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「魚河岸の石松」(その5) [映画(邦画)]

今回はシリーズ2年目に突入した1954年に公開された2作品(シリーズ第4作と第5作)について記します。尚、本シリーズは1953年1月に第1作が公開されたが、第4作は1954年1月公開、第5作は1954年4月の公開であった。

シリーズ第4作続々魚河岸の石松 大阪罷り通る
作品データを記しておくと、1954年の東映東京の作品であって、時間は90分、白黒作品である。原作は宮本幹也、監督は小石栄一と小林恒夫の2人、脚本は笠原良三、撮影は永塚一栄、美術は丹羽勝、音楽は飯田三郎である。そして出演は、河津清三郎、柳谷寛、折原啓子、星美智子、田代百合子、月丘千秋、西條鮎子、清川虹子、旭輝子、初音礼子、小島洋々、並木一路、渡辺篤、杉義一、沢田清、大東良一、福岡正剛、たちである。

瀬川のオヤジに清水港行きを頼まれた石松は、用件も聞かずに飛出して、列車に乗り込んだ。が、その列車は急行列車であって、清水港には停まらずに通貨してしまった。そんな石松を追ってきたキノキンは、オヤジの紹介状を持っていて、無事に車内で会えたのだが、石松は美貌の女スリ・花枝姐さんに財布もろともスリ取られてしまう。一文無しとなった石松は静岡で下車し、東京に帰ろうとする。が、潜り込んだ貨物列車は東京ではなくて名古屋行きだった。花枝姐さんと再び出会い、一悶着あった後で紹介状を奪い返すと、それに目を通す石松。しかし、そこには「石松は大馬鹿者」と記されていただけだった。で、石松は清水港に行くのを中止した。そんな石松は、スクーター・レースに出場していて通りかかったシンコの車に同乗して大阪に向った。道中では故障の続出であり、シンコはシンコで猛烈にアタックしてくる。で、何とか大阪に到着した。石松はキノキンと共に仲買人・蛸常の店で働くこととなる。が、蛸常の主人は賭博好きで多額の借金を抱えていた。主人の娘・妙子は新世界の鉄というヤクザに追われており、高利貸の芦屋夫人の催促もただ事ではなかった。石松は主人の窮状に見かねて、芦屋夫人の元に交渉のために乗り込んだ。芦屋夫人はたちまち石松に惚れ、女給字の奈子、更にはたまたま来合せたシンコたちの間で石松争奪戦が始まる有様だった。石松は騒ぎに紛れて何とか脱出したが、今度は東京から追ってきた〆蝶が石松の前に現れた。ということで、女たちの石松争奪戦は更に激しいものとなる。、その頃、蛸常の主人は大勝負に出て、店の資金の全てを持ち出し、更に妙子の身体までも賭けた勝負を新世界の鉄と始めた。勝負はあっさりと鉄の勝ちとなり、有金の全てと妙子も鉄の手に落ちようとした時、石松が駆けつけ、大暴れを初めてその場を救った。が、石松は負傷して入院することになる。で、石松を追う女たちが見舞いにやってきて、石松にあの手この手で迫る。そんなことに耐えられなくなった石松は、南氷洋に捕鯨に赴くという船に乗り込んで大阪を離れることにするが、キノキンと共に乗り込んだ船はその船ではなくて川蒸気船であた。が、出港して大阪を離れたのだった。

シリーズ第5作続続続続魚河岸の石松 女海賊と戦う
作品データを記しておくと、1954年の東映東京の作品であって、時間は92分、白黒作品である。原作は宮本幹也、監督は小石栄一、脚本は笠原良三、撮影は永塚一栄、美術は田辺達、音楽は飯田三郎である。そして出演は、河津清三郎、柳谷寛、折原啓子、藤里まゆみ、中原ひとみ、星美智子、日野明子、牧幸子、宮田悦子、清川虹子、初音礼子、清川玉枝、山野辺内、戸田春子、清水元、田島義文、徳大寺伸、たちである。

大阪を脱出した石松とキノキンの乗った川蒸気船は鳴門の大渦潮に捲き込まれそうになり、そんな窮地を塩田を経営する会社の社長・あかねに助けらた。で、あかねの会社で働くことになった石松とキノキン。が、直ぐにあかねの色欲に耐えられなくなり、石松は金比羅参りに行くという口実で去っていった。金比羅さんに向かう道中で、石松は巡礼娘の千春を助けた。で、訳を聞くと、父の仇を追って出奔した姉・千秋を尋ねての旅をしているということだった。そして、その仇は海賊あざらし団であり、高松を本拠として女子の誘拐を行っていたのだった。一肌脱ぐことにした石松だったが、千遥は一味にあっさりと誘拐され、石松は囮にまかれてしまい、女装したキノキンは一味の本拠である鬼ケ島に乗り込んだ。そして、捕われていた千春や、麻美、プリ、デン助という女たちを助け出した。しかしキノキンは正体を暴かれて海に捨てられてしまう。おぼれ死にしそうなキノキンを救ったのは女海賊の千秋であり、仲間と共に別府に辿り着く。別府には芦屋夫人とおとらがいて、芦屋夫人は再び石松を捜し始める。で、石松を探し当てると愛の告白を始めた。石松は、千遥が病気になり、入院費が必要ということから、入院費を稼ぐために芦屋夫人の用心棒となる。やがて、石松は、千遥の姉・千秋が女海賊であることを知る。が、ちょっとした隙を突かれて、千遥は再びあざらし団に捕まってしまう。で、あざらし団の船が向かった福岡に飛ぶが、石松が出くわしたのはあざらし団ではなくて美智子と〆蝶だった。その夜、石松とキノキンは旅館でフグ料理を食べるが、これに当たってしまう。で、石松が倒れたと言うことを聞いた美智子、〆蝶、麻美、プリ、デン助、芦屋夫人、千秋たちが石松の元に駆けつけてきて、石松の争奪戦が始まる。正気に戻った石松の元に、あざらし団が現れたという知らせが届くと、石松とキノキンそして千秋たちは直ぐに飛び出して行った。で、協力してあざらし団をせん滅することに成功し、千春を無事に助け出し、千春・千秋姉妹ようやく会うことが出来た。そんな所に、東京から駆けつけた沼が、瀬川のオヤジに大事件が起こったと知らせ、石松たちは急遽東京に向かったのだった。

相変わらずの展開であって、お馴染みのパターンでドタバタ劇が進んで行く。シリーズも4作、5作目となると、お馴染みの展開というものは安心して見ていられるということになるのだが、本シリーズではそれが余りにも都合が良すぎる展開となってお馴染みのパターンとなるだけに、微妙なところである。まあ、色々と突っ込みながら楽しめば良いというところですね。(「腐れ縁」とか、世の中は皮肉に出来ている、と言っても、余りにもという展開である。まあ、'50年代という時代の持つ大らかさとせわしなさ、更には高度経済成長期という独特の雰囲気が何とも言えない良さでもあるのですが...)

ところで、第5作のタイトルの「続続続続」という所はなかなか面白いところである。普通は「続々」まではあってもそれ以上になると数字で住ませてしまうのが一般的でありますからね...(が、次作の第6作からは「続」という文字がタイトルから消えてしまうのですが...)

 

魚河岸の石松 (1952年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 向日書館
  • 発売日: 1952
  • メディア: -

魚河岸の石松〈続〉 (1953年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 向日書館
  • 発売日: 1953
  • メディア: -

魚河岸の石松〈満開篇〉 (1953年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 向日書館
  • 発売日: 1953
  • メディア: -

魚河岸の石松〈乱雲篇〉 (1953年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 向日書館
  • 発売日: 1953
  • メディア: -

魚河岸の石松〈旅情篇〉 (1954年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 桃源社
  • 発売日: 1954
  • メディア: -

魚河岸の石松〈完結篇〉 (1954年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 桃源社
  • 発売日: 1954
  • メディア: -

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