「THE THRILL OF IT ALL」 [映画(洋画)]
表題の作品は1963年のアメリカ映画「スリルのすべて」である。(日本での劇場公開は1963年10月であった。)TVコマーシャルを風刺したコメディ作品である。
作品データを記しておくと、時間は104分、原作はラリー・ゲルバートとカール・ライナーの2人、監督はノーマン・ジュイソン、脚本はカール・ライナー、撮影はラッセル・メティ、音楽はデ・ヴォールである。そして出演は、ドリス・デイ、ジェームズ・ガーナー、エドワード・アンドリュース、アーレン・フランシス、エリオット・リード、ザス・ピッツ、レジナルド・オウン、たちである。
ニューヨークの石鹸王・フローリー夫妻は、待望の子供が出来たことを、産婦人科医のボイヤー博士のお陰として、博士の夫人・ベバリーも招いてお祝いをした。で、この時にベバリーは石鹸王に気に入られ、石鹸のCMに出演するように持ちかけられる。最初は断ったベバリーだったが、報酬の額を聞いて受けることにした。で、ベバリーが出演したCMが放送された。内容的には酷いものだったが、それが素人らしさだと解釈されて、そのCMは評判になる。そしてベバリーの出演するCMは人気となり、遂にベバリーはCMの女王となり、年8万ドルの長期契約を持ちかけられる。で、それを受けて契約したベバリー。が、CMの女王となるとあちこちから引っ張り出され、仕事が忙しくなり、家には戻れないという状態になってしまう。そして博士も妻であるベバリーの居場所を知らない、ということが多くなり、夫婦の仲に亀裂が走る。博士はある計画を立てて家を飛び出し、超多忙な生活を過ごすようになる。が、博士の計画によってベバリーが激しく動揺し、CMで石鹸の名前すら思い出せないという状況になってしまう。そんな中、フローリー夫人の出産予定日がやって来た。が、博士の行方が分からない。で、石鹸王と共に夫人に付き添って病院へ向かう。ベバリーは出産の雑用をこなし、博士も後から駆けつけ、婦人は無事に女の子を産んだ。そしてこのドタバタ騒動で、博士とヘベバリーは自分を見失っていたことに気づき、元の鞘に収まったのだった。
風刺ということではそれなりに面白いのだが、本作の内容に似た素人出演のCMが大評判になるということは、日本でも実際に、時々あることである。それだけにもう少しブラック度を高めても良かったのではないかと思える作品である。
まただ、50年近く昔の作品ということで、現代では忘れられてしまったようなのんびりとした所があって、'60'sらしさを感じるところでもある。で、こういうテンポというのもまた宜しいんじゃないかと...
尚、本作もDVD化されていない作品であって、かつてはLDでリリースされていた作品である。こういう作品もDVD化して貰いたい所である。
↓輸入版のビデオです。
Thrill of It All [VHS] [Import]
- 出版社/メーカー: Universal Studios
- メディア: VHS
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