SSブログ

名曲探偵アマデウス#89 バッハ「マタイ受難曲」 [ドラマ]

3年目の新作の最後となった今回は、バッハ「マタイ受難曲」でした。バッハの曲は4曲目ということになって、ラヴェルと共に三番手グループに入ることになりました。(トップは、ショパンとチャイコフスキーの6曲、二番手グループは5曲のシューベルト、ベートーベン、モーツァルト、ドビュッシーです。)

今回の物語は、元ネタはフェイスブックであるが、時節柄、何かと話題となっているものをネタにするところは面白い所ですね。(しかもNHKらしく、「ミックスブック」としているところも...)

とりあえずの新作はここまでというような結びにして、そのあとはどちらにも取れるような終わり方にしていたが、新作が登場することを期待したいところである。

冒頭、所長が電話で「立ち退き?」と言うことを告げられていた。「なるべく早く振り込みますから」と言って謝り、電話を切ると、心配顔のカノンさんが「家賃、ですか?」と訪ねる。これに大きく首を縦に振った所長。「依頼人の予定は?」とカノンさんが問うと、首を横に振る所長。するとカノンさんは閃いた。「こういう時はミックスブック!」と言って、「ミックスブック」のことを説明しながらパソコンを操作している。が、所長は「友達は入らない。依頼人が欲しいんだ」と言う。カノンさんは「手当たり次第、依頼人募集を書き込めば...」と言って書き込んだ。

すると直ぐに新着メッセージが届き「早速来た!」と言って開く。すると所長は「何?」と言って顔色が変わり、カノンさんの背後倪ってパソコン画面を覗き込んだ。で、カノンさんがその新着メッセージを開いたら「警告 宣伝勧誘は禁止です」というもので「管理人より」とあった。で「怒られちゃった...」と落ち込むカノンさん。

その時、ドアが開いて若い男が飛び込んできた。「名曲探偵の書き込みしたの、あなた?」と言う。するとカノンさんは「今すぐ消します」と言って削除しようとする。が、男は「違うよ。仕事を頼みに来たんだ」と言った。すると所長とカノンさんは「依頼人、来た~~!!」と満面の笑みを浮かべた。

依頼人はミックスブックを作った学生企業家の坂場であった。で、画期的な機能を追加したバージョンアップが完成したという。(「ミックスブック2.0」)新機能とは、日本語で書き込んだ文章が見る国に応じて他の言語に性格に翻訳されて表示されるというものであり、これで利用者世界一になる大きなビジネス・チャンスだと言う。依頼に来たのは、明日、その発表のプレゼンテーションがあるのだが、発表に自信が無く、プレゼンで悩んでいる、と書き込んだ。するとメッセージがなく大量の音楽ファイルが届いたという。で、この曲にプレゼンを成功させる秘密があるのでは?と思ったのだった。曲がバッハの「マタイ受難曲」と分かると、所長はこの曲を選んだこと二意味があると感じ、依頼人へのメッセージが隠されている、と言った。で、依頼人は秘密を教えてと頼む。所長は「成功報酬は?」と訪ねた。依頼人は「プレゼンが成功したらいくらでも」と言った。これに所長の目の色が変わった。カノンさんは「やった、家賃が...」と漏らす。すると「何なら、このビルごと買って挙げますよ」と依頼人は言った。で、所長は依頼を受けた。

ファイルがたくさん届いたということだったが、依頼人は数えていないと言うと、所長が「全部で68曲、3時間を越える」と語る。依頼人は色んな曲があると言って、一部を再生する。(ここでは第2曲、第3曲、第8曲の3曲)所長は「ご説明しましょう」と言って、「受難」についての説明をして、「マタイ受難曲」は「受難の物語」「アリア」「コラール」の3つから構成されているとして、その説明へ。

物語の部分として第7曲、アリアの部分として第8曲、第9曲、コラールとして第10曲で説明される。つまり、1つの物語に対して歌と合唱という異なった方法で表現しており、色んな角度から表現しているということである。これを受けて、依頼人が日本語で書いた文章が中国語に翻訳(この時、カノンさんのチャイナドレス姿が拝めました。)、更にアラビア語に翻訳(所長がアラブの男に扮していました。)、ということを実演したらいい。で、Q&Aをしたら見ている人もバッチリ。カノンさんは「プレゼンばっちり、自社ビルゲット!」と呟いた。が、依頼人は「それだけだろうか?」と疑問を持ち、「気づいたことがある」と言って次の曲を再生した。

第15曲、第17曲、第44曲、第54曲を次々と再生し「これって全部同じ曲ですよね。これって何か意味がある気がする」と言った。所長は「その通り」と言うと、5回登場するコラールということで、この部分(第15曲、第17曲、第44曲、第54曲、第62曲)についての説明へ。

この旋律は、古くからドイツで愛されてきた賛美歌をベースにしたものである。また、バッハは物語に合わせて工夫をしている。ということで、第54曲と第62曲の所での音の高さのことが説明される。

で、物語に聴き手も参加できる仕組みであり、何度も繰り返されるということで、カノンさんは「プレゼンで何度も繰り返される言葉を考えたら」と告げた。これに依頼人は「あなたの呟きが世界を変える」というフレーズを口にした。カノンさんは「カッコイイ~」と感激していたが、所長は「本当にそれだけでろうか?」と言った。送り主はメッセージを書かずに音楽だけを送ってきたということから、そこに意味があると考えた。で、曲に散りばめられた隠された秘密についての説明へ。

第1曲には曲全体のテーマが秘められている。最低音から13段上がる所があり、「13」は十字架を意味する。また、その最高音となる音は「ド」であり、「ド」はドイツ語では「C」であり、これは「黒いつ(十字架)」或いは「Christus(キリスト)」を意味する。そしてその次の音は1オクターブ下がり、14番目の音であり、バッハ自身を表している。また、バッハ(BACH)はアルファベットの2番目、1番目、3番目、8番目であって、その総和は14である。つまり、十字架の側にバッハ自身が控えているということだった。

続いて第63曲では、自筆譜に十字架が隠されている。その部分は合唱の部分である。そしてそのバスの部分には14の音符(=バッハ)が含まれている。

第65曲のアリアでは、歌詞の付けられた14番目の音には「selbst(=自ら)」と言う言葉が当てはめられている。そしてこの曲は全68曲の中で唯一、変ロ長調で書かれていて、これは「B」、つまりバッハである。

自分自身を忍ばせておいた意図は、音楽は利き手だけの者では無く、音楽を神に捧げるものとして書いていたということだった。で、暗号を忍ばせておくことに感激した依頼人。が、カノンさんは「聴いている人には分からない話。自己満足じゃない?」と返した。が、所長は「それは違う」と語り、バッハは楽譜の最後にいつも「たた神のみに栄光を」と書き記しているということで、音楽を神に届けるつもりで書いていたと指摘した。するとカノンさんは「どうしてバッハは神様への強い思いがあったのではょう?」と問うた。

所長は、「バッハの生まれた場所と時台に関係している」と語り、最も思いが強い部分となる第8曲のアリアについて、そしてバッハの生い立ちの説明へ。

ここでは「20人いた子供の半数が幼い頃に病でなくなった」という所で、自分の子どもが20人というのは余りにも凄いということですね。(昔の王族では世継を作るために子供の数が多く5人、10人は当たり前であったが、20人というのは凄すぎる...)更に第39曲での説明と続く。

カノンさんは「ミックスブック」がどうして素晴らしいのか、依頼人の気持ちを伝えたら、と言うと、「画期的な技術」と言って技術説明を始めようとした。が、カノンさんは「そんな難しい話はいいの。どんな良いことがあるの?ってことですよ。これを使ったらどうなるの。夢は?」と言った。そして「これを作ったきっかけは?」と尋ねた。(開発者はついつい技術論になってしまうが、一般的にはカノンさんの言うように「良いことは?どうなるの?」ということを忘れてしまうのですよね...ということで、実に美味いところをついたカノンさんでした。)

依頼人は「小夜子」と言った。彼女は高校時代の元カノであり、高三の時に遠くに引っ越すことになった彼女に、遠く離れていても繋がっていられる仕組みをインターネットの世界ならば出来、絶対作ってやると思ったのだった。

すると所長は「ミックスブックの価値を知っているのはその小夜子さんかもしれない」と言った。で、バッハは一度歴史に埋もれて忘れ去られていたが、ある音楽家によって復活したと語られて、その説明へ。1750年に没したバッハは忘れ去られるが、メンデルスゾーンがそれから80年を過ぎて、素晴らしい曲を再演することが行われた。そしてその演奏会によってバッハは表舞台に復活し、ドイツ音楽の象徴になった。

メンデルスゾーンはバッハの価値に気づき、無謀と呼ばれても復活に尽力したことで、現代でバッハの曲を聴くことが出来るようになった。で、所長は「あなたにとっは小夜子さんがメンデルスゾーンなのかもしれない」と言った。で、彼女とミックスブックについて話したことはないか?と尋ねた。すると依頼人は、彼女の言葉「もしあなたの作るサイトで世界中の人たちが言葉の壁を超えて交流できるようになったら、戦争も無くなるんじゃない」を思い出した。カノンさんは「凄い」と感激していた。で、依頼人は生みの親は小夜子ということに気づいた。所長は「あなたが語るべきなのは技術の素晴らしさでも世界一になることでもない、まさに今の言葉ですよ」と言った。続いてカノンさんが「彼女を会場に呼んだらどうですか?」と提案し「書き込んでみましょうよ、ミックスブックに」と言った。すると依頼人は「そうします」と言い、お礼を言うと帰って行った。

今回は、ドラマ部分は約35分弱、曲が約8分、ラストのオチが1分強という構成でした。曲の部分はダイジェストになるのは四方のない所ですが、第1曲、第9曲、第10曲、第39曲、第54曲が流れました。

ラストのオチは、依頼人の生放送スピーチが始まるということで、パソコンでそれを見ているカノンさん。所長もカノンさんの背後にやってきて画面を覗き込む。依頼人はスピーチで、「僕にこのきっかけを与えてくれたのは一人の女性でした。本当にありがとう」と言った。それを見ていたカノンさんは「彼女、来てくれたんですよ」と漏らした。依頼人のスピーチは続き「『ミックスブック2.0』は僕の到達点にしたいと思っています。そこで再検討した結果、リリースを1年後に延期することにしました」と語った。途端に「えっ、何それ?」とテンションが下がったカノンさん。依頼人は「争いよりも繋がりを」と言ってスピーチを終えた。それを見ていた所長は「報酬は???」と漏らし、カノンさんは「自社ビルは???」と漏らした。その時、事務所の電話が鳴った。所長は「あの鳴り方は大家さんだ...」と言い、カノンさんは「立ち退き???嫌だ~」と声を挙げた。

これまでのパターンから、所長のハッピーエンドと言う形にならないということは予想していたが、その通りでしたね。で、この後、いよいよ立ち退きへ、という筋書きが予想されるが、それでもしぶとく生き残るということも一応は考えられる。とりあえずの新作の打ち止めということでは、こういう結びはわるくなかったと...

が、家賃を滞納していて、追い出されようとしているのに、事務所の中には色んな物がまだありましたよね。大家さんはそういうものを売ってでも家賃を払わせるようにしないといけません。それを考えると、家賃滞納は問題であるが、大家さんの方にしても対処方法に落ち度がありますね。

再開する場合(新作が登場する場合)は、場所を移してカノンさんと続けるということも出来るし、このまま何事もなく残って続けることも出来る。更には立ち退きとなり、カノンさんにも逃げられて、所長1人となって、若しくは新しい助手との新コンビということも出来る。(が、息の合った所長とカノンさんのコンビが一番だと思います。)

また、前回に続いてカノンさんのチャイナドレス姿&チャイニーズというのはサービスカットでした。

今回で新作の放送は(一旦)打ち止めのようです。4月以降はBSプレミアムでの放送がありますが、土曜日のお昼過ぎ(午後1時台)の放送で、「名曲探偵セレクション」ということでの再放送になっています。まずは4/9(土)からということで、ファイルNo.001のラヴェル「ボレロ」ということになっています。この初放送は2008/4/4だったので、3年経過することになる(再放送は何度か行われていますが...)ので、未見という方も結構いるのではないでしょうか。そういう方には有り難いということになりますね。また、4/16はファイルNo.002のブラームス「交響曲第4番」が予定されています。今までのように月に3本の新作が見られないのは残念ですが、放送枠が続いてあるのならば、月に1本ぐらいは新作を放送して貰いたいところですが...

 

↓これも拾っておきます。

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

  • 作者: 『NHKクラシックミステリー名曲探偵アマデウス』制作チーム
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2010/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

↓今回の曲です。

バッハ:マタイ受難曲(全曲)

バッハ:マタイ受難曲(全曲)

  • アーティスト: クレンペラー(オットー),バッハ,フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD

バッハ:マタイ受難曲(全曲)

バッハ:マタイ受難曲(全曲)

  • アーティスト: レオンハルト(グスタフ)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2005/06/22
  • メディア: CD
バッハ:マタイ受難曲

バッハ:マタイ受難曲

  • アーティスト: バッハ,リヒター(カール),ミュンヘン・バッハ管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1991/09/25
  • メディア: CD
バッハ:ヨハネ受難曲

バッハ:ヨハネ受難曲

  • アーティスト: バッハ,リヒター(カール),ミュンヘン・バッハ管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1991/10/25
  • メディア: CD
バッハ:マタイ受難曲 ハイライツ

バッハ:マタイ受難曲 ハイライツ

  • アーティスト: リヒター(カール),ミュンヘン・バッハ管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/02/28
  • メディア: CD
バッハ:マタイ受難曲

バッハ:マタイ受難曲

  • アーティスト: シャイー(リッカルド),バッハ,ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: CD
バッハ:「マタイ受難曲」ハイライツ

バッハ:「マタイ受難曲」ハイライツ

  • アーティスト: ガーディナー(ジョン・エリオット),バッハ,イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD
バッハ:マタイ受難曲

バッハ:マタイ受難曲

  • アーティスト: バッハ,小澤征爾,サイトウ・キネン・オーケストラ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: CD
バッハ:マタイ受難曲

バッハ:マタイ受難曲

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1997/04/09
  • メディア: CD
バッハ:マタイ受難曲(全曲)

バッハ:マタイ受難曲(全曲)

  • アーティスト: レオンハルト(グスタフ),バッハ,クイケン(シギスヴァルト),ラ・プティット・バンド
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2008/11/26
  • メディア: CD
バッハ:マタイ受難曲【SHM-CD仕様】

バッハ:マタイ受難曲【SHM-CD仕様】

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2009/04/22
  • メディア: CD
バッハ:マタイ受難曲

バッハ:マタイ受難曲

  • アーティスト: リヒター(カール),バッハ,ミュンヘン・バッハ管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1999/06/23
  • メディア: CD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。