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「魚河岸の石松」(その6) [映画(邦画)]

今回は4本製作された1955年の作品群から、1955年2月公開となったシリーズ第6作と第7作について記します。(2作の公開は1週間の差であって、第6作が2/20、第7作が2/27の封切りでした。→時間的なこと、スタッフ・キャストを考えると、1本になる作品であったと言っても良い。)また、シリーズ第8作と第9作で主演となる新石松が既に物語の中心になっていると言っても良い。

シリーズ第6作石松と女石松
作品データを記しておくと、1955年の東映東京の作品であって、時間は64分、白黒作品である。原作は宮本幹也、監督は小石栄一、脚本は笠原良三、撮影は佐藤三郎、美術は中村修一郎、音楽は飯田三郎である。そして出演は河津清三郎、堀雄二、柳谷寛、深見泰三、徳大寺伸、清川虹子、水木麗子、星美智子、日野明子、牧幸子、宮田悦子、初音礼子、上代悠司、岩城力、萩原満、曾根通彦、古川縁波、坊屋三郎、益田喜頓、若原一郎、宮城まり子、福丸正、たちである。

シリーズ第7作二代目石松大暴れ
作品データを記しておくと、1955年の東映東京の作品であって、時間は63分、白黒作品である。原作の宮本幹也、監督の小石栄一、脚本の脚本は笠原良三、主演の河津清三郎をはじめ、スタッフと出演者は第6作の「石松と女石松」と同一である。(上記を参照されたし。)

物語の方は、第6作が全編、第7作が後編となっていて、2作で1つの物語が完結している。

原爆禍が魚河岸を襲い、石松はそのマグロを担いで首相官邸に乗り込み、首相に強談判をした。が、その時の啖呵のために、警察は石松を気狂い扱いにした。ということで、石松はほとぼりが冷めるのまで、清水港に行くことになった。その石松と入れ替わるようにして魚河岸に現れたのが木村松男という男だった。かれは石松の甥であり、見た目の良い青年であった。松男はキノキンの肝入りで魚河岸にやってきたが、ワサビ屋の鉄火娘・澄子に啖呵を浴びせかけられて驚いた。しかし澄子は松男に惚れたような素振りを見せた。また、〆蝶も直ぐに誘惑の手を伸ばしていた。魚河岸では山一が何かと何代を突きつけていたが、松男はそれを相手に大乱闘を演じ、腕が立つところを示し、たちまち魚河岸の人気者となった。そんな所に代議士である芦屋夫人が実状調査のために魚河岸にやってきた。そして松男を見ると、直ぐに求愛を始め、松男は命からがら逃げ出した。そんな松男は澄子と出会い、原爆マグロの余波と、澄子の家のワサビ業が不況ということを知り、力になるように動き出した。澄子はナイトクラブで働くようになるが、まもなく行方不明になってしまう。で、松男は澄子を捜し始めるが、暴力カフェに連れて行かれ、天井裏に閉じ込められてしまう。が、そこで麻薬製造室で絶体絶命の状態に追いつめられていた澄子の声を聞いた。で、一味に対して大暴れをして、一味を倒してしまう。こうなると松男の評判は天井知らずとなって、女たちは松男に言い寄るようになり、そこから必死に逃げていく松男がいた。そんな所に清水港から石松が戻ってきて松男と出くわした。ということで、石松と松男を巡って、女性軍の騒ぎは更にエスカレートするのだった。

1954年に第五福竜丸の水爆被爆のマグロ(当時は「原爆マグロ」と言っていた。)事件という衝撃の大きかった事件を題材にしているということもあって、時事ネタを使ったということではタイムリーな所があった作品である。また、時間的には1時間強の前後編と言った感じにまとめられていて、しかも立て続けに劇場公開されたということで、日本映画黄金時代の興行形態に従っている作品ということも出来る。ただ、時間的なことを考えると、2週連続の(90分枠の)特番ドラマというような感じもしてしまう。

また、これまでのシリーズの主役だった石松が本作でも主演と言うことになっているが、事実上は「新石松」が主役の物語でもある。

展開などはこれまでと特に変わらないとはいうみのの、スケールダウンしてしまい、ちょっと残念な作品で終わってしまった...

 

魚河岸の石松 (1952年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 向日書館
  • 発売日: 1952
  • メディア: -

魚河岸の石松〈満開篇〉 (1953年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 向日書館
  • 発売日: 1953
  • メディア: -

魚河岸の石松〈続〉 (1953年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 向日書館
  • 発売日: 1953
  • メディア: -

魚河岸の石松〈乱雲篇〉 (1953年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 向日書館
  • 発売日: 1953
  • メディア: -

魚河岸の石松〈旅情篇〉 (1954年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 桃源社
  • 発売日: 1954
  • メディア: -

魚河岸の石松〈完結篇〉 (1954年)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 桃源社
  • 発売日: 1954
  • メディア: -
映画パンフレット 「魚河岸の石松シリーズ 石松と女石松」

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  • 出版社/メーカー: アットワンダー
  • メディア: おもちゃ&ホビー

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