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「UTZ」 [映画(洋画)]

表題の作品は1992年のイギリス、イタリア、ドイツの合作映画「マイセン幻影」である。日本での劇場公開は1993年8月であった。世界中に知られているドイツ陶磁器のマイセンであるが、本作はそのマイセンに魅せられた男の人間ドラマである。ドラマとしてだけでなく、劇中に登場する陶磁器の方も見所となっている作品でもある。

作品データを記しておくと、時間は99分、原作はブルース・チャトウィン、監督はジョルジュ・シュルイツァー、脚本はヒュー・ホイットモア、撮影はゲラルト・ヴァンデンベルグ、音楽はニコラ・ピオヴァーニである。そして出演は、アーミン・ミューラー・スタール、ブレンダ・フリッカー、ピーター・リーガート、ポール・スコフィールド、ミリアム・カーリン、クリスチャン・ミューラー・スタール、キャロライン・ガスリー、ポリーン・メルヴィル、たちである。

時は1980年のプラハ。ドイツ生まれの伯爵であるウッツは、現在はメイドのマルタと共に小さなアパート暮らしをしている老紳士である。オークション会場でマイセンの人形を競り合ったウッツは、ニューヨークの古美術商のフィッシャーと知り合う。5歳の時に祖母の城でマイセンと出会い、その魅力に取り憑かれたウッツは数多くのコレクションを持っており、フィッシャーはウッツの情熱を知り、いずれウッツのコレクションを魅せて貰うために訪ねると約束をした。

1985年、ウッツの元を訪ねたフィッシャーは、国立博物館の学者で、以前はマンモスの研究をしていて、今は家バエの研究をしているというオーリック博士を紹介された。そしてウッツの家では1000点にも及ぶマイセンのコレクションを見せられた。が、そのコレクションには全て国立博物館のラベルが貼られていた。ウッツはフィッシャーに、国から監視されていることなどを話し、フィッシャーはスイスに移住することを勧めたが、コレクションを捨てられないとウッツは言うだけで、移住の話を断るのだった。

1989年、ウッツが心臓発作で倒れたということをオーリック博士から知らされたフィッシャーは、ウッツがマイセンを売るのはここしかないと考え、プラハに飛んだ。が、一足遅く、ウッツは既に亡くなったと知らされた。マイセンのことが気になったフィッシャーは、ウッツのアパートに行くが、そこにマイセンのコレクションは無かった、というのは、ウッツがマルタに頼み、彼の死の間際に、コレクションのマイセンは全て粉々に壊されたのだった。そしてウッツはコレクションと共に旅立ったのだった...

本作でアーミン・ミューラー・スタールはベルリン国際映画祭で男優賞を獲得しているが、その渋い演技に浸るというのも面白い所である。(人間ドラマとしてはなかなか味がありますし...)

作品としては派手な所は無いのだが、劇中に登場するマイセンを見るということだけでも価値のある作品である。

時には物語を追っていくのではなく、劇中に登場する小物を目的として、映画を見るというをしても宜しいかと...ただ、本作もLDではリリースされていたが、DVD化されていないので、見ようと思ってもちょっと苦労しますが...

 

↓ビデオとLDです。

マイセン幻影 [VHS]

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: VHS

 

Utz [VHS] [Import]

Utz [VHS] [Import]

  • 出版社/メーカー: First Run Features
  • メディア: VHS

マイセン幻影〈ワイド〉 [Laser Disc]

  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
  • メディア: Laser Disc

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