MISSING PERSONS『COLOR IN YOUR LIFE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1986年に発表された彼らの3rd.アルバムであり、かつ最後のアルバムである。(本アルバムの後に解散している。色々とあって、空中分解してしまった。)Billboardでも最高位88位を記録しただけで、バンドとして今後も期待されたが、中心メンバーが不仲ということになっては仕方のないところですかね...
収録曲はオリジナル版では全9曲であったが、2000年に再発された時に6曲のボーナス・トラック(内4曲が1981年のライヴ・テイクである。)が追加されて全15曲の収録となった。収録曲は以下の通りである。『Color In Your Life』『I Can't Think About Dancin』『No Secrets』『Flash Of Love』『Go Against The Flow』『Boy I Say To You』『Come Back For More』『Face To Face』『We Dont Know Love At All』。(以下、ボーナス・トラック)『Hot To Cold (Previously Unreleased)』『Its A Must (Previously Unreleased)』『Words (Live)』『Destination Unknown (Live)』『Mental Hopscotch (Live)』『Hello I Love You (Live)』。
この中からシングル・カットされたのは『I Can't Think About Dancin』であるが、特にチャートインするようなヒットにはならなかった。
お薦め曲は、シングル曲の『I Can't Think About Dancin』、そしてアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Color In Your Life』、更に『No Secrets』と『Face To Face』をピックアップしておく。
フランク・ザッパの門下生であったメンバーが中心になったバンドであっただけに、独特のセンスが冴えていて、'80's前半にはヒットを飛ばしたのだが、本アルバムはメンバーの1人(キーボードのチャック・ワイルド)が脱退したことが影響し、更にはボーカルとドラムスのボジオ夫妻の離婚問題ということで、バンドとしてはアルバム作りをしているような時ではない時期に製作されることになったという、生い立ちが実に不幸なアルバムとなってしまった。そのため、全体的にも冴えが見られず、収録曲を形の上で整えただけ、という印象が強く出てしまったアルバムとなってしまった。
メンバーの技量は、過去2枚のアルバムで実証されているだけに、音楽に専念できない状態だとボロボロになるということを改めて教えてくれるアルバムになった。また、結果的には本アルバムを発表してから解散しているということで、一応はお別れの挨拶になった。
完成度や内容的なことを語られるようなアルバムではなく、'80's前半の華々しいヒットを飛ばしていた時期を考えると非常に寂しいアルバムということになったが、バンドの終焉とは意外とあっけないものだと言うことを感じることが出来るという点では、音楽的なこと以外で参考になるアルバムと言っても良い。これもある意味では「'80'sらしいところでもある。」
ということで、'80'sサウンドがお好きな方は、音楽的なこと以外でチェックしておくべきアルバムである。
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