OXO『OXO』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。(と同時に、彼らはこのアルバムしか発表していないので、唯一のアルバムでもある。)第二次ブリティッシュ・インヴェージョンの波も引き、アメリカ勢が勢力を取り戻すようになった当時、アメリカ各地から次々と新しいグループが飛び出してきたが、彼らはフロリダ州マイアミ出身ということで、南国の香を持ったニューウェーブ系バンドとして登場し、彗星のように現れて去っていった。(完全な(シングル曲の)一発屋であるが、「一発屋」と呼ぶにはヒットの規模は小さかったですが...)
収録曲は以下の全11曲である。『Whirly Girl』『Dance All Night』『My Ride』『Wanna Be Your Love』『In the Stars』『You Make It Sound So Easy』『Waiting For You』『Back In Town』『I'll Take You Back』『Love I Need Her』『Runnin' Low』。
この中からシングル・カットされたのは『Whirly Girl』である。Billboardで最高位28位を記録するヒットとなった。(他のチャート誌ではTOP 20入りを果たしている。)が、この一曲だけのヒットであって、この曲のヒットで現れて、ヒットの沈静化で消えてしまった...
お薦め曲としては、彼らの代表曲である『Whirly Girl』は当然と言うことになるが、この曲よりも『Dance All Night』『My Ride』『Waiting For You』も悪くない。(シングル・カットについて工夫していれば、これらの曲の方がより大きなヒットになった可能性があるのでは?と感じられる。)
尚、本アルバムは収録時間が33分弱ということで、当時のロック・アルバムとしても時間的に短く、「不景気レコード」と呼ばれたが、その通りである。
サウンドはニューウェーブ系のものであって、当時は新鮮な感じがするものである。それでいてポップなところもあるので、比較的聴きやすいものである。(が、現在では時代を感じさせるものになっている...)
完全に忘れ去られているバンドであり、CD化もされていない(これは「卵が先か鶏が先か」という議論と同じレベルのものになってしまいますが...)ということで、現在では当時のLPでしか聴くことが出来ず、耳にすることもまずあり得ないという状況になっている。よって、再発という話しすら出てこないであろうし、CD化される可能性も限りなく低いであろう。つまり、再評価されるための最低限の音源すら確保されないということになるため、表舞台にすら出てこないと思われるが、こういうバンドあったということで、'80'sの記憶ということで記しておくことにする。
尚、彼らのように、例え1曲であってもBillboardのチャートでTOP 40入りを記録した曲があるバンドはそれなりに成功したと言うことが言える。何せ、TOP 40はおろか、TOP 100、更にはTOP 200にチャートインしないで消えていくミュージシャンの数は山ほどいますからね...
↓本アルバムはCD化されていません。『Whirly Girl』は'80'sオムニバス盤に収録されているものがあります。
Another Lost Decade: 80s Hard to Find Hits
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Time Life Records
- 発売日: 2006/02/28
- メディア: CD
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