SSブログ

「SERPICO」 [映画(洋画)]

シドニー・ルメット監督作品として、もう1本記すことにして、追悼と言うことで記すのは一旦占めることにします。

表題の作品は1973年のアメリカ映画「セルピコ」である。日本での劇場公開は1974年7月である。本作も実話を元にした作品であり、ニューヨーク市警ではびこる汚職と腐敗に立ち向かって行く正義の警官の姿を描いた作品であり、社会派監督のS・ルメットらしい所が出ている作品である。また、本作はドキュメンタリー・タッチで描かれているところがポイントである。

作品データを記しておくと、時間は130分、原作はピーター・マーズ、監督はシドニー・ルメット、脚本はウォルド・ソルトとノーマン・ウェクスラーの2人、撮影はアーサー・J・オーニッツ、音楽はミキス・テオドラキスである。そして出演は、アル・パチーノ、ジョン・ランドルフ、ジャック・キーホー、ビフ・マクガイア、トニー・ロバーツ、コーネリア・シャープ、F・マーレイ・エイブラハム、アラン・リッチ、バーバラ・イーダ・ヤング、エド・グローバー、たちである。

1971年2月、ニューヨーク市警の警官・フランク・セルピコは重傷を負ってグリーンポイント病院に担ぎ込まれた。麻薬犯を逮捕しに行き、重傷を負ったのだった。で、セルピコのこれまでの警察での行動を振り返る。11年前、警察学校を卒業したセルピコは希望と使命感に燃えていて、82分署に配属された。高い理想を持っていたかれだったが、現実と理想とは余りにも差があった。同僚たちは賄賂の受け取りが当たり前のように行われていたのだった。セルピコそれに耐え難く感じ、犯罪情報課勤務に変わる。更に、向上心を満たすためにニューヨーク大学にも通うようになり、そこでバレー・ダンサーのレズリーと知り合って、同棲を始める。また、警官としては刑事になる訓練を受け始め、ブレアというプリンストン大学卒の同僚と仲良くなり、2人は刑事となり、セルピコは93分署に、ブレアはニューヨーク市長の調査部に配属された。新たな希望に燃えるセルピコだったが、新しい職場でも賄賂は横行していて、初日にセルピコは賄賂を渡された。直ぐにブレアに相談して、調査部長に報告したものの、部長は「忘れてしまえ」と言うだけだった。賄賂が横行することで、セルピコは悩み、職場を変えて貰うが、その職場も全く同じであり、彼は賄賂の回収の仕事を与えられることになる。しかし、賄賂を受け取ることが許せないセルピコは、決してそれを受け取らなかった。ということで、組織の中で孤立していくことになる。ブレアに相談し、市長の右腕のバーマンに実情を訴えるが、取り上げて貰えない。更に私生活でも彼女と別れることになり、誰もセルピコのことを理解する者はいない状態となる。そんな所で彼は8分署に転任した。ここで彼を分かってくれるロンバート警視と出会い、出レアをも相談し、市警の汚職の状況をニューヨーク・タイムスに話した。報道がされると大騒ぎになる。そんな時、セルピコは市警のトップから直々に、しないで最も危険な麻薬地帯の担当を命じられたのだった。そして同僚と共に容疑者の逮捕に向かった。そして、同僚たちの助けがないまま、重症を負ったのだった。入院していたセルピコは、回復すると警察を辞め、傷痍年金を受けて海外に移住した。

ドキュメンタリー・タッチという所が、物語を地味なものにしているのだが、いつの時代にもある汚職、腐敗の体質を描くのにはこの方が良いですね。(こういう所は「社会派」と呼ばれる作品らしい所である。)

今風に言ったら、主人公・セルピコは「空気が読めない奴」ということになるのだが、信念を曲げないでいるというのは凄いところである。彼ほど真っ直ぐな男もいないであろうが、組織の中で浮いている人間を何とかして飼い慣らそうとしたり、どうしても転ばないということが分かると抹消してしまおうとする組織の怖さなど、なかなか鋭く描かれている作品であるため、見ておきたい作品の一つである。

 

セルピコ [DVD]

セルピコ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • メディア: DVD

セルピコ 【ベスト・ライブラリー 1500円:隠れた名作特集】 [DVD]

セルピコ 【ベスト・ライブラリー 1500円:隠れた名作特集】 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。