山崎ハコ『飛・び・ま・す』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1975年に発表された彼女のデビュー・アルバムである。当時は現役女子高生であり、パワフルな声量と豊かな表現力のある歌、そして曲の方は暗いながらも鋭く社会を抉っているということで、本当に高校生なのか?と言われるほどのものであった。そして、同年に同じようなくらい曲調でデビューした中島みゆきと比べられたものであった。
収録曲は、オリジナル盤では全10曲であったが、現在ではラストにボーナス・トラックが1曲追加されていて、全11曲となっている。収録曲は以下の通りである。『望郷』『さすらい』『かざぐるま』『橋向こうの家』『サヨナラの鐘』『竹とんぼ』『影が見えない』『気分を変えて』『飛びます』『子守唄』。(以下、ボーナス・トラック)『男と女の部屋』。
お薦め曲としては、『望郷』と『さすらい』というお馴染みの曲と、『かざぐるま』と…、とピックアップしていくと、結局、全ての曲をということになってしまうので、それ以上は取り上げることはしないことにする。尚、『影が見えない』は彼女が15歳の時(本アルバム発表時の2年前である。)に作った曲ということで、別の意味でも驚くべき曲であり、こういう凄い曲があるということを記しておくことにする。
同時期にデビューした女性シンガーソングライターの中でも、彼女の曲は特に「暗い」という印象が強く、そのため、最初から敬遠されがちになってしまい、マイナーな存在と扱われているところがあるのが残念なところである。しかし、曲の方は実に鋭い所を突いていて、なかなか面白いものであり、また、彼女の音楽的なセンスも独特の者があって面白い。(とは言っても、好き嫌いがはっきりしてしまうようなサウンドであるのは否めませんが...)
本アルバムは彼女のキャリアの原点でもあるだけに、女性シンガーソングライターの作品を利くという方は、やはりチェックしておくべきアルバムである。(ベスト盤ではなく、原点となる本アルバムの方を選ぶべきである。)
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