「TOM THUMB」 [映画(洋画)]
表題の作品は1958年のアメリカとイギリスの合作映画「親指トム」である。お馴染みのグリム童話を元にしたファンタジックな作品である。半世紀以上前の技術であるが、当時の先端技術を駆使して描かれた作品であり、出来る範囲で精一杯の工夫をして作られた作品でもある。
作品データを記しておくと、時間は98分、原作はグリム兄弟、製作と監督はジョージ・パル、脚本はラディスラス・フォンダー、撮影はジョルジュ・ペリナール、音楽はダグラス・ガムリーとミュア・マシースンである。そして出演は、ラス・タンブリン、ピーター・セラーズ、テリー・トーマス、アラン・ヤング、ジューン・ソバーン、ジェシー・マシューズ、バーナード・マイルズ、イアン・ウォルス、ピーター・バターワース、たちである。
正直者で通っている木こりのジョナサンとアナの夫婦は、森の女王に小鳥や獣たちのために森のかしの木を伐らないことを約束すると、3つの願いごとを叶えてやると言われる。ジョナサンが「ソーセージが食べたい」と口にして1つ目の願い事が使われ、それに怒ったアナが「ソーネージなどあなたの鼻の頭にくっついてしまえばいい」と言うと2つ目の願い事になってしまった。慎重になった夫婦は、親指ほどの大きさでも良いから子供が欲しい、と言って3つ目の願いを言った。その夜。3つ目の願いが叶えられて、身長が10cmほどの息子・トムが授けられた。トムは森に父・ジョナサンと共に行くと、悪だくみをしているアイバンとトニーという二人組の男に会い、村の宝の塔から金貨を盗む計画に誘われる。が、ジョナサンはそれをきっぱりと断った。午後、トムは笛の上手な若者・ウディと仲よくなり、翌日、ウディと共に祭に出かけるが、この時、ゴム風船に吊られて空高く飛んで行ってしまう。が、空からトムは、宝の塔に金貨を盗む為に入ていたアイバンとトニーに救われ、欺されて盗みの手伝いをさせられ、分け前として金貨を1枚貰う。そしてその金貨をパンだねの中に隠した。しかし、そのパンだねを使ったパンが金貨泥棒を探している兵隊の所に行くことになり、金家が発見されたことから、金貨泥棒としてジョナサンとアナが捕らえられた。トムはウディと共に両親を助けるために動き、アイバンとトニーを見つけると、ウディはロバで2人の後を追い、トムは2人の乗っている馬の耳の中に隠れ、馬に指示を出す。馬は村の広場に向かい、そこには金貨を盗んだ罪で罰せられようとしていた両親がいた。馬は2人を振り落とし、更に盗まれた金貨が入った袋もその場に出てきた。ということで、ジョナサンとアナの無罪が照明され、トムは両親と共に家に戻ることが出来た。
物語としてはオーソドックスなものであり、ベタな展開であるが、時にはこういう物語を見たくなるものである。また、現在の技術とは大きな差があるものの、持っている特撮技術をフルに使って表現するということは知恵を使えばどんなことでも出来るという勇気を与えてくれる所でもある。
オーソドックスな作品であるが、オーソドックスだからこそ力を与えられる物語でもあり、古くから親しまれている「童話」も良いものだと改めて認識出来るところである。
↓輸入版ビデオですが...
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