MIAMI SOUND MACHINE『EYES OF INNOCENCE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1984年に発表された彼らの初めての英語でのアルバムである。(通算では8枚目のスタジオ・アルバムとなる。)また、後に「GLORIA ESTEFAN」の名前をグループ名から出すことになるが、この当時はそういうことはまだ行っていなかった。尚、チャート成績の方は全くチャートインを記録せずに終わっている。
収録曲は以下の全10曲である。『Dr. Beat』『Prisoner Of Love』『OK』『Love Me』『Orange Express』『I Need A Man』『Eyes Of Innocence』『When Someone Comes Into Your Life』『I Need Your Love』『Do You Want To Dance』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。1st.シングルの『Dr. Beat』はオランダで最高位3位、イギリスで最高位6位、(西)ドイツで最高位7位を記録するというように欧州ではヒットとなったが、アメリカではBollboardのダンス・チャートで17位を記録しただけであった。2ndルシングルの『Prisoner Of Love』、3rd.シングルの『I Need A Man』は、いずれもイギリスで最高位98位を記録しただけで、他の国ではチャートインしなかった。(→最高位が辛うじて100位以内というところで2曲続けて最高位が同じというのは珍記録と言っても良い記録である。(TOP 10入りをした曲になると、結構起こることですが...))
お薦め曲としては、シングル曲の『Dr. Beat』と『I Need A Man』を、それ以外からはアルバム・タイトル・ナンバーの『Eyes Of Innocence』と『When Someone Comes Into Your Life』『Do You Want To Dance』をピックアップしておく。
英語で歌うようになってブレイクするのは1985年に発表される次のアルバムとシングル『Conga』によってであって、本アルバムはブレイク前の作品ということになる。当時は殆ど紹介されなかったが、後にブレイクしてから改めて紹介されたことで、チャート成績を考えると、意外と知られたアルバムとなっている。
ラテン系の明るいサウンドは'80's中盤以降の音楽シーンでは欠かせないものとなり、それをリードしたのが彼らであるのはご存知の通りである。それだけに、本アルバムは'80(sサウンドの方向性を導いたものでもある。確かにセールスは伸びていないが、'80'sの音楽史に於いては重要なアルバムであるのは疑うところがない。(歴史を作ったアルバムというのは、バカ売れするか、ひっそりと目立たないままということが意外と多いのだが、本アルバムは目立たなかったアルバムということになる。)内容的にも充実しており、内容の高さがセールスに結びつかなかったアルバムでもある。
'80's後半ではラテンのリズムという華やかなサウンドがちょっとしたブームになるのだが、その基礎を作ったアルバムということで、しっかりと聞いておきたいアルバムの一枚である。
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