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「THE ANDERSON TAPES」 [映画(洋画)]

先日、シドニー・ルメット監督が亡くなったという訃報が届いたので、ご冥福をお祈りすると共に、追悼ということで、彼の監督作品をいくつか記すことにします。社会派映画の巨匠として知られているが、彼の代表作とされている「十二人の怒れる男」と「ネットワーク」は以前に記しているので、それら以外の作品を取り上げることにする。

彼は、テレビ・ムービーの監督から映画監督となり、1957年の「十二人の怒れる男」で一躍名を馳せ、それ以降長い間社会派作品を製作している。しかし、彼の作品で良かったといえるものは概ね'80's前半までであり、晩年の作品は鋭い切口も失せていたのは残念な所である。今回は、そんな彼の作品の中から、過去に記した作品を除き、冴えていた'70'sの作品を何本か取り上げることにします。


表題の作品は1971年のアメリカ映画「ショーン・コネリー 盗聴作戦」である。日本公開も1971年(10月)であった。ニューヨークにある電子技術を駆使した高いセキュリティを誇る高級マンションを舞台に、金庫破りたちが挑む犯罪映画である。強盗一味とFBIとの頭を使った闘いが見所である。

作品データを記しておくと、時間は98分、原作はローレンス・サンダース、監督はシドニー・ルメット、脚本はフランク・ピアソン、撮影はアーサー・オーニッツ、音楽はクインシー・ジョーンズである。そして出演は、ショーン・コネリー、ダイアン・キャノン、マーティン・バルサム、ラルフ・ミーカー、アラン・キング、クリストファー・ウォーケン、ヴァル・エイヴァリー、ディック・ウィリアムズ、ギャレット・モリス、スタン・ゴットリーブ、ポール・ベンジャミン、アンソニー・ホランド、リチャード・B・シャル、コンラッド・ベイン、マーガレット・ハミルトン、マックス・ショウォルター、たちである。

デューク・アンダースンは金庫破りの罪で刑務所に入っていたが、10年の刑期を終えて出所した。彼が向かったのはイースト・サイドの豪華なマンションに住む愛人・イングリッドの元だった。そのマンションは豪華高級マンションであり、デュークは直ぐにその財産を計算し、それを奪うことを考えた。しかし、イングリッドはウェルナーという金持に囲われていて、部屋に仕掛けられた盗聴装置によってウェルナーが不在であっても監視されていた。デュークは計画を実業家のパットに話した。が、パットの本当の顔は暴力団のボスであって、FBIが監視していた。更にデュークは、計画を進めるためにトミー、キッド、スペンサーという3人のその道のプロを集めた。しかしその3人もやはりFBIが監視していたが、彼らはFBIに監視されていることを全く知らなかった。一同はマンションを徹底的に調べ上げ、部屋の見取り図、金庫の位置、守衛について、警備装置について、その全てを把握した。で、犯行の決行日が決まる。その日は労働感謝祭の日であり、盗んだ大型トレーラーに小型のバンを積み込み、ターゲットのマンションに向かった。途中でデュークの刑務所仲間とパットの差し向けた殺し屋を拾い、マンションの玄関に横づけすると、覆面をした一味が作戦を開始した。守衛を縛り、警報装置を切り、調べした見取り図に従って高価なものだけを奪っていく。住人たちを1つの部屋に集め、それを1人が監視し、他の仲間は次々と部屋から高価なものを奪っていく。各フロアを同じようにあさっていくが、4階のビンガム家の1人息子・ゲリーがアマチュア無線の通信機を持っていることを見落としたことが命取りになる。高価なものを物色していき、一味が部屋からいなくなると、ゲリーはアマチュア無線で事件を通報した。直ちに警察が動き、マンション一体は封鎖され、レンジャー部隊が派遣される。が、デュークたちはそんなことになっているとは知らず、次のフロアをあさっていた。5階の物色が終わった頃、デュークは屋上からの足音に気づいた。で、直ぐに盗んだものをバンに積み込み、脱出しようとする。トレーラーは急発進するが、封鎖網を作ったパトカーに突っ込んだ。警官隊が包囲してトレーラーの扉を開けると、バンが飛び出してきた。が、バンもパトカーの封鎖網に突っ込んだ。犯行は失敗し、キッドやスペンサーは死亡、トミーも逮捕された。しかしデュークだけいなかった。捜査をしていると、デュークのうめき声だけが聞こえてきた。デュークはイングリッドの部屋で力尽きて倒れていて、うめき声が盗聴器を通して届いていたのだった。

40年も昔の作品ということで、当時の先端のセキュリティ装置をはじめ、盗聴機器は現代の物と比べると玩具の様なものであるのは仕方のないところである。(逆に、古き良き時代のものということで、微笑ましく感じられることになる。)で、(当時の)先端技術に守られたマンションを相手に犯罪を行おうとするため、如何にもプロの職人が集まったという犯罪一味の頭脳戦というのは面白い所である。が、FBIが盗聴していて、計画が筒抜けになっていたところが十分に活かされていないとか、用意周到な一味がハム(アマチュア無線)を見落としていたというように、物語を進め能重で都合が良すぎると思えるところがあるのもまた事実である。中盤まではスリルと緊張感に満ちた良い展開であったため、物語の詰めが甘いということになるが、いざ行動をする時になると、肝心なところを忘れてしまうというのは意外とありがちなだけに、プロであっても人間的な一面が出ているということを思えば、なかなか面白いと感じる所である。

 

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