TONY BANKS『A CURIOUS FEELING』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。言うまでも無く彼は、'60'sから活動を続けているあのGENESISのキーボーディストである。GENESISも'70's中盤からメンバーの脱退で、サウンドの方がプログレからポップなものに変わっていくことになるのはご存知の通りである。で、3人になったGENESISという時期に発表されたのが本アルバムである。イギリスでは最高位21位を記録しているが、アメリカではBillboardで最高位171位ということで、セールスの方は伸び悩むことになった。
収録曲は以下の全11曲である。『From The Undertow』『Lucky Me』『The Lie』『After The Lie』『A Curious Feeling』『Forever Morning』『You』『Somebody Else's Dream』『The Waters Of Lethe』『For A While』『In The Dark』。
特にヒット曲は生まれていないが、本アルバムは'70'sに確立したGENESISのプログレを受け継いでいるものである。GENESISのサウンドが変化していく中で、彼のソロ・アルバムは以前のGENESISを受け継いでいるということになった。が、'80's間近という当時は、もはやプログレは過去のものという様な感じとなっていたこともあって、殆どヒットすることはなかったのが、「GENESISよりもGENESISらしいサウンド」として、従来のGENESISファンの間では評判のよいアルバムである。(ただ、以後の彼のソロ・アルバムではポップなサウンドに変化しているので、プログレらしい音のアルバムは本作のみということになっている。)
お薦め曲は、『Lucky Me』『After The Lie』『A Curious Feeling』『You』『Somebody Else's Dream』『The Waters Of Lethe』という所をピックアップしておくが、特に後半の7曲目(LPではここからがB面であった。)からの3曲(21分弱)はたっぷりと堪能出来る大作が続いていて、聴き所である。
チャート成績やセールスということでは伸びなかった本アルバムであるが、GENESISの他のメンバーのソロ・アルバムは十分なヒットを記録したことから、彼だけがソロとしては取り残されたような形になっているが、従来のGENESISファンをはじめ、'70'sのプログレ・ファンの間では、'80'sの声が間近になってプログレが殆ど登場しなくなっていく中で、往年のスタイルでプログレを堪能出来るアルバムとして評判の高いアルバムである。たしかにセールスの伸びていないが、セールスとアルバムの内容とは比例するものでもない。まさに'80'sを間近にした中で生まれたプログレの傑作アルバムである。
'80's以降のGENESISファンは戸惑うことになるであろうが、'70'sのGENESISファン、更にはプログレ・ファンにとっては実に嬉しいアルバムである。('80'sファンは、ここから'70'sのプログレに繋がる入口にするというのも宜しいかと...)
キュリアス・フィーリング: CD/DVDスペシャル・エディション(A CURIOUS FEELING)(直輸入盤・帯・ライナー付き)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ディスクユニオン(原盤/英:Esoteric Recordings盤)
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Curious Feeling (Bonus Dvd) (Dlx)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Esoteric
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