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名曲探偵アマデウス#85 ブルックナー「交響曲第7番」 [ドラマ]

今回はブルックナー「交響曲第7番」ということで、ここのところは今まで取り上げていない作曲家の曲が続いているが、まだまだ取り上げられていない作曲家はたくさんいるので、今後もドンドン取り上げて貰いたい所です。(当然、4年目突入が前提ですが...→BD-R-DLにDRモードだと1枚に7話入るのだが、今回からはDISCも13枚目になる。4年目突入がないと、13枚目は6話で終わってしまう可能性が高い(5話の可能性もある)だけに...)

今回の曲は「クラシック音楽は眠くなる」という言葉を象徴する曲として知られているものであるが、それを上手くアレンジした物語になっていましたね。更に、大学の講義でも眠くなるものがあるということとのダブル・ミーニングになっているというのも面白い所でした。

また、「眠ってしまう」ということになると、お馴染みのあのネタが出てくることになるが、そういうお約束を守ってくれるところは楽しい所でした。

冒頭、カノンさんが占いの本を見ている。所長に「何座でしたっけ?」と尋ねると「オペラ座」と応える。本でオペラ座を見ようするが、そんな星座はないことに気づくと「聴いた私がバカでした」とカノンさん。すると「そういう君は?」と諸智洋が尋ねる。カノンさんは「私は乙女座に決まってるじゃないですか」と答えるが「確か5月生まれじゃ?」と所長。→カノンさんの誕生日は5月と言うことが判明しました。(演じている黒川芽以さんの誕生日は5/13ですが、カノンさんの誕生日も5/13という設定ですかね?)これに「そんなの関係ありません。何月に生まれても私は乙女ですから」とカノンさん。所長は「何じゃそりゃ」と呆れていた。本で乙女座の所を見るカノンさんは、「突然の告白の予感」と書かれていたのを見ると、「所長、どうしよう~」と乙女モードを突き進んでいた。

そんな所にドアが開いて中年の依頼人がやってきた。カノンさんが声を掛けると、間があってから「恋をしてしまいました」と答える。するとカノンさんは「本当に来た~」と言って占い通りになったことで、「こんなおじさんまで虜にしてしまう自分の美貌が怖~い」と、自分の世界に浸る。

依頼人はソファに座っていて、「教え子に恋をしてしまったんです」と言って、「詳しくお聞かせ下さい」と所長。完全に浮いていたカノンさんは咳払いをして、何とか中に入っていった。

話を聞くと、依頼人は昆虫学者で、初めて自分の研究室に入ってきた女子学生に恋をしてしまったということだった。カノンさんは「学生と不倫なんて嫌らしい」と言うが、依頼人は独身であり、これまでの人生で女性とは全く縁がなかった。恋は初めての経験であり、気持ちを手紙で伝えたいと思ったのだった。また、彼女は研究室でいつも同じ曲をかけていて、そのがブルックナーの「交響曲第7番」だった。が、依頼人はこの曲を聴くと眠くなるだけだった。で。彼女の心を射止めるために、その曲のようなラブレターを書きたいということだった。で、所長は依頼を受けた。

所長が依頼人に全曲聴いたかと尋ねるが、依頼人は、何度も渡来したが、どうしても途中で眠くなるということだった。で「まずは聴いてみましょう。」ということで第一楽章から聴き始める。いつものようにカノンさんが印象を口にするが、依頼人は既に半分寝ていた。で「ちょっと、早すぎ」とカノンさんは言うと依頼人を起こした。カノンさんは「眠くならない」と言ったが、依頼人は「長く感じる」と言った。で、長いのはここだけではないということで続きを聴く。(中略があって)「5分後」というテロップが出て曲を聴いているカノンさんと依頼人だったが、依頼人は既に寝ていた。更に「10分後」となると、カノンさんも依頼人も寝ていた。で、所長が風船を針で刺して割り、その音で飛び起きた2人。所長は「この長さが魅力」と語り、その説明へ。

この曲が長いのは、第1主題だけで(22小節の間に)11回もの転調が行われている。更に、第2主題、第3主題も童謡に転調を繰り返している。で、転調を繰り返すと元の調に戻って来るまでに時間がかかることになり、これが長く感じることになる。野本先生は「山道を通っていくハイキングコースのようなもの」と例えていたが、これは実に上手い表現ですね。

で、依頼人は「長さが魅力」ということでラブレターを書いてみた。で、それを読み始める。延々と書き綴っていて本題に入らないその手紙に、カノンさんも所長も寝てしまった。それに気づいた依頼人が「君たち」と言うと目を覚ます2人。所長は「失礼」と言い、カノンさんは「長すぎ、意味不明」と言っていた。所長は「あなたが手紙を書くのはまだ早い」と言って、第2楽章へ。

最初にカノンさんは「眠くならない」と言っていたが、「10分後」では眠そうな表情をしていて「どうも瞼が重くなってくる...」と漏らす。で依頼人を見ると、瞼にセロテープを貼って閉じないようにしていたが、目を開けた状態で眠っていた。更に所長に目を移すと瞼を閉じていて、瞼の上に目玉を書いてあった。「所長!」とカノンさんが叫ぶと、「心地よう眠りを誘うのは『繰り返し』」と言って瞼を開いた。

そして、「繰り返し」の多用が眠気を誘うということの説明がされる。同じ音形の一部分(語尾を繰り返す手法)を何度も繰り返して曲を作っている。更に、この繰り返しに於いて、少しずつハーモニーを変えている。更に、繰り返しの楽器と、ハーモニーが徐々に高さを上げていくということを行っているので、高揚させているので、繰り返しが気持ちよくなる。

で、「繰り返しは気分を高揚させていく効果がある」とカノンさんが言うと、依頼人は「繰り返しによる興奮か」と言って、再びラブレターを書き始める。で、読み始める。「好き、好き、…」と繰り返して読んでいる内に「すき」が「キス」になっちゃった、と依頼人。これにカノンさんは「キモい」と言い、落ち込む依頼人。すると「私が貰って嬉しいのは、その人らしさが分かる手紙かな」と助け船を出した。更に処置用は「学生たちの評判は?」と尋ねる。抗議評価を出してカノンさんに渡すと「長く感じる、同じことを繰り返して先に進まない、熟睡できる」と読むカノンさん。で「凄い」と漏らした。更に「切ないほどワンパターン」と誉められたと言う依頼人。が「それって誉めてるのかな?」とカノンさん。所長は「それもブルックナーと同じです」と言い、「ブルックナーは偉大なるワンパターンの作曲家」と言って、その説明へ。

ブルックナーは彼独特の手法を繰り返して使っている。で、「ブルックナー開始」と「ブルックナー・ユニゾン」についての説明がされる。更に「ブルックナー・ゼクエンツ」「ブルックナー循環主題」「ブルックナー終始」「ブルックナー休止」「ブルックナー・リズム」が(名前だけ)出てきて、これらを殆どの交響曲で用いた。これらは彼が親しんだある楽器に関係しているということで、その楽器の説明へ。

その楽器とは「パイプオルガン」である。パイプオルガンの特徴と曲作りの説明へ。特にパイプオルガンの説明では、様々な音色を出すことが出来、それらを組み合わせて同時に慣らすことも出来る、という説明は実際に音を出して聴かせてくれるので、実に分かりやすかったです。で、パイプオルガンの発想を曲作りに反映させているということで、オルガニストならではの曲作りをしているということで、「あなたなりの個性を活かした手紙を書けばいい」と所長。これに依頼人は「断られるのが怖い」と言った。カノンさんは「ブルックナーってもてたんですか?」と尋ねた。これに「彼も熱烈なラブレターを書いていた」と語り、その説明へ。

所長が語る。「ブルックナーが恋したのはいつも10代のうら若き乙女」ということで、カノンさんがその乙女となって、依頼人(ブルックナー)との寸劇へ。(最初に「乙女」と言っていたカノンさんがここに繋がっていました。)親子ほど年の離れた相手からの求婚に娘達は誰もが拒絶、ブルックナーは一生女性とは縁のない人生だった。で、彼の人生についての説明へ。

40歳で初めて交響曲を書いたが、酷評された。それでも地道に作曲を続けた。そして60歳の時に「交響曲第7番」が初演で喝采を受けた。ひれに依頼人は「親しみを感じる」と言った。所長はブルックナーの音楽に「祈り」の様なものを感じると口にすると、「祈りか」と言った依頼人はペンを走らせた。「書けました」ということでカノンさんが覗くと「彼女と仲良くなれますように」と絵馬に書いていた。で「絵馬に書いてどうするんですか」と突っ込むカノンさん。更に「彼女の好きな曲を利用してラブレターを書こうなんて、そもそも無理がある」と言った。すると依頼人も分かったようで「私が間違ってました」と言って帰ろうとする。が、待ったを掛けた所長は、この曲は音楽による手紙と言える、と言って、その説明へ。

ブルックナーは、同時代のリヒャルト・ワーグナーの影響を強く受けていて、心から尊敬していた。が、1883年のある日、不吉な予感(ワーグナーの命は短い)に捕らわれて、曲が浮かんできて書き始めた。それがこの曲の第2楽章であった。で、その予感が的中し、ワーグナーの訃報が届いた。それでこの曲に終結部を書き加え、ワーグナーが発明した楽器のワーグナー・チューバで演奏する曲とした。(ここでワーグナー・チューバに関する説明がもう少しあれば良かったんですが...)ということで、ワーグナーに対する心からの深い思いが込められていたのである。

依頼人は心からの思いが大事だと言うことに気づいた。で、ここロロからの思いを手紙に書こうと決めた。が、所長は「手紙を書く必要はないんじゃないか」と言った。というのは、この曲には依頼人との共通点がたくさんあるということで、彼女も依頼人の良さを分かっているはず、と言った。立ち上がった所長は知り合いの指揮者から招待されたというこの曲のコンサート・チケットが2枚あるのを思い出し、そのチケット依頼人に渡した。そして「この曲の良さを是非彼女と体験してきて下さい」と言った。これにお礼を言った依頼人は「感想、必ず送ります」と言って帰って行った。

今回は、ドラマ部分は約37分半弱、曲が5分半弱、ラストのオチが1分強という構成で、曲の部分がやや短めでした。曲の部分は第2楽章からということであったが、時間的にこうなるのはと方のないところである。

ラストのオチは、依頼人からの報告のてがみが届いたということで、カノンさんがそれを読み始めるカノンさん。ブルックナーの世界に浸ることが出来た、と記されていたが「途中までは」と記されていた。依頼人は、またも寝てしまい、演奏が終わった盛大な拍手で目が覚めた。依頼人は盛大なイビキをかいて起きないため、彼女は周りの観客の冷たい視線にいたたまれなくなり、途中で帰ってしまい、二度と誘わないでと言われてしまった。更に手紙は続き、先日、一緒に眠ってしまったカノンさんのことが忘れられないと記されていて、「つきましては是非交際をお願いしたく、この手紙をしたためました」と記されてあった。するとカノンさんはたいへん嫌がって「どうしよう...」と漏らし、所長に相談しようとする。が、所長は瞼の上に目玉を書いた状態で眠っていた。カノンさんは「こら!起きろ~!」と声を挙げ、最後に所長がるを開いた。

今回は「眠り」がキーワードになっていたが、遊び心に満ちた楽しい内容でした。最初に星占いネタで遊んでいたが、所長が「オペラ座」と言ったのは所長らしい所でしたね。また、カノンさんが「乙女座」と言ったのは良いとして、それに対して所長は、カノンさんに対しては食べ物ネタを良く口にしているだけに、「ギョー座ではなかったのか?」と言う突っ込みを入れて欲しかったところでした。しかし、カノンさんが5月生まれ(多分、演じる黒川芽以さんの誕生日と同じ5/13生まれという設定だと思います。)だったと分かったので、これはこれて宜しいかと...

今回の物語では、ブルックナーの「繰り返し」に合わせて、「眠り」を何度も繰り返してしたが、こういう所はネタとしてはベタであるが、曲に合わせているというのは上手いところでした。が、何度も「眠り」が出てきただけに、ラストのオチで所長が眠りに落ちていたというのは予想できてしまっただけに、物語としては「上手い」と言えるのに、オチとしては今一つに感じました。

来週14日はファイルNo.086のブラームス「クラリネット・ソナタ」、2/21はファイルNo.087でチャイコフスキー(曲は不明)と続きます。(2/28は何かの再放送となっています。)

 

ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD

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  • アーティスト: ブルックナー,ブロムシュテット(ヘルベルト),ドレスデン・シュターツカペレ
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2010/09/22
  • メディア: CD
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  • アーティスト: ヨッフム(オイゲン),ブルックナー,ドレスデン国立管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: CD
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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インポート・ミュージック・サービス
  • 発売日: 2009/10/17
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  • アーティスト: ジュリーニ(カルロ・マリア),ブルックナー,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/11/08
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

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  • アーティスト: 大阪フィルハーモニー交響楽団,ブルックナー,朝比奈隆
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 1987/08/21
  • メディア: CD
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  • アーティスト: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団,ブルックナー,マタチッチ(ロヴロ・フォン)
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2002/06/21
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ブルックナー:交響曲第7番

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ブルックナー:交響曲第7番

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ブルックナー:交響曲第7番 原典版 【HQCD】

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  • アーティスト: クレンペラー(オットー),ブルックナー,フィルハーモニア管弦楽団
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  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

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  • アーティスト: ブルックナー,シューリヒト(カール),ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団
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  • メディア: CD
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ブルックナー:交響曲第7番

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  • アーティスト: ブルックナー,小澤征爾,サイトウ・キネン・オーケストラ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/07/16
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ブルックナー:交響曲第7番[原典版]

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  • アーティスト: フルトヴェングラー(ウィルヘルム),ブルックナー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: CD

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