ケータイ刑事銭形零7話[裏ネタ編]PART 7 [ケータイ刑事]
「銭形零」の第7話「金は天下の回り物!? ~福沢U吉誘拐事件」の裏ネタ編・増補の6回目となる今回は、犯人からこれを用いて要求が届いたということで「ファックス」について、紫がこれで一億円を用意するように言った「二千円札」について、新デザインのお札だったことで高村さんが一枚抜いた時に零ちゃんが口にした「ネコババ」について、身代金をこれに入れていたことから「ジュラルミンケース」について記します。尚、「ファックス」については「泪・21話(2nd.8話)[裏ネタ編]PART 2」で、「二千円札」については「零・7話[裏ネタ編]」で記したものをベースにしてそれぞれ加筆しました。
また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/2/21日付です。)
「ファックス」:電話回線を使って(静止)画像情報を遠隔地に伝送するシステム、装置のことである。英語では「Facsimile」と言うのが正式名称であるが、それを略して「FAX」と言う言い方も一般化している。日本語でもそれを受けて「ファックス」と言う言い方が一般的になっているが、「ファクシミリ」と言う正式の言い方で言うことも残っている。
ファックスは電話回線を使って情報を送信しているため、電話の後に発明されたと思われがちであるが、実はファックスの発明の方が電話の発明よりも時間的に先に発明されている。(電話は1876年にグラハム・ベルが発明したものである。)
ファックスは1843年にイギリス人のアレクサンダー・ベインが発明したものである。但し、実用化されたのは20世紀に入ってからであり、この伝では電話の方が先に実用化されている。→原稿を走査することによって小さな点に分解し、その電気信号を送受信するというものは、後に発明されるテレビも原理的に同じである。開発当初は白黒の二値であったが、その後に中間調のあるもの、そしてカラーに対応する技術が開発され、今日に至っている。
日本では、電話網にファックスを繋いで使用することが制限されていたが、1972年に法改正が行われ、その規制が緩和されてから普及するようになった。現在では、家庭用ファックスも電話機と一体になったものが安価になり、広く普及している。(現在では何処の家にもあるものになっている。)
「二千円札」:発行されたのは2000年7月19日である。(西暦2000年と、九州沖縄サミットを記念することで新たな紙幣が発行されることになったものである。)特に「1」または「5」でない単位の通貨が発行されたのは戦後初のこととなった。また、紙幣の表面に人物の肖像画がないのも特徴である。そして、最新の、より高度な偽造防止策が多数採用されたということで、当時、話題にだけはなった。が、殆ど流通しておらず、発行枚数は5千円札よりも多いのに、大半は銀行に眠っていると言われている。(実際、町中でも目にすることも殆どない状況である。)日本銀行は二千円札の有用性を主張しているが、それに納得するような人も殆どいないのが現実である。今では政府の愚策として笑いものにしかなっていない。(例えば、通常は2001円~2500円ぐらいで販売されているものを、「二千円札」で支払うのであれば2000円で購入することが出来るという法律でも作ったら、少しは普及するかと思いますけど...尚、販売店は差額を損することになるが、それは日銀が補償することにすればいいだけのこと。(色々と問題があるのは分かっているが、こういう柔軟な発想も出来ない日銀の主張に耳を傾けるような人はいません。)だけど、2000円弱の物(1800~1999円の物)を2100円ぐらいに値上げするという便乗値上げ組が必ず現れるでしょうが...)
2000年に新たに発行されたものであるが、券の種類としてはその時の他の紙幣と合わせるために「D券」と呼ばれている。→2004年に千円、五千円、一万円の各紙幣がE券に移行したことで、現在は一世代前の紙幣になったということにもなる。但し、E券には二千円札で導入された偽造防止策を取り入れることになっている。
現在は、新たな「二千円札」の製造は行われていない。(普及したら新たに生産を再開するとしているが、それだけ在庫があると言うことでもある。→そんな日はいつ来るのでしょうかねぇ?)ということで、「二千円札」に関しては実は面白いことになっている。日本の紙幣の発行は「大蔵省印刷局」が行っていたので、他の額面の紙幣にも「大蔵省印刷局」と印刷されていたが、2001年の省庁再編によって「大蔵省」が「財務省」となったため、「財務省印刷局」に変わり、更に「国立印刷局」に変わっている。しかし、「二千円札」には「大蔵省印刷局」というものしか存在していない。(「国立印刷局」と入っている「二千円札」があったら、それは偽札である。)よって、新札としてこれから支柱に出てくる二千円札は「大蔵省印刷局」が発行したものである。他の額面の紙幣では、既に「財務省印刷局」というものですら見かけなくなっているのですが...
また、笑うに笑えない話として、「ニセ二千円札」が作られて、それが使われた場合、デザインが多少違っていても紙質と手触りが紙幣とほぼ同じであったら、「これが二千円札だ」と言われたら信じてしまい、偽札を使われてしまうのではないか、という話がある。ただ、偽札を作る方にしても、当然のことながらコストが掛かるだけに、二千円札よりは一万円札の方が効率的であるだけに、「ニセ二千円札」を作ろう、と考えるような輩はいないでしょうが...→この点では、政府は「偽札防止対策が効いた」と言うでしょうが、偽札さえ作られないような紙幣は例え流通する通貨であっても名前だけのものであって、貨幣としての存在意義はないですが...→「「ニセモノ」が作られてこそ「本物」だ」ということですね。
※偽札を作ることは犯罪行為であり、出回っていないからと言って「二千円札」の偽札を作るのも当然犯罪行為です。そのような犯罪行為を推奨する意志は微塵もありません。(念のため。)
「ネコババ」:漢字では「猫糞」と表記する。悪行を隠して知らんぷりをすることをいう。(例えば、落とし物を拾って、そのまま自分のものにしてしまうことなど。)
猫が脱糞後に砂をかけて糞を隠してしまうことから、このような言い方がされるようになった。尚、その時の猫の動作が、如何にも悪いことをして知らんぷりをしているように見えることから、「悪行を隠す」という意味が生まれたが、見た目が悪行に見えると思われたと言うことを考えると、猫にとっては迷惑でしょうね...
尚、類義語としては「着服」がある。英語では「Pocket」と言うが、これは「着服する」という意味である。その他の言語でもこれに準じた言い方であって、日本語に訳した場合は「着服」という単語が該当することになる。
「ジュラルミンケース」:「ジュラルミン」とは、アルミニウムを主成分とした合金であり、銅、マンガン、マグネシウムの合金である。軽量であり、かつ高い強度を持っている。(アルミニウム合金の中では最も固い合金である。)加工性も良いため、様々な所に使用されている合金である。但し、耐食性と溶接性には難点がある。(→万能というものはなく、長所と短所があるということである。)
標準的なジュラルミンは、アルミが95%、銅が4%、マンガンとマグネシウムがそれぞれ0.5%である。またジュラルミンを改良したものとして「超ジュラルミン」と「超々ジュラルミン」とがある。それぞれの組成は「超ジュラルミン」ではアルミニウムが94%、銅が4.5% 、マグネシウムが1.5% となり、「超々ジュラルミン」ではアルミニウムが90.4%、亜鉛が5.5% 、マグネシウムが2.5% 、銅が1.6% となる。
高い強度があるため、金属トランクなどの素材として使用されているが、特に現金の輸送の差異には、軽量でありながら丈夫ということで、使われている。
尚、ジュラルミンは、ドイツの治金学者であるウィルムが1906年に偶然に発見した合金である。元々は薬莢の開発のために銅と亜鉛の合金をより軽くするためにアルミニウムを混ぜたら、という発想から生まれたものである。アルミを混ぜたものは薬莢としては強度不足のために使用されることはなかったが、軽量で丈夫な合金(ジュラルミン)は他の用途で広く使用されるものとなった。→このように、当初の開発目的とは違う所で多く使われることになった発明品、発見された物って、意外と多くあるものです。
用途としては、構造物の骨組み用材料として広く使用されていて、航空機や鉄道車両などの骨組みに使用された。(国産飛行機のYS-11はジュラルミン製であることは有名である。)但し、鉄道車両は耐食性の問題から、他の素材を使った車両に置き換えられている。また、トランクケースの素材としても余りにも有名である。
「ジュラルミンケース」は、ジュラルミンを素材として作られたトランクケースのことである。丈夫なことから広く使用されており、現金(紙幣)を輸送する際には、これに入れて持ち運びされるというのが当たり前になっている。→刑事ドラマで現金輸送というと、必ずこれが出てきますね。(定番のアイテムの一つである。)
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