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「魚河岸の石松」(その7) [映画(邦画)]

今回は、二代目の作品となったシリーズ第8作と第9作の2本について記します。尚、この2作品はいずれもが1955年の作品であって、第8作は1955年8月公開、第9作は1955年10月公開であった。また、物語としては第8作が前編、第9作が後編ということになっている。

シリーズ第8作魚河岸の石松 マンボ石松踊り
作品データを記しておくと、1955年の東映東京の作品であって、時間は61分、白黒作品である。原作は宮本幹也、監督は小石栄一、脚本は笠原良三、撮影は星島一郎、美術は中村修一郎、音楽は飯田三郎である。そして出演は、堀雄二、柳谷寛、星美智子、清川虹子、日野明子、牧幸子、宮田悦子、三條美紀、宮城まり子、花澤徳衛、石島房太郎、戸田春子、三好久子、佐藤一郎、深見恵子、山本節子、森幾子、広田新二郎、益田喜頓、曾根秀介、吉川英蘭、山下磨智子、桂彰二、杉丘のり子、たちである。

キノキンは5歳の時に生き別れとなった母が生きていて、盤梯山麓にいるということを知り、石松と共に母に会うために出掛けた。現地に到着したが、母は既に引っ越していた。で、直ぐに後を追い、山形に入る。しかし、そこでは佐渡に渡ったと聞かされた。キノキンと石松は旅費も底を尽いたということで、現地の音頭大会に飛入り出場し、一等賞となり、商品として貰った牛を売って金を作った。そんな所に、旧知の間柄であるマミのいる旅廻り一座と会い、その一座が新潟に行くと知る。で、2人は一座に加わり新潟に向かった。が、一座の座長・町子が石松に参ってしまい、いつもの展開へ。新潟では、興行主と一座の間で契約金のことで揉め、マミたちを酒席にはべらせて解決の糸口にしようとする。が、マミは酒席で危うくなり、駆けつけた石松たちによって救われた。更に、芦屋夫人も現れて、一座の借金は芦屋夫人が払ってくれて、全ては解決した。芦屋夫人は佐渡金山の権利を買うことを考えていて、現地に向かう途中ということで、石松とキノキンは一緒に佐渡に渡った。今度こと母に会えると思ったキノキンだったが、母は既に清水港に引越していて、ここでも会うことは出来なかった。一方、鉱山に来ていた石松と芦屋夫人は、危険な坑道に連れこまれ、坑道の崩落事故に巻き込まれてしまった...

シリーズ第9作石松故郷へ帰る
作品データを記しておくと、1955年の東映東京の作品であって、時間は54分、白黒作品である。原作は宮本幹也、監督は小石栄一、脚本は笠原良三、撮影は星島一郎、美術は中村修一郎、音楽は飯田三郎である。そして出演は、堀雄二、柳谷寛、星美智子、清川虹子、初音礼子、月丘千秋、日野明子、牧幸子、宮田悦子、中原ひとみ、石島房太郎、里見有理、小峰千代子、萩原満、山口勇、岩城力、大東良、福岡正剛、牧野狂介、山本縁、山本麟一、生信賢三、たちである。

佐渡の鉱山の坑内で土砂崩れに遭った石松と芦屋夫人だったが、無事に脱出することが出来た。が、マミたちがいることで石松は逃げるように佐渡を離れ、新潟から長野を経由して清水港に向かう。が、途中の佐久間で列車事故に出くわし、天竜川を下ることになる。しかし、激流に呑み込まれて、土左衛門になりかけたところを矢間の娘に助けられた。更に、何者から襲われて、米俵に詰め込まれて清水港に送られた。清水港では、6代目の次郎長親分の世話で魚市場で働くようになる。そんな中、とき子という商売の邪魔をする娘と会う。彼女の兄は次郎長一家に填められていかさま博打で金を巻き上げられていて、やくざに身を持ち崩していたのだった。そんな所に女博打打ちのお貞が石松の姿を見て惚れてしまい、芦屋夫人、更には〆蝶を交えた鞘当てで混乱することになる。石松はそんな状況から何とか逃げ出した。一方、おとらのお陰で母と再会したキノキンも次郎長一家の悪事を知り、戻ってきた。で、石松とキノキンは次郎長一家に殴りこみを掛け。次郎長一家をのしてしまった。そしてマミをはじめ、みんなに見送られて、東京に戻っていった。

時間的なことを考えると、2本をまとめて1本の作品にして公開するべきと(現在では)誰でも考えるところであるが、当時は日本映画全盛期であって、娯楽の王様の映画は数多く封切られていて、1時間程度の前後編に分けられた作品というのは当たり前のようにあったものである。が、そうなると、全体を通して見ると、物語の展開にせわしなさが感じられることになり、表面的な所しか描くことが出来ない状態に陥ってしまう可能性が高くなる。本作はそういう弊害がモロに出てしまい、痛々しい所である。

また、既に実質的に前々作と前作で主役が交代していたが、完全に主役が交代したことで本シリーズの魅力を失ってしまった。コメディとしてのドタバタ部分も騒がしいだけで他に何も無いとなれば、言うことも無いですね。

で、本作で幕が下りるのかと思ったら、3年後の1958年にカラー作品となって、役者を更に変えて3代目としての作品が作られることになる本シリーズである。

 

魚河岸の石松〈第1〉多情多感の章 (1964年) (芸文新書〈アー1〉)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書

魚河岸の石松〈第2〉侠気一本の章 (1964年) (芸文新書〈アー2〉)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書

魚河岸の石松〈第3〉青春転々の章 (1964年) (芸文新書〈アー3〉)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書

魚河岸の石松〈第4〉奇想天外の章 (1964年) (芸文新書)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書

魚河岸の石松〈第5〉土竜昇天の章 (1964年) (芸文新書)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書
映画パンフレット 「魚河岸の石松シリーズ 石松と女石松」

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  • 出版社/メーカー: アットワンダー
  • メディア: おもちゃ&ホビー

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