「THE TAMING OF THE SHREW」 [映画(洋画)]
エリザベス・テイラーの訃報が届いたということで、追悼の意味を込めて彼女の出演作品を記すことにします。(これまでに何本か記しているので、これまで取り上げていない作品にします。)リズのご冥福をお祈り致します。
表題の作品は1967年のアメリカとイタリアの合作映画「じゃじゃ馬ならし」である。シェイクスピア原作の有名な戯曲であるが、今一つ人気がない作品でもある。(複数回映画化されているものの、他の作品と比べると知名度としても今一つである。)
本作は、当時は夫婦であったリズとR・バートンというキャスティング(この2人は2度結婚し、2度離婚しているが、本作製作時は1度目の結婚期間中であり、夫婦であった。)は話題になった。(が、期待外れと言う声が多いのもまた事実である。)
作品データを記しておくと、時間は122分、原作はウィリアム・シェイクスピア、監督はフランコ・ゼフィレッリ、脚本はポール・デーン、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、フランコ・ゼフィレッリの3人、撮影はオズワルド・モリス、音楽はニーノ・ロータである。そして出演は、エリザベス・テイラー、リチャード・バートン、シリル・キューザック、マイケル・ヨーク、ナターシャ・パイン、マイケル・ホーダーン、アルフレッド・リンチ、アラン・ウェッブ、ビクター・スピネッチ、ロイ・ホルダー、マーク・ディグナム、たちである。
物語はお馴染みのものである。舞台は16世紀初頭、イタリアの田舎に帰ったルーセンショーが美女。ビアンカに一目惚れし、彼女の後をつけていく。そこで父と口論するビアンカの姉・カタリーナを見て、カタリーナに女を世話することを考えた。で、金持ち女を引っ掛けようと思ってこの地にやってきたペトルーキオーに話をして彼も承知する。カタリーナを嫁にと申し込んだペトルーキオーだったが、カタリーナはとんでもないじゃじゃ馬だった。やがて、カタリーナはペトルーキオーに慣らされたのか、おとなしい女に変わっていき、結婚する。それでもまだじゃじゃ馬ぶりを見せていた。ペトルーキオーは巧みに手綱さばきを見せ、ビアンカが結婚するために実家に戻った時には、妻の義務について語るような理想的な妻に変わっていた...
この物語に関しては、フェミニストが色々と問題視する声を挙げていることでも知られている(シェイクスピア戯曲であるが、やはりこの辺りが現代で不評な所でもある。)が、物語が16世紀初頭(現在から500年ほど昔)ということで、時代が完全に違っているということが置き去りにされている。中世の物語と言うことで、これはこれと思うのですがね...(中世の物語に現代的な思想を取り入れるということも試みとしては面白いが、当時の世の中を逸脱したものとなると、それはもはやコメディでしかないですし...)
ただ、とんでもないじゃじゃ馬であるカタリーナが飼い慣らされていくというのはともかく、意外とあっさりと変わっていってしまうのは、面白みに書けているとしか言えない。もう少し派手な抵抗があった方が良かったかと...(この辺りが、当時は夫婦だった2人だからという所なのでしょうかね...???)
↓原作戯曲
じゃじゃ馬ならし シェイクスピア全集 〔7〕 白水Uブックス
- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1983/01
- メディア: 新書
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