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「女賭博師」(その3) [映画(邦画)]

今回は、前作が好評だったために江波杏子主演で製作されたシリーズ第2作と第3作についてです。第2作の劇場公開は第1作から8ヶ月後となる1967年7月であり、第3作はそれから2ヶ月後の1967年9月であった。しかし、当時は特にシリーズということは謳われておらず、主演は江波杏子であるものの、第1作との繋がりは無く、第2作も第3作も独立した物語である。

シリーズ第2作女賭博師
作品データを記しておくと、1967年の大映作品であって、時間は85分、原作は松浦健郎、監督は弓削太郎、脚色は松浦健郎、撮影は宗川信夫、美術は仲美喜雄、音楽は池野成である。そして出演は、江波杏子、加藤嘉、川口小枝、山田吾一、本郷功次郎、内田良平、仲村隆、高村栄一、早川雄三、内田朝雄、竜岡晋、水原浩一、夏木章、春本泰男、高見国一、津田駿、河島尚真、谷謙二、大山健一、伊東光一、たちである。

幼い頃から、胴師の父・源造によって仕込まれた夏江は、女賭博師としての腕は名人芸と呼ばれている。六本木でピアノバーを経営しているが、女賭博師との2つの顔を持っていた。そんな夏江の側には、松吉が逸美彼女を守るようにいた。グローバル工業の社長・磯部は、実はやくざの親分であり、夏江に何度も求婚していたが、首を縦に振らない夏江だった。ある日、温泉の賭場で、夏江は自分の手を続けて読んだ女子大生・滝子と出会う。滝子は公金を横領した恋人を助けるため賭場に来て金を作ろうとしたのだったが、最後の勝負で夏江に敗れてしまい、恋人と共に自殺を計った。夏江は、素人の滝子を賭場の世界に引き込むことに抵抗を感じたため、その勝負でる。イカサマ札を使ったが、滝子は生き残ったと知った。磯部は、夏江がイカサマ札を使ったことを滝子に語ると、滝子は夏江の恋人の写真家・田上に近づき、夏江と田上の仲を引き裂いた。そんな折り、磯部は勢力拡大の為、全国の親分集を集め、大々的な賭場を開く。しかもそれを警察に密告し、全てを菊田の親分のせいにして、ライバルを蹴落とした。この時、胴師を務めたのが源造であり、その責任を感じて自殺してしまう。夏江は菊田に会い、密告者を問い糾すと、磯部の野望を知る。一方、松吉は源造の仇ということで磯部を刺すが、磯部の子分に殺されてしまう。夏江の周囲にいた人は一人もいなくなり、夏江には花札しか残らず、その道で生きていくことにした。

中盤までの展開としては悪く無いのだが、クライマックスに向かうところからは主人公・夏江の黄道に物足りなさを感じてしまう展開である。うことで、終盤が残念な作品でした。

シリーズ第3作女賭場荒し
作品データを記しておくと、1967年の大映作品であって、時間は86分、原作は松浦健郎、監督は弓削太郎、脚本は長谷川公之、撮影は渡辺公夫、美術は山口煕、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、成田三樹夫、高千穂ひづる、加藤嘉、小池朝雄、桂米丸、都家かつ江、千波丈太郎、甲千鶴、水原浩一、青山良彦、飛田喜佐夫、待田京介、橋本力、津山由起子、南堂正樹、関幸四郎、竹内哲郎、北城寿太郎、杉森麟、原田玄、志保京助、中原健、有島圭、たちである。

銀子は何処にでもいるようなごく普通のOLだった。父・辰吉が金策に苦労しているのを知ると、バーで知り合った鉄に誘われるまま、ある賭場に行ってサイコロ博奕をする。そして素人離れした腕で勝負に勝ち、大金を持って帰ってきた。そしてその金を辰吉に見せるが、辰吉はその金のことを知ると激怒した。彼は、かつて「昇り龍の辰吉」と呼ばれた日本一のツボ振りであったが、やくざな世界に嫌気が指して堅気になっていたのだった。で、銀子が得た金を返しに賭場に行った。その時、イカサマを注意するが、逆に刺されてしまう。銀子の元に帰ってきた辰吉だったが、傷が深く虫の息であって、銀子に「イカサマなしの日本一のツボ振りになれ」と言い残して息を引き取った。銀子は辰吉の言葉を受けて、徹底的にツボ振りの訓練を重ね、2年が過ぎた今では、その腕は凄く、賭場から賭場を渡り歩く女賭博師になっていた。そんな銀子は、ある日、自分を初めて賭場に連れて行った鉄と再会する。そしてこの時、鉄が「疾風の鉄」と呼ばれているツボ振りだったことを知る。そして勝負をし、鉄に勝った。それ以後、銀子は父の異名を受け継いで「昇り龍のお銀」と名乗るようにした。それからまもなく、銀子は秋子という女賭博師と、神崎組と田島組の縄張り争いの決着を付ける勝負を行うことになる。落ち目の田島のシマを神崎が奪うことを狙ったこの勝負で、銀子は病床の田島に同情し、勝負を行うことになったのだが、腕に自信のある銀子は必ずカツと言って勝負に挑む。で、秋子に勝って田島組のシマを守った。しかし、勝負の後の帰り道で、神崎組の者に襲われる。それを秋子が身を挺して守った。実は、秋子は銀子の姉であり、重症を負った秋子はそれを語ると息を引き取った。また、その場に居合わせた鉄が秋子の仇を取ると、警察に自首をした。鉄と秋子は恋人関係だったことを知った銀子は、自分も鉄に思いを寄せていたが、勝負師として生きていく決心をした。

物語としては前作、前々作とは全く関係なく独立したものであり、登場人物も同様である。(主演が同じと言うだけである。)が、ストーリーの骨組みと展開は大差がないだけに、製作当時はシリーズ作品ということを意識していなくても、完全にシリーズ化を意識していたことが分かる。(逆に、今だからこそ言えることでもありますが...)

まあ、お決まりのパターンで進んで行く物語は、驚きという部分がないものの、そのパターンが分かると安心していられるだけに、まあ宜しいかと...(5、6本となると、飽きてくるのだが、2、3本だったらそう言うこともまだですし...)

 

↓ビデオです。(DVD化されていません。)

女賭博師 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • メディア: VHS

 

↓こういうものがあります。

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  • アーティスト: オムニバス(勝新太郎/江波杏子/ザ・ガードマン他)
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: CD


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