PALE FOUNTAINS『PACIFIC STREET』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1984年に発表された彼らの1st.アルバムである。1982年にイギリスで数曲のヒット曲を生んでいただけに、待望のアルバムということになる。チャート成績は本国イギリスで最高位84位を記録しているものの、伸び悩んだ。(また、彼らの3枚のアルバムの中では最もチャート成績の良かったアルバムにもなった。)
'80's初頭の第二次ブリティッシュ・インヴェージョンの波はシンセサイザーを導入したエレクトリック・サウンドと呼ばれるものを広く普及させることになり、それが'80'sサウンドの核になったが、そういうサウンドが広がって定着すると、それに版下サウンドも見直しされてくることになる。それはアコースティックなサウンドのものであり、'80'sではネオ・アコースティックト呼ばれ、ネオアコ・ブームという形でそのムーブメントが現れた。彼らはそんなネオアコ・サウンドを聴かせるグループということで智勇目を集めることになった。但し、彼らは単なるアコースティックなバンドではなく、ブラスを取り入れていたということが特徴でもあった。(ブラスも電気楽器ではないので、やはりアコースティックと言うことが出来ますが...)
収録曲は、オリジナル盤では全11曲であったが、現在では4曲のボーナス・トラックが追加されたものと、10曲のボーナス・トラックが追加されたものとがある。オリジナル盤の収録曲は以下の通りである。『Reach』『Something On My Mind』『Unless』『Southbound Excursion』『Natural』『Faithful Pillow (Part 1)』『Don't Let Youll Start A War』『Beyond Fridays Field』『Abergele Next Time』『Crazier』『Faithful Pillow (Part 2)』。
この中からシングル・カットされたのは次の2曲である。1st.シングルが『Unless』、2nd.シングルが『Don't Let Youll Start A War』である。尚、彼らは本アルバムの発表前に3枚のシングルを発表しているが、ボーナス・トラック関係はそれらを中心にしたものである。
お薦め曲は、シングル曲の『Unless』と『Don't Let Youll Start A War』、それ以外からは『Southbound Excursion』『Natural』『Abergele Next Time』という所をピックアップしておく。
サウンドとしては、'80'sのエレクトリックなものと比べると派手さは無いが、ネオアコということでは結構派手な部類に入るものである。それだけに、エレクトリック・サウンドに馴染みがあるものにとっては、おとなしすぎるということになり、本来のアコースティックなサウンドを聴きたいというものに撮っては派手すぎるということになり、どちらからも浮いてしまったサウンドということになってしまい、苦戦することになった。しかし、当時の流れから完全に離れている現在であれば、ネオアコの中では少し派手であるものの、十分その範疇に含めてしまって、落ち着いて聴くことの出来るものということになる。('80's中期のエレクトリック・サウンドと比べるとかなり地味ですが...)時を経て聴くと言うことは、当時の時代の流れを切って。音楽だけを聴くことになるだけに、当時とはまた違った印象を受けることになるだけに、改めて聴き直してみるのが宜しいかと...
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