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「エスパイ」 [映画(邦画)]

小松左京追悼ということで記す2本目の作品は、超能力を持つ諜報員・エスパイたちの活躍を描いたアクション作品である、1974年暮れに劇場公開された「エスパイ」です。当時は超能力ブームと言うこともあって、超能力を扱った作品が幾つか登場しているが、本作もそういう1本として扱われている。ただ、娯楽作品としては詰めの甘いところもあって...

作品データを記しておくと、1974年の東宝作品で、時間は94分、原作は小松左京、監督は福田純、脚本は小川英、撮影は上田正治、美術は村木忍、音楽は平尾昌晃と京建輔、特技監督は中野昭慶である。そして出演は、藤岡弘、由美かおる、草刈正雄、加山雄三、若山富三郎、内田勝正、スティーブ・グリーン、岡田英次、睦五郎、ジミー・ショウ、ロジャー・ウッド、アネスト・ハーネス、ウィリー・ドーシー、山谷初男、ロルフ・ジェッサー、ゲルマン・ライナー、フランツ・グルーベル、バート・ヨハンソン、デュケネ、ギンター・グレイブ、ダンハム、ヘンリー、ジュリー・クラブ、ケリー・バンシス、高村ルナ、アンドリュウ・ヒューズ、たちである。

世界各地でVIPの暗殺が続発する。エスパイのニューヨーク本部は、それらの事件の背後には宿敵・逆エスパイが関わっていると知り、あ手を打とうとするが苦労していた。その頃、エスパイ日本支部では、超能力を持つテストドライバーの三木をスカウトし、エスパイになる為の教育を行っていた。そんな中、イスタンブールから、重要な情報が入り、田村とマリアが現地に入る。そして逆エスパイがバルトニア首相の暗殺計画を実行しようとしていることを知る。が、バルトニア首相はサンモリッツとパリにいる事が分かり、どちらかが替え玉と判明する。しかし、情報を提供したポールが殺され、マリアが掠われた。田村は全超能力を出し切ってマリアを救ったが、彼の超能力は消えてしまう。そして逆エスパイの首領に捕まり、地中海に捨てられた。溺死寸前の所を救われた田村はサンモリッツに向かう途中のエスパイの仲間と共にサンモリッツに入る。が、逆エスパイの罠に苦戦し、首相は暗殺されてしまう。しかし、その首相は替え玉だった。数日後、日本へ親善旅行をする首相と共に、専用機で日本に向かった田村たち。途中で飛行機が操縦不能になるが、超能力で乗り切り、日本に到着する。東京では超能力に懐疑的になっていた三木が敵に捕まり、田村が救い出すも、時限爆弾が仕掛けられた車の中に閉じ込められてしまう。が、伝説の超能力とされているテレポーテーションによって田村が危機を脱出し、首相歓迎レセプション会場に現れ、敵を倒す。そしてエスパイたちは逆エスパイの本拠を襲撃し、首領を倒す。が、その死体の中から黒い影が抜け出すと、宇宙に飛び去っていった...

中盤まではそれなりに緊張感を以てストーリーが進んで行くのだが、物語の舞台が日本に移ってからは歯切れの良さがなくなってしまうのが残念である。また、超能力を失った田村が愛の力でそれを取り戻し、伝説の超能力を駆使するというのは、超能力ファンにとっては幻滅してしまう展開でしかない。(愛の力は超能力を失わせるというのが常識ですから...)

ということで、SFファンとしたら、後半からクライマックスについては目を覆いたくなる残念な作品ということになるが、展開上、愛の力で超能力が復活するというのは、ヒーローものとしてはベタ過ぎる展開ということで、'70's作品ということではこれはこれでも良いのかも...

 

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