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「魚河岸の石松」(その8) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第50弾として記してきた「魚河岸の石松」シリーズも今回限りです。で、残っているシリーズ最終作となる第10作について記します。この作品は、主役が今井俊二(現在は今井健二に改名している。)となった3代目となったということと、全作から3年のブランクをおいて作られたもの座或る。また、これまでのシリーズ9作は全て白黒作品であったが、本作はカラー作品である。

シリーズ第10作三代目 魚河岸の石松
作品データを記しておくと、1958年の東映東京の作品であって、時間は89分、原作は宮本幹也、監督は小石栄一、脚本は笠原良三、撮影は藤井静、美術は進藤誠吾、音楽は飯田三郎である。そして出演は、今井俊二、柳谷寛、清川虹子、暁テル子、星美智子、佐久間良子、宮城まり子、高山道子、大泉滉、小宮光江、宮田悦子、奈良あけみ、村田知栄子、浦野みどり、小川虎之助、三島雅夫、斎藤紫香、トニー谷、高木二朗、萩原満、戸田春子、須藤健、宮田洋容、岩城力、岸井明、桧有子、曽根秀介、関山耕司、志摩栄、乾貞子、ミッキー・カーチス、たちである。

魚河岸の組合長の選挙に瀬川と丸富の2人が立候補した。瀬川は、丸富とも縁の深い清水の網元・権造に選挙が丸く治るように乗り出して貰おうと考え、石松とキノキンの2人が清水の権造の元に向かった。清水駅に到着した石松とキノキンだったが、キノキンが芸者風の粋な年増に鼻の下を伸ばしたことで財布をすられてしまった。更に、権造は清水にはおらず、伊豆・下田に引っ越したということで、下田に向かった。が、下田で石松たちは、鳥羽の網元が倒れたため、復帰するまでの間、権造が変わりの監督を務めることになり、鳥羽に行ったと知る。で、権造を追って鳥羽に向かった2人。賭場に到着したが、今度は怪しげな新興宗教に絡まれたり、海女コンクールに首を突っ込んだりしたこともあって、権造となかなか会うことが出来ないでいた。騒動も何とか一段落すると、ようやく権造に会うことが出来た石松とキノキンだったが、丸富から、石松たちを相手にしないようにという知らせが権造の元に届いていた。しかし権造は、選挙の投票日までには東京に顔を出すことを約束した。その時、昔、自分の元で働いていた熊田という男に注意するようにと助言を受けた。東京・魚河岸では選挙戦が繰り広げられていて、両候補の演説会が行われる。そして丸富の応援演説に熊田が声を張り上げていた。そんな所に権造が駆けつけ、熊田が行っている悪事を暴いた。応援演説をしていた熊田の悪態を知った丸富は、熊田の悪事を知らなかったとして詫びることになった。で、選挙は瀬川が当選した。相変わらず女たちに追われている石松に、瀬川は感謝の言葉を言うのだった。

はっきり言って本作は駄作であって、つまらないものである。単独の物語としたらそれなりであるのだが、過去の9作で見られた調子の良さを始め、女たちが繰り広げる騒動にしても面白みが無くなっていて、魅力が失せてしまっている。

映像がカラーになったとはいうものの、既にカラー作品というものも当たり前になっていた時期の作品であるため、物珍しさも無く、単に昔のシリーズを引っ張り出しただけの凡作でした。→3年前の第9作で完全に幕を下ろしていたら良かったのに、というだけである。(要するに、初代石松を演じた河津清三郎のキャラで持っていただけに、2代目となった第8、9作が転けているので、初代が復帰してというのであればまだ分からないでもないが、それ以上作る意味がない、ということである。

シリーズとしては全10作まであるものの、実質的には第5作までで終わっていたと行ってよいシリーズである。半分が凡作/駄作であったということで、DVD化されないのも納得出来る所である。また、LDでは全作がリリースされていたのだが、恐るべき所までリリースしていたものだということを改めて感じることになりました。

 

魚河岸の石松〈第1〉多情多感の章 (1964年) (芸文新書〈アー1〉)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書

魚河岸の石松〈第2〉侠気一本の章 (1964年) (芸文新書〈アー2〉)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書

魚河岸の石松〈第3〉青春転々の章 (1964年) (芸文新書〈アー3〉)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書

魚河岸の石松〈第4〉奇想天外の章 (1964年) (芸文新書)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書

魚河岸の石松〈第5〉土竜昇天の章 (1964年) (芸文新書)

  • 作者: 宮本 幹也
  • 出版社/メーカー: 芸文社
  • 発売日: 1964
  • メディア: 新書
映画パンフレット 「魚河岸の石松シリーズ 石松と女石松」

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  • 出版社/メーカー: アットワンダー
  • メディア: おもちゃ&ホビー

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