MELISSA ETHERIDGE『MELISSA ETHERIDGE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1988年に発表された彼女のデビュー・アルバムである。ブレイクするのは'90'sになってからであるが、ハスキー・ボイスと迫力あるボーカル、更にはギターを弾きまくる姿で注目された彼女であるが、デビュー・アルバムから質の高いアルバムを届けてくれた。ヒットの規模は小さかったものの、内容的にはデビュー・アルバムとは思えない充実した内容であり、隠れた名盤として認識されているアルバムである。尚、本アルバムのチャート成績は、Billboardで最高位22位を記録し、1989年の年間アルバム・チャートでは46位にランクインしている。また、オーストラリアでは最高位3位、オランダで最高位9位、オーストリアでは最高位16位ということで、これらの国々では本国アメリカを上回るヒットになった。また、(西)ドイツで最高位36位を記録している。
収録曲は以下の全10曲である。『Similar Features』『Chrome Plated Heart』『Like The Way I Do』『Precious Pain』『Don't You Need』『The Late September Dogs』『Occasionally』『Watching You』『Bring Me Some Water』『I Want You』。
この中からシングル・カットされたのは全部で5曲である。デビュー・シングルでもある『Similar Features』はBillboardで最高位94位を記録している。2nd.シングルの『Bring Me Some Water』はオーストラリアで最高位9位を記録しているが、BillboardのHOT 100にはランクインせずにロック・チャートで10位を記録した。3rd.シングルの『Like The Way I Do』がBillboardで最高位42位記録して、本アルバムからのシングル曲の中では最も大きなヒットになった。(が、TOP 40に入っていないので...)4th.シングルの『Don't You Need』はチャートインせず、5th.シングルの『Chrome Plated Heart』はBillboardのロック・チャートで22位を記録しただけであった。
お薦め曲は、シングル曲からは『Similar Features』『Bring Me Some Water』『Like The Way I Do』という曲を、それ以外からは『Occasionally』と『Watching You』をピックアップしておく。
ハスキーで、厚みのあるボーカルは、ボニー・タイラーを思わせる所がある。しかし、彼女のボニー以上にソウルフルであり、更にボーカルだけでは無く、ギターという楽器と一緒になって味のあるところを聴かせてくれている。また、荒削りながらもアルバムとしては纏まっているので、じっくりと聴き込みたくなる内容である。
'90'sになってから発表されてヒットしたアルバムの方が、確かに完成度は高いのだが、本アルバムの方が若さからくるパワーが無限の可能性を感じさせていて、そのため、色々と期待が膨らむ内容になっている。で、その期待から色々と想像することで、内容の濃さが感じられるアルバムとなるのである。
一度ではなく、何度でも聴いて、いくつかの切口から聴いてみたくなるだけに、何度か聴いて味わいましょう!!
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