするが、ノルマ先生と次第に親しくなっていくことから、遂に嫉妬心が生まれ、自分のことを拒否する先生に憎しみを感じ、復讐を果たそうという気持ちに変わった。まずはディーテルとの親子の関係にひびを入れようとして、ディーテルと共に夜遅くまで遊びまわる。しかし、ディーテルのことを叱らないアガスト先生。ベアーテは次の手段として、アガスト先生の部屋に行き、窓辺で自分のブラウスを引き裂いた。窓の外にいる人たちにはアガスト先生がベアーテに暴行しているように見えた。これでディーテルは父を信用しなくなった。また、生徒に暴行したということでアガスト先生は休職を命じられた。潔白を証明しようとするアガスト先生だったが、ベアーテが父に頼んで先生を告訴すると、先生は逮捕されてしまった。周囲は誰もがベアーテの主張を信じたのだった。が、ノルマはアガスト先生を信じていて、何とかしてアガスト先生の潔白を証明しようとする。それに心を打たれたディーテルも自分が誤解していることに気づいた、で、次第に同級生達は先生を信じるようになり、ベアーテを呼び出して問い詰めた。で、ベアーテは全てを語り、アガスト先生潔白が証明された。するとアガスト先生は新設される女子校の校長になり、ノルマとも結婚することが決まった。一方、ベアーテはスイスの寄宿舎学校に転校することになった。しかし、既に新しいボーイフレンドを引き連れていて、過去のことは既に忘れていた...

物語としては青春ドラマであるが、部分的にはコメディのような要素もある作品である。こういう作品が半世紀以上前の(西)ドイツで製作されていたということで、ドイツ映画にもなかなか面白い作品があると言うことが分かる作品である。

尚、本作はDVD化されていないが、LDではかつてリリースされていたということで、LDでのリリース範囲が如何に広かったかということを改めて知ることにもなりますね。(ということで、本作品を見ようと思えば、現在ではかなり苦労することになっちゃいます...)

 

↓本作のソフト、及び主演者、監督の他の作品が見当たらないので、ドイツ映画に関する文献を拾っておきます。

ドイツ映画

ドイツ映画

  • 作者: ザビーネ ハーケ
  • 出版社/メーカー: 鳥影社ロゴス企画
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 単行本

ドイツ映画の偉大な時代―ただひとたびの (1981年)

  • 作者: クルト・リース
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 1981/07
  • メディア: -

ドイツ映画史〈1947-1983〉 (1985年)

  • 作者: 東京ドイツ文化センター
  • 出版社/メーカー: 東京ドイツ文化センター
  • 発売日: 1985
  • メディア: -

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