「魚河岸の石松」(その3) [映画(邦画)]
今回は、1953年1月に劇場公開されたシリーズ第1作について記します。
シリーズ第1作「魚河岸の石松」
作品データを記しておくと、1953年の東映東京の作品であって、時間は88分、白黒作品である。原作は宮本幹也、監督は小石栄一、脚本は館岡謙之助、撮影は永塚一栄、美術は森幹男、音楽は飯田三郎である。そして出演は、河津清三郎、深見泰三、折原啓子、島崎雪子、美山悦子、星美智子、伊沢一郎、金子信雄、植村謙二郎、石黒達也、徳大寺伸、沢村貞子、清水元、横尾泥海男、春風亭柳橋、たちである。
魚河岸育ちの木村松吉、人呼んで「石松」。彼は仲間の宴会旅行で知り合ったストリッパーのマノン・由美、マミ、の姉妹の因縁で、上海の辰というやくざと大喧嘩をするが、彼とは心を許す仲となった。河岸のボス・花長の娘の美智子のことを思っている石松は、マミにつきまとわれることを迷惑がっていた。で、兄貴分の吉原が、新橋の芸者・〆蝶を仮の女房に仕立てマミを諦めさせるという手を打った。マミは諦めたのまでは良かったが、何と今度は〆蝶が石松に惚れてしまった。そんな中、花長と組合長の瀬川との対立から、河岸でちょっとした争いが起こり、その時、瀬川の諌めに応じた石松は仲裁に入ろうとして重傷を負った。美智子が看病してくれたことで陶然となった石松だったが、そんな所に〆蝶とマノン・由美が見舞いにやってきて、折角の気分も台無しになった石松だった。やがて、怪我も癒えた石松は、喧嘩で入院した辰の入院費の工面にとび廻った。そして組合の役員選挙では石松は瀬川の応援をした。更に、花長派のインテリ・沼の行動もあって、瀬川が選挙で焦慮掴んだ。石松に撮っては更に良いことに、〆蝶が勇退することになり、〆蝶も彼の前からいなくなり、念願の恋も適ったのだった。
シリーズと言うことではアクション・コメディということになっているが、コメディ色はそれほど強くはない。また、アクションの方もそれなりということで、コミカル調でノリと勢いで持って行くという作品である。言葉では「コメディ」と「アコション」のどっちつかずということになるってしまい、中途半端という印象を持ってしまうが、その絶妙なバランス感覚が面白い所である。
尚、本シリーズはソフトと言うことでは恵まれてえらず、かつてはLDでリリースされていたものの、現在ではパッケージ・ソフトが無い状態であって、残念なところである。もしも放送で流れることがあれば、チェックしておきたい所である。
↓ソフトがないのでこういうものを...
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