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「WATER ALSO BURNS」 [映画(洋画)]

表題の作品は、1987年のトルコ、西ドイツ、日本の合作映画「水もまた燃える」である。東京国際映画祭ヤングシネマで小津記念賞を受賞したA・オズゲントルク監督が、それで得た資金で製作した自伝的要素のある作品である。尚、本作の日本での劇場公開は1987年11月であった。

作品データを記しておくと、時間は116分、監督と脚本はアリ・オズゲントルク、撮影はエルタンク・セルケイである。そして出演は、タールク・アカン、サーカ・テカント、タルグート・サバス、ナタリー・デュボーネ、ファリー・アベル、たちである。

映画監督のアリは、次回作の製作資金25万ドルを得て故郷に戻ってきた。しかし、周囲の人間は金持になったアリが戻ってきたとしか思わないでいた。そしてその金を自分のために使うようにあれやこれやと勧められる。しかし、次回作の構想を出さなければならず、考えが纏まらずに苦しんでいたアリは、自分の金ではないので自由に金を使えないと言うことができず、悩みの日々が続く。しかし、次回作の脚本家と打合せの日が迫っていた。脚本家と会って作品の構想を話し合う。で、アリは青年時代をイメージしたが、話が纏まらない。映画会社からは題材を早く決めろという催促の声が届くことになり、アリは正直言って、何を撮ったらいいのかが分からなくなっていた。そんな中、アリの妻が、愛人からアリに届いた手紙を見つけ、家を飛び出していこうとする。アリは自分を置き去りにしないでくれと頼み込んでいた。やがてアリは撮影隊に合流し、自分の映画を作るという気持ちに満ちていた。しかし、事件はその後で起きた。荒野でフィルムに火がついて燃えてしまったのだった...

A・オズゲントルク監督が本作を製作する時の彼自身の姿と重なるだけに、不思議な感じのする作品である。それでいて、映像の方はなかなか綺麗な画となっていて、現実と虚構とが入り乱れる独特の世界を上手く描いている。

ストーリーの方は今一つ掴みにくい所もあり、派手な所が無いだけに、大衆受けする作品ではない。が、独特の世界観を味わうということで、時にはこういう作品と接してみるのも宜しいかと...(ドイツ映画は時々日本でも公開されるが、トルコ映画が日本で陽の目を見るということが殆ど無いため、この…だけでもチェックしておいてもいいですね。)

 

※本作は、かつてはLDでもリリースされていましたが、DVD化もなく、またビデオも無いようです。


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